東京医科大学ゲノム専門部会
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東京医科大学
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  • がんゲノム医療者養成コース(大学院)
  • がんゲノム医療者養成コース(インテンシブコース)

修業期間: 大学院 4年 / インテンシブコース 規定なし

教育内容の特色

がんの個別化医療の概念は浸透し、一般臨床への導入期は終了した。悪性度評価や治療効果予測のため、網羅的なゲノム情報に立脚したがん医療への方向性が加速するのは確実である。特に薬物療法におけるバイオマーカーの利用は通常化され、薬剤選択も臓器別がん腫の適応からゲノムベースに移行しつつある。実践面でも臨床腫瘍学分野を中心にゲノム情報による治療法の選択、治療効果、副作用の発現などを関連分野が共有している。本治療戦略を推進するスキームを構造面と人材面で更に強化する必要がある。本学は大学院教育においてがん診療を行う各分野が腫瘍クラスターを構成し、分野横断的に連携しており、このメンバーを中心にトランスレーショナルリサーチと教育(講義、実習)を効率的に行いうる体制は確立している。

養成すべき人材像

①がんの個別化医療推進のために必要な基礎、臨床医学の知識と実践経験を有し、ゲノム生物学を中心とするがん医療を構築できる人材。
②ゲノム医療の実践において、ゲノム診断の機序を理解し、結果を適切に解釈することにより、がんの集学的治療ができる医療者

コース修了者のキャリアパス構想

・腫瘍内科医(がん薬物療法専門医)
・がん関連診療科の専門医

履修方法

・講義科目については、原則は本学 e-learningシステム「e-自主自学」により受講してください。
・クリニカルシーケンス実習は、授業担当者と日程を調整し受講してください。

先端がん治療学

授業の目標
  1. がん免疫の基礎的知識を修得しその応用を理解する。
  2. がんにおける分子異常を理解する。
  3. 個々のがんにおける遺伝子変異と分子標的薬品を理解する。
授業の概要
  1. がん対策基本法とがん対策推進基本計画が公布、施行された背景を概説する。
  2. 基本的知識について講義(e-learning、8回)を行う。講義はe-learningで実施し、履修後のミニ・テスト、講義に対する質問状況で評価する。
e-learning講義名 がん免疫療法の基礎的知識
T細胞の抗原認識と活性化の分子メカニズム
免疫チェックポイント療法の分子メカニズム
ゲノムプロジェクトと次世代シーケンサー開発の歴史
肺がんにおける遺伝子変異と分子標的薬の開発
乳がん・卵巣がんにおける遺伝子変異と分子標的薬の開発
大腸がん・胃がんにおける遺伝子変異と分子標的薬の開発
その他がんにおける遺伝子変異と分子標的薬の開発

臨床腫瘍学総論

授業の目標
  1. わが国のがんの疫学・統計を知るとともに、がん医療に関するわが国の医療政策を理解する。
  2. がん診療におけるチーム医療の重要性を理解し、診療で行われているチーム医療を理解する。
  3. 腫瘍の発生原因となる、分子異常と病理学を対比することで、腫瘍発生の全体像を理解する。
  4. がんの合併症とその対策を、緩和医療の立場から理解する。
授業の概要
  1. 基本的知識について講義(e-learning、8回)を行う。講義はe-learningで実施し、履修後のミニ・テスト、講義に対する質問状況で評価する。
講義内容 がん対策基本法とがん対策
がんの統計
がん診療とチーム医療
がんの病因
がんの病理診断
がんの増殖・浸潤・転移
がんの合併症と対策1
がんの合併症と対策2

腫瘍治療学

授業の目標
  1. がんの治療における外科治療、放射線治療、がん薬物療法等の集学的治療を理解できる。
  2. がん薬物療法、分子標的治療の基本的知識(薬物療法の目的、薬物療法の基礎理論、薬物療法の適応と限界、有害事象と支持療法)を理解できる。
  3. 主要な悪性腫瘍の疫学、危険因子、スクリーニング、確定診断、病期分類、予後因子、治療方針、がん薬物療法の標準的治療、進行期の支持的・緩和的処置等を網羅的に理解する。
授業の概要 基本的知識について講義(e-learning、16回)を行う。
講義はe-learningで実施し、履修後のミニ・テスト、講義に対する質問状況で評価する。
講義内容 がん治療総論(外科治療)
がん治療総論(放射線治療)
がん治療総論(インターベンションナルラジオロジー)
がん治療総論(内視鏡治療)
がん治療総論(がん薬物療法)
がんの分子標的治療薬
がん薬物療法による有害事象と支持療法1
がん薬物療法による有害事象と支持療法2
悪性腫瘍の診断・治療・管理(胸部腫瘍)
悪性腫瘍の診断・治療・管理(消化管がん)
悪性腫瘍の診断・治療・管理(肝臓がん)
悪性腫瘍の診断・治療・管理(胆膵がん)
悪性腫瘍の診断・治療・管理(乳がん)
悪性腫瘍の診断・治療・管理(女性生殖器がん)
悪性腫瘍の診断・治療・管理(泌尿生殖器がん)
悪性腫瘍の診断・治療・管理(造血器腫瘍)

クリニカルシーケンス実習

授業の目標
  1. クリニカルシーケンスの基礎的手技を修得する。
  2. クリニカルシーケンスの作業の流れを理解する。
  3. クリニカルシーケンスの臨床応用を体験する。
授業の概要
  1. ホルマリン固定パラフィン包埋標本の作製から、次世代シーケンサーまでのサンプル調整を行う。
  2. 基本的手技について実習(16回)を行う。実習は各研究室で実施し、実習に対する姿勢で評価する。
  3. がん遺伝子異常と治療法の連結を行い、臨床適応を検討する。偶発的所見の取り扱について理解する。
講義内容 ホルマリン固定
パラフィン包埋標本作成
FFPEサンプルの薄切1
FFPEサンプルの薄切2
HE染色による腫瘍領域の同定1
HE染色による腫瘍領域の同定2
DNA抽出
標的領域増幅PCR(1st PCR)
インデックス配列付加PCR(2nd PCR)
ライブラリー精製・濃度測定
次世代シーケンサー(MiSeq)1
次世代シーケンサー(MiSeq)2
ゲノム医療における情報伝達(案)
クリニカルケーススタディ1
クリニカルケーススタディ2
ケーススタディ総括

詳細は下記をご確認ください。

大学院コース

インテンシブコース

大学院:共通領域科目、専門領域科目、本コースの追加必修項目を含めて30単位以上を履修すること。
インテンシブコース:所定の講義科目6単位の履修(実習科目の選択も可能)

医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、本学医学研究科大学院生

分子病理学分野

黒田 雅彦

〒160-8402 東京都新宿区新宿6-1-1
東京医科大学

電話: 03-5803-4873
FAX: 03-3351-6141
Email: kuroda☆tokyo-med.ac.jp
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申込方法

募集要項をご確認ください。

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