3.顎関節症の原因
個々の患者さんが持つ要因
- 日中,ふと気づくと上下の歯をかみ合わせている.
- よくほおづえをつく.
- 電話の受話器を肩とあごではさんで会話する.
- 長電話,長時間の携帯電話の操作による緊張,疲労.
- 仕事での会議や接客業務で,緊張の持続する時間が長い.
- 勉強や事務作業,パソコンの使用で長時間机に向かっている.姿勢が悪い.
- うつぶせのまま読書.
- 下顎を前に突き出す癖,爪かみや筆記具かみ.
- 寝ている間に歯ぎしりやくいしばりをしている.
- あおむけになって寝ることができず,いつもうつぶせで寝ている.
- 枕は,硬く,高いものでないと眠れない.
- スルメ,フランスパンといった歯ごたえのある食品をよく食べる.
- ガムをよく食べる.または長時間噛む.
- カラオケでよく歌ったり,発声練習をしている.
- 長時間,楽器の練習をしている.
- くいしばりやすいスポーツ.
- 顎関節を冷やしやすい,ウィンタースポーツやスキューバダイビング.
- 人間関係に悩んで気分の落ち込みや憂うつ感が続く
日常の何気ない行動が顎関節症の原因と考えられていることにびっくりしたかもしれません.
上にあげたようなことがあっても顎関節症にならない人はいくらでもいます.
しかし,症状がある人にとってはこれらも多因子説における寄与因子のひとつであり,積み木(症状がでる人とでない人参照)のひとつになります.
ご自身の生活を見直すことで,顎関節症の症状はある程度自分でコントロールできるでしょう.