2001年5月22日更新

<本ページの更新履歴>

・2001/5/22 HeMXエレメントのダウンロードリンクの設定.HeMX更新履歴の掲載.本ページの更新履歴の掲載.
・2001/5/8 本ページのデザインの更新.HeMX DTDファイルのダウンロードリンクの設定.


○HeMXの目的

・HeMX(ヘムエックス)は血液透析処置に関連する診療記録を構造化し,交換可能な形式で記述するためのデータフォーマットとして設計されました.HeMXを用いることにより血液透析診療に関する詳細なデータを電子的にオンラインまたはオフラインで交換することができます.また,多施設で血液透析診療のデータを共有することにより,情報の交換,集積,分析が迅速且つ正確に行えるようになります.さらに,透析関連の多施設の統計データを効率的に集約するためにHeMXを利用することもできます.尚,現在のバージョン(バージョン1.0)のHeMXの制限事項は下記です.
・対応する情報は血液透析の処置に関するものに限定する.
・一般的な入院・外来診療(診察,処方,手術など),および健康保険等の情報には対応しない.
・腹膜透析,血漿交換等は現在のところ対応しない.
○HeMXのサンプル表示
HeMXで記載した透析指示と透析記録のサンプルをご参照ください。
Internet Explorer 5.0以降,Netscape 6.0以降ではHeMXを直接参照することができます。
その他のビューワーではXMLをサポートしていませんので、あらかじめHTMLに変換したファイルを用意してあります.
このようにHeMXで受け取ったデータは簡単に参照,印刷,集計する事ができます.
透析指示のサンプル → XML  HTML 透析記録のサンプル → XML  HTML
○HeMXの記述言語
最近注目されているXML(extensible markup language)を使用しています.その理由はXMLには以下のような利点が認められるからです.
多様な形式の情報の記載に適している.
構造的,セマンティックな記述が可能である.
機種依存性が無く,汎用性が高い.
データベース構築を行うことができる.
他の医療情報記述方式(MML,MERIT-9等)との互換性がある.
可読性がある.
HeMXはXMLで記述されているため,他の医療情報交換規約のサブセットとしてすぐに組み込むことが可能です.また,データ表示の柔軟性が高く,パソコンでの表示,携帯端末での表示等の種々の応用の可能性があります.そのほか,HeMXで記述されたデータをそのままXMLデータベースとして構築することができるため多施設透析患者データベースの構築などの応用が可能です.
○HeMXの大構造とセクション
・HeMXはHeaderとBodyから構成される.
・HeMX Headerには施設ID、患者ID情報が記述される。
・HeMX Bodyには,以下の4つのセクションがある。
1.HDHistorySection(透析関連履歴情報セクション)
2.HDOrderSection(透析指示情報セクション)
3.HDProgressSection(透析記録情報セクション)
4.HDTestResultSection(透析関連検査結果情報セクション)
○HeMX Bodyの詳細構造


1.HDHistorySection 1.HD導入情報(原疾患,導入日,導入施設)
2.ブラッドアクセス情報
2.HDOrderSection 1.基本指示 :透析曜日及び毎透析に対する指示 1.現行の継続指示(acrive order)
2.指示変更及びその履歴(alteration order)
2.日々指示 :指定日一日のみ有効の指示とその履歴(除水量設定を含む)
各指示ブロックは下記の構造を持つ
(1)実施曜日
(2)透析時間帯
(3)透析方法
(4)ドライウェイト(基本指示のみ)
(5)目標体重(日々指示のみ)
(6)目標総除水量(日々指示のみ)
(7)除水プラン(日々指示のみ)
(8)重量補正
(9)血流量
(10)透析器
(11)透析液
(12)透析液流量
(13)透析液温度
(14)穿刺針
(15)内服薬
(16)注射薬
(17)コメント
3.HDProgressSection
1回の透析治療を単位として以下の情報を持つ
(1)透析方法
(2)ドライウェイト
(3)透析前体重
(4)透析後体重
(5)総除水量
(6)重量補正
(7)透析器
(8)透析液
(9)穿刺針
(10)透析機器
(11)観察記録
時刻(透析開始からの相対時刻)
観察項目 :項目名は別にテーブルで規定.
観察スタッフ
観察機器
(12)内服薬
(13)注射薬
(14)コメント
観察項目テーブル
コメント
主観的事項
客観的事項
収縮期血圧
拡張期医血圧
心拍数
体温
血流量
静脈圧
透析液流量
除水速度
透析液圧
透析液温度
透析液Na濃度
透析液K濃度
透析液Ca濃度
処置
4.HDTestResultSection 1.日付
2.検査条件
3.時刻(透析開始からの相対時刻)
4.検査グループ
(1)検査名
(2)検査結果
(3)コメント
(4)外部参照

