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研究
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研究分野

コンピュータ・サイエンスを基盤とし,その医療・医学への応用を目指しています.

研究プロジェクト

 手術ナビゲーションシステム
 CTやMRIなどの医用画像撮影装置、三次元位置計測装置など様々なセンサ(特に、画像センサ)を駆使して、手術支援を行うシステムを研究しています。 手術前に作成した治療計画データと手術中に獲得したデータを統合して術具の位置姿勢をガイドするなど、より安全・安心に手術が行われるように支援します。 本研究室において開発された手術ナビゲーションシステムは、共同研究を行っている医療機関において既に160症例以上の手術に臨床適用され、成果をあげています。 また、手術ロボットにおけるセンサ技術、制御技術としての応用を目指して、複数の手術ロボティックシステム研究プロジェクトに参画しています。

 立位CT画像再構成
 立位(人間が立った状態)で撮影した2次元X線画像を参照しながら、仰臥位(上向きに寝た状態)で撮影した一般的な3次元CT画像を変形させることで、 『立位3次元CT画像の再構成』を行います。 脊椎疾患の診断への応用では、三次元で安定・高精度な脊椎の立位アライメント計測を実現しています。 立位CT画像の利用は、有限要素解析による立位時の骨の応力分布解析など、より詳細・高精度な診断を可能にします。 一般診療で用いられている装置(CT撮影装置とX線撮影装置)で撮影された画像をもとに画像処理技術*1を用いて再構成を行っており、 ステレオ(=2方向同時)X線撮影装置や三次元位置計測センサなど特別な装置を用いずに高精度な立位画像を再構成できることが特徴です。
 *1) 我々が提案した“CSR (computational stereo-imaging registration あるいは computational stereo radiography)”と呼ばれる画像処理技術。 対象物体の形状(あるいは対象物体内における光線の吸収係数空間分布)が既知であるとき、複数物体間の相対位置姿勢すなわちアライメントを、 各々の撮影位置姿勢が未知である複数枚の2次元画像を用いて、あたかもステレオ撮影したかのような高精度で推定する。

 三次元形状計測内視鏡 (特許:特開平11-337845
 “Depth from defocus”と呼ばれる多焦点画像系列からの形状推定技術を用い、単眼内視鏡画像系列から、臓器内壁の三次元形状とテキスチャ(色、模様)を同時に計測します。 広視野角の内視鏡に本手法を適用して画像情報を計測し、 それらから生成した臓器内壁形状モデルを活用することで、バーチャルリアリティ表示による診断の効率化や、コンピュータによる病変診断支援の性能向上*2が期待できます。
 また、バーチャルリアリティの研究として、同技術を応用した実画像コンテンツ生成システムの構築を目指しています。
 *2)三次元形状のみ、あるいは実画像(テキスチャ)のみでなく、三次元形状とテキスチャを同時に考慮した診断支援が行えるため。

 Surgical Informatics
 手術ナビゲーションシステムや手術ロボティックシステムなどの高度先端手術支援システムにおいて、術中に計測される膨大な手術情報を効率的に処理する知的データベースシステムを研究しています。 画像や数値データなど計測したままの『生』のデータをコンピュータで知的に統合処理して、ムービーや三次元モデルなどのマルチメディアコンテンツを自動生成し、それらを用いた分かり易い手術レポーティングシステムの構築を目指しています。 この技術は、先に述べた「手術ナビゲーションシステム」の知能化技術のひとつとしても期待されています。
 また、物理現象数値シミュレーションデータからのビジュアライゼーション・コンテンツの自動生成など、学術研究分野への応用も目指しています。


学生へのメッセージ

 『自分自身、あるいは自分の大切な人(家族など)が病気になった時に、"治療に使って欲しい"と自ら思えるシステムしか作らない』、 あるいは『それにつながる基礎技術を確立する(=研究のためだけの研究をしない)』、 その信念の下に真剣に医用工学研究に取り組んでいます。 人の役に立ちたいという志を持ち、医療現場の最前線でそれを肌で感じる仕事(研究)をしたいという方は、是非、一緒に仕事をしましょう。



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