
東京科学大学病院薬剤部のホームページにお越しいただき、ありがとうございます。薬剤部長の永田将司です。2023年4月1日に着任してから、早いもので2年が経過しました。着任当初より「働きがい日本一」を目指して様々な取り組みを進めてまいりましたが、昨年度は当初考えていた3年計画の「ホップ・ステップ・ジャンプ」における"ステップ"の時期であるにもかかわらず、人員不足などの課題により、思うように前進できなかった部分もございました。しかし、薬剤部全体として課題を共有し、少しずつ着実に前へ進んでいると感じております。
昨年度を振り返りますと、業務面では3月にアンプルピッカー、全自動秤量散薬分包機、錠剤一包化監査支援システム、注射薬混注監査システムなどを導入し、調剤支援機器の充実を図りました。これにより効率化と負担軽減が大いに進み、薬剤師がより専門性を活かせる時間を確保できることが期待されます。また、同時期に臨床腫瘍科で薬剤師外来の試行を始め、患者さんとのコミュニケーションや薬物療法のサポート体制を強化する取り組みに着手いたしました。本年度はこれをさらに拡充し、外来患者さんへの薬学的支援をより一層充実させていく所存です。
教育面では、昨年度から本格的に運用を始めたメンター制度が機能し、新入職員の均一なレベルアップを実感しております。また、准教授を新たに迎えたことで教育・研究体制が強化され、多角的な視点からの指導が可能となりました。研究面におきましては、数年前より取り組んでいる機械学習を用いた薬物の効果・副作用予測の研究で、2報目の論文を発表することができました。国内外から引き続き注目をいただいており、今後もさらなる発展を目指してまいります。
本年度こそは、改めて"ステップ"の年として、薬剤部のさらなる成長と飛躍を目指してまいります。導入済みの調剤支援機器を最大限に活用し、チーム医療や病棟業務の拡大を一段と進めるとともに、部員一人ひとりが専門性を高め、働きがいを感じられる組織づくりを推進していく所存です。教育・研究活動においても、准教授やメンター制度の活用を通じて、次世代を担う薬剤師の育成および新たなエビデンス創出に努めてまいります。
薬剤部が掲げる理念である「世界最高水準の医療を支える薬物療法を提供し、人々の幸福に貢献する」の実現に向け、薬剤部職員一同、引き続き努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
令和7年4月1日
薬剤部長・病院教授 永田将司