○HeMX エレメント定義 <Microsoft Excel 2000 ブックフォーマット>
→ ダウンロードHeMXv100公開用.xls (右クリックからファイルへ保存を選択)
○HeMX Document Type Definition (DTD) <テキストフォーマット>
→ ダウンロードHeMX.dtd (右クリックからファイルへ保存を選択)

○HeMXで使用するコードテーブル

→ テーブル一覧表を参照
○付則
1.エレメント,属性名称について
BizTalk framework guidelines(http://biztalk.org/),CamelCaseスタイル
・UpperCamelCase:大文字で始まる.再利用性のあるエレメント(セクション)に採用.
・lowerCamelCase:小文字で始まる.通常のエレメントと属性に採用.
2.文字コードセット
シフトJIS
3.データ型
HeMXのデータ型は,XML Schema-Datatypesに準拠する.以下の型が用いられている.
1.string:文字列

2.dateTime:日時.ISO 8601, Combination of calendar date and local time of the day, Extended format

【書式】CCYY-MM-DDThh:mm:ss
【例】1999-08-08T10:20:30
3.date:日付.ISO 8601, Calendar date, Extended format
【書式】CCYY-MM-DD
【例】1999-08-19
4.timePeriod:時間.ISO8601, time period, Basic format
【書式】PnYnMnDTnHnMnS
【例】PT4H0M0S
XML Schema-Datatypesについては,下記URIを参照.
http://www.w3.org/1999/05/06-xmlschema-2/

○HeMX更新履歴

version 変更内容
1.00 ・透析医学会公認版として公表
0.94b ・Header情報を施設ID情報とbodyから移動した患者ID情報のみとし、各々を簡略化した。
・透析導入施設にHeaderの施設ID構造を使用.
・ダイアライザーコード、透析液コード、穿刺針コード、薬剤コード、検査コードを暫定的に決定。
・HDorderの属性、名称を整理。
・曜日の記載を漢字に変更
0.93b ・透析方法の構造を変更。時間指示を追加。
・透析液温度の指示を追加.
・血流量、透析液流量、透析液、透析液温度に時間指示を追加。
・HDProgressSectionから透析液流量を削除.
0.92b ・透析関係コードを全て省略可に変更.
・透析開始時刻を人工腎臓開始時刻に変更.
・時刻表記をエレメントに変更し,経過時間を表す方向をattribute timeDirectionで前または後に規定.
・dialyser, dialysate, needle, circuitエレメントの構造を簡略化
0.91b ・ルートエレメント名をHDSectionからHeMXに変更.
・継続指示の基本指示と曜日オプションの区別を除く.
・継続指示と指示履歴を同一ブロック内に記載.
・HDTestResultSectionの繰り返しを?に変更.
・HDTestResultSectionのextRefの繰り返しを*に変更.
・HDProgressSectionのhdMethodをhdMethodRecordに変更.
・シャント部位コードは間接テーブルIDから直接テーブルに変更し、HD0009を削除。
・透析シフトコードは間接テーブルIDから直接テーブルに変更し、HD0010を削除。
・透析方法コードは間接テーブルIDから直接テーブルに変更し、HD0011を削除。
・ダイアライザーコードは間接テーブルIDから直接テーブルに変更し、HD0012を削除。
・dialyzerのnameをdialyzerNameに変更.
・dialysateのnameをdialysaterNameに変更.
・透析液コードは間接テーブルIDから直接テーブルに変更。
・穿刺針コードは間接テーブルIDから直接テーブルに変更。
・注射経路コードは間接テーブルIDから直接テーブルに変更し、HD0012を削除。
・透析機器エレメントの構造を簡略化.
・HDTestResultSectionの繰り返しを?に変更
0.90b ・original beta version

日本透析医学会学術委員会 透析医療におけるコンピュータ化小委員会ワーキンググループ

参考文献:血液透析治療に関する医療情報交換のためのデータフォーマット(HeMX)の設計.日本透析医学会雑誌 33(9):1273-1282, 2000

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