
VOICE
受講者・修了者の声
慶應義塾大学 痛みの集学的治療コース(インテンシブコース)
2024年度受講生
2024年度受講生
井上 玲香
私は緩和薬物療法認定薬剤師として、緩和ケア病棟と緩和ケアチームで薬剤提案を行っている。しかし知識や経験不足を感じ、どうすれば薬剤師として患者さんが抱えている「苦痛」や「不安」に寄り添うことができるのか学ぶため受講した。
慶應義塾大学病院の緩和ケアセンターでは、身体症状担当医師、精神症状担当医師、看護師、薬剤師が毎日回診、カンファレンスを行っている。研修では緩和ケアチームに同行し、多職種でディスカッションする機会をいただいた。
画像診断やフィジカルアセスメントによる疼痛評価を行い、添付文書やインタビューフォーム、最新の論文を読み解いて、薬物動態や薬理機序に基づいた、薬剤選択や投与量、投与方法の提案が行われていた。また、患者さんの思いや価値観を重視したケアや治療を行うためのコミュニケーション法を学んだ。
痛み診療センターでの研修は、非がん性慢性疼痛について受講し診察に同席させていただいた。薬物療法や神経ブロックを見学し、当院では行っていない治療法を学び治療の選択肢を考えるきっかけとなった。
私が目指す緩和医療専門薬剤師は、身体マネジメントの実践能力、患者とのコミュニケーション能力、緩和医療の質の向上に貢献できる研究力を有することが課せられている。今回の研修で、日々の業務を振り返り今後学ぶべきことが明確となった。
「患者の苦痛を理解し、寄り添う痛みの治療・ケア、終末期医療を担う専門家として、誰一人取り残さない治療を提供する」ことが、がんプロフェッショナル養成講座の主旨である。今後は研修で学んだことを活かし、多職種と連携しながら地域において緩和ケアを推進していきたい。