研究室紹介

ようこそ礒村研究室へ

私たちの研究室では、動物の知覚認知から行動発現までを担う大脳の神経回路における情報処理の仕組みを、独自の電気生理学的・光遺伝学的手法を駆使して探っています。

アットホームな雰囲気を楽しみながら、好奇心とアイディアを大切にし、質の高い学問を目指すことができる研究環境が、ここにあります。

私たちの研究について

例えば、私たちが物を見つけて手を伸ばして掴(つか)むとき、いったい脳の中では何が起こっているのでしょうか?実は、随意運動の発現を担うとされる大脳皮質の一次運動野の中でさえ、どのような神経細胞が、どのような信号をやり取りして、どうやって「運動指令」を形成するのか、まだ完全には解明されていないのです。ましてや、高次の運動野や連合野の仕組みは大きな謎に包まれたままです。


ところで、霊長類を除くほとんどの哺乳動物(イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、クジラなど)は、手を伸ばして物を掴むという動作をとても苦手としています。しかし、げっ歯類は、長い指のついた手(前肢)を意外にも器用に動かしてエサをしっかりと掴むことができます。つまり、げっ歯類の単純な脳にも、このような巧緻な前肢運動を発現する基本的な回路機能が備わっているはずなのです。そこで、私たちは、ラットの前肢運動を制御する大脳皮質や大脳基底核の神経回路の仕組みを明らかにすることから研究を開始しました。



具体的には、まず、独自に開発した行動実験装置を使って、光や音の合図に応じて前肢でレバーを適切に操作すると報酬を得られる行動課題をラットに効率よくオペラント学習させます。次に、ラットが前肢運動を発現しているときに、マルチニューロン記録法やオプトジェネティクス技術などを組み合わせて、大脳皮質や大脳基底核の神経細胞の発火活動をミリ秒単位で計測・操作します。さらに、得られた実験データに理論的な解析を加えて、大脳皮質や大脳基底核の神経回路が知覚認知や行動発現を達成する過程をさまざまな視点から丹念に調べ上げていきます。・・・そして、いつかは、大脳の神経回路が動作するための「基本原理」を解明したいと願っています。
詳しい内容は「RESEARCH」をご覧ください。


これまでの研究成果はこちらをご覧ください。→「Researchmap」
礒村宜和研究室は酒井裕研究室と協調体制をとっています。