4.教育 

  日本における原虫・蠕虫などによる寄生虫感染症は、戦後急激に減少傾向を示したが、近年のグルメブームや環境保全運動、ペットブームに伴って発生の増加が見られるようになっている。それにも増してわが国の物流および人の出入国の増加に伴い、病原体が蔓延する諸外国、特に熱帯地域の発展途上国からの輸入症例増加がわが国の安全・安心に重大な影響を及ぼしてくるようになった。1970年以降に世界各地で報告が相次いだ新興。再興感染症の中にも寄生虫感染症が含まれている事実は、わが国の保健医療分野の指導者が熱帯寄生虫感染症に十分な理解を持つことの必要性を示すものである。本分野ではこれからの保健医療分野の指導的立場につく学生諸君が世界の健康と福祉を理解し、論ずることが出来るような人材に育つべく、以下の事項を中心に教育する。

  1. 日本国内における寄生虫病の実態と診断・治療などの医療対応について
  2. 世界の寄生虫感染症流行の実態と予防対策
  3. 病態発現に関連した宿主-寄生体相互作用の生物学的プロフィール
  4. 熱帯感染症の基礎知識と国際保健の理解

     


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