私たちの研究室について
本研究室では、がんの遺伝子異常に基づく診断・治療の革新に取り組んでいます。私たちはがんゲノム検査の実装研究から、実臨床に根ざしたリアルワールドデータ解析、そして次世代の細胞免疫療法の開発まで、多様ながん医療の最前線をリードしています。
1. 次世代がんゲノム医療の研究開発
がんの本質に迫るため、私たちは新たなゲノム検査技術の開発・評価を行い、検査の保険収載にも貢献してきました(例:FoundationOne CDx、Guardant360 CDx)。現在は、より高精度な検査法の実現に向けた研究を進めています。また、がんゲノム検査で得られた変異情報に基づく「がんゲノム医療」を推進し、バスケット試験などを通じて薬剤の適応拡大を目指しています。
さらに、世界中から収集されるリアルワールドのゲノム・臨床データを用い、新たな臨床的知見の創出にも力を入れています。実臨床のデータに根差したエビデンス創出は、医療現場での診療支援にも直結します。
2. ゲノム情報の高度解析と診療支援ツールの開発
がんゲノムプロファイリング検査(Comprehensive Genomic Profiling, CGP)が日常診療でも行われる時代になりましたが、多くの変異が「意義不明変異(VUS)」として報告され、治療方針の決定に難渋することが少なくありません。
この課題に対し、私たちは独自の知識ベース「TOAD(Tumor Omics Annotation Database)」と、AIによる変異評価スコア「MARiO(Mutation Assessment for Risk and Oncogenicity)」を開発しました。これらは、エキスパートパネルや臨床現場で実際に活用され、VUSの意義評価や標的治療の意思決定に貢献しています。
MARiOは、変異アレル頻度(VAF)やTMB、複数のインシリコ予測指標などを統合した多次元解析により、重要な変異の選別を支援します。現在、外部検証や論文投稿、特許出願も進行中で、革新的な臨床支援ツールとして期待されています。
3. 固形がんへの挑戦:新しいCAR-T細胞療法の開発
現在、CAR-T細胞療法は主に血液がんにおいて成功を収めていますが、肺がんや膵がんなどの固形がんには未だ有効性が限定的です。その理由のひとつに、がん細胞と正常細胞を区別できず副作用を生じる「On-target/Off-tumor効果」があります。
私たちは、この課題を克服すべく、がん細胞をより精密に認識する新規CAR-T細胞の研究開発に取り組んでいます。副作用を最小限に抑えつつ、高い治療効果を実現するための基盤技術を構築中です。また、これらの研究成果を社会実装するために、AIM Precision Therapeutics社を設立し、産学連携による臨床応用を加速させています。
Home monitoring研究 (VitalWatch) Apple Watchを用いた体調変化の早期検知を目指す臨床研究です。専用アプリ「VitalWatch」についてはこちらをご覧ください。研究参加・お問い合わせ
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