2025.10.16
地域に定着する放射線治療医養成WG
領域3 緩和的放射線治療「特別講義1」「演習1」を開催しました
地域に定着する放射線治療医養成WGが開講する、緩和的放射線治療・密封小線源治療・高精度放射線治療の質の向上と普及を担う人材養成コース領域3「緩和的放射線治療」において、「特別講義1」「演習1」を開催しました。
特別講義1 (領域3緩和的放射線治療)
2025年7月11日(金)18:30~19:50(Zoom開催)
- テーマ「がん患者におけるリハビリテーション」
- 講師:北原エリ子先生(順天堂大学医学部附属順天堂医院)
- 座長:鹿間直人先生(順天堂大学医学部附属順天堂医院)
- 要旨:がん患者に対するリハビリテーションはがんそのものによる症状に対するリハビリテーションと、がんに対する治療の後遺症などに対するリハビリテーションに大別され、いずれも保険診療として行われています。リハビリテーションを担当する理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが、どのような点に配慮し、どのようなゴールを設定して、日々のリハビリテーションを実施しているのかについて、経験事例を交えながら解説いただきました。放射線治療や薬物療法により症状緩和が得られることで、より効果的なリハビリテーションが実施できるというメッセージもいただきました。参加者はスタッフを除いて23名でした。
演習1(領域3緩和的放射線治療)
2025年9月27日(土)13:00~16:00 (Zoom開催)
- テーマ「放射線粘膜炎に対する多面的アプローチ」
- 司会:鹿間直人先生(順天堂大学医学部放射線科主任教授)
吉村亮一先生(東京科学大学放射線科教授) - 講師:
1) ケース紹介:塚本友紀子先生(順天堂医院)
2) 看護師の視点から(粘膜炎に対するケア):大谷志津子先生(横浜市立市民病院)
3) 薬剤師の視点から(粘膜炎に対する薬物療法):永吉ひとみ先生(順天堂医院)
4) 栄養士の視点から(粘膜炎に対する食事療法):大脇真有先生(順天堂医院)
5) 歯科の視点から(口腔ケアのやり方):山村佳子先生、森本夢菜先生(順天堂練馬病院)
6) 臨床心理士の視点から(辛い副作用と向き合うメンタル):高橋啓示先生(順天堂医院)
7) 医師の視点から(治療計画における配慮など):岡野奈緒子先生(順天堂練馬病院) - 要旨:放射線粘膜炎は頭頸部治療患者さんを中心に見られる有害事象であり、全身状態の悪化や副作用の悪化、治療効果の低減が起こらないようにするため、粘膜炎を起こさないようにする患者・医療者で協力してケアにあたる必要があります。現在もさまざまな職種が専門性を活かして関わることで、治療効果を高め、有害事象を軽減し、患者さんが治療を完遂するサポートを行なっています。今回は、多職種の専門性を活かした粘膜炎患者への関わり方、解釈、提案などを共有し、知識を深めました。ディスカッションでは医療者間でも情報共有し連携しながら関わっていくことの重要性が議論されました。また、具体的な提案などについても提示され、実臨床でも取り入れやすい情報提供がなされました。
参加者はスタッフを除き42名で、終了時のアンケートでも実臨床で取り入れられる内容がとても多かったとの感想が多く寄せられました。