教育の基本方針として、『歯周組織の構造、機能さらに正常な口腔状態を維持するための生理的な因子を理解する。歯周疾患の様々な病因(原因因子、修飾因子)を理解することにより、歯周組織に起こる病変の診査、診断力を養う。そして、個々の病態に対しての治療計画立案、専門的な歯周治療の技術、再評価時の治療計画修正、治療後のメインテナンスなどに関する技能と知識を修得する。また、患者自身にその大切さを認識させる動機付けや信頼関係の確立という心理的および倫理的な点も学ぶ。』ということを掲げています。  本歯周病学分野では、入局医局員として専攻生、大学院生を受け入れています。専攻生は、歯周治療の知識と技術を学び、歯周病専門医となれるよう教育を受けます。1年次の専攻生に対しては、指導担当医による教育指導を行い、多くの臨床症例を体験できるようにし、必要実習項目を定めて自己評価ができるようにしています。また、2年次以降は、多くの患者さんを担当し、臨床経験を積みながら研修を行っていきます。また、歯周外科手術時には、教員がアシストとして入り歯周外科手術を指導しています。現在、日本歯周病学会における歯周病専門医の取得条件として、指定教育施設での5年間の研修が必要となっています。大学院生に対しては、博士号取得を目的とし、研究・学会発表・論文作成を通じて歯学博士としての視点で物事を認識し考えられるように指導しています。臨床講座なので、研究実験の他に臨床を行い、歯周治療の技術も身につけていきます。博士課程4年を通じて、歯周病学講座の歯学博士となるよう指導しています。 以上、専攻生・大学院生に対する卒後教育の他に歯学部学生に対する教育を行っています。歯学部学生の講義と実習は、第4学年2学期から第5学年1学期に行われ、講義時間は29時間、実習は42時間が割り当てられています。基礎実習としては、相互実習による口腔内の観察と診査法および口腔清掃法の実習、人工歯模型とマネキンを用いたスケーリング・ルートプレーニングの方法と暫間固定法の実習、豚の下顎を用いた歯周外科手術の実習、咬合器と石膏模型を用いた咬合調節法とナイトガード作製の実習を行っています。第5学年2学期〜3学期の臨床予備実習の後、第5学年3学期〜第6学年の臨床総合実習の1年間で、第4学年、第5学年を通じて得た知識を基にして、実際の歯周疾患患者の治療法を学ばせるように指導しています。

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