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事業概要

OUTLINE

未来がん医療プロフェッショナル養成プランとは?

これまでに、2期にわたるがん対策推進基本計画と併走する形で、がんプロフェッショナル養成プラン、がんプロフェッショナル養成基盤推進プランが実施されました。特に後者によって多くの医学部に化学療法、緩和ケア、地域医療などの講座が新設され、従来の診療科を横断する人材養成体制の構築と全国的ながん教育の均霑化が整備されてきました。本プランは、これまでに養成した人材およびシステムを最大限に活用し、さらに新たな枠組みによって未来志向のがん医療者を養成することを目的に計画したものです。本プランの特徴は、「連携」と「実践」。すなわち、各々の大学が各自のネットワークを利用し、さらに構成8大学間での密な連携を構築することによって、がんゲノム、小児がん、希少がん、多様なライフステージへの対応などについてのコースワークに加えて、実践の場所を大学間で補完し実効性を伴う人材育成が可能となるように設計しています。

連携大学

連携大学

本プログラムは、各大学の特徴を活かし、各構成大学内あるいはすでに有しているネットワークをさらに8大学間で共有・発展させる重層的な構造を構築します。

東京医科歯科大学医歯学総合研究科 保健衛生学研究科
秋田大学医学研究科薬学研究科健康マネジメント研究科
慶應義塾大学 薬学研究科/薬科学研究科医療福祉学研究科
国際医療福祉大学医学研究科  
聖マリアンナ医科大学医学研究科  
東京医科大学 薬学研究科 
東京薬科大学医学系研究科  
弘前大学医学研究科  
「次世代がん治療推進専門家養成プラン」運営協議会
本プランの特色
  • 多数の研究科による連携
  • 首都圏と北東北の連携
  • 国立大学(3)と私立大学(5)のバランス
  • すべての医学部に腫瘍内科部門を有する
  • 3つのテーマの実践の場を整備している
大学間連携

ゲノム医療従事者

  • Molecular Tumor Board 開催
  • 遺伝子診断システムの共有
  • TAPUR study による分子標的治療薬の供給
  • 薬学連携
  • 全ゲノム(エクソーム)解析によるPrecision Medicineの実践

希少がん及び小児がんに対応できる医療人材

  • 希少がん症例登録による共有
  • 肉腫センターの連携
  • 小児がん拠点病院、認定病院との連携

ライフステージに応じたがん対策を推進する人材

  • 高齢化の進む北東北をモデルにした首都圏との連携
  • 就労支援(ソーシャルワーク)
  • 心理面での支援(臨床心理)
  • 緩和ケア病棟
  • 妊孕性

少子・超高齢化社会やがん診療における多様なニーズに
対応する人材育成のシステムを構築し、継続的な教育を行う

コースの充実

夜間講義

遠隔講義

e-learning

DVD教材の配信

地域・市民との連携

北東北がんコンソーシアム

東京都緩和ケア病棟懇話会

がん患者大集会

ピアサポーター養成講座

市民公開講座・セミナー

事業の全体構想

テーマに関する課題
  • ①「ゲノム医療従事者の養成」については、ゲノム診断(クリニカルシークエンス)のみならず、治療(プレシジョンメディシン)も含めた、包括的なゲノム医療の実践の場を創出する。
  • ②「希少がん及び小児がんに対応できる医療人材の養成」については、構成大学の得意とする分野を統合することにより、教育システムのネットワークを構築する。
  • ③「ライフステージに応じたがん対策を推進する人材の養成」については、すでに高齢社会化が進んでいる北東北と今後大きな問題となる首都圏との連携を強化し、人材の育成を図る。小児、AYA世代についてのネットワーク、緩和ケア病棟などのリソースを活用した、地域、患者・家族との連携の場を教育に役立てる体制を整える。
大学・学部等の教育理念・使命(ミッション)・人材養成目的との関係
本学の教育理念は、「幅広い教養と豊かな人間性、高い倫理観、自ら考え解決する創造性と開拓力、国際性と指導力を備えた人材を育成する」ことであり、この理念を踏まえて「知と癒しの匠を創造し、人々の幸福に貢献する」ことを目標としている。ゲノム医療には高い倫理性が必要とされることは当然であり、小児・希少がんに対応するためには幅広い教養と豊かな人間性が求められる。様々なライフステージに対応するためには、今後の世界的な社会構造の変化も見据えての幅広い視野が必要である。本プランにおけるこれらのテーマを実践するにあたり、本学の教育理念に基づいた人材育成を行う。
新規性・独創性
【新規性】

本プランでは、テーマ毎に医療実践を行うフィールド(ゲノム診断とその結果に基づく分子標的治療の社会実装や小児・希少がん診療のネットワーク(肉腫センターなど)、緩和ケア病棟、秋田・青森などの高齢化が進んだ地域など)を連携大学間で共有する。コースワークについても、対面式講義(連携大学間の講師交流+遠隔講義システム)、e-learningシステムの共有(既存のシステムの拡張)、DVDを利用したエンドユーザーへの提供など重層的な教育システムを構築し、連携と実践によって、多様な新しいニーズに対応できる人材を養成する。


【独創性】

本学の教育理念は、「幅広い教養と豊かな人間性、高い倫理観、自ら考え解決する創造性と開拓力、国際性と指導力を備えた人材を育成する」ことであり、この理念を踏まえて「知と癒しの匠を創造し、人々の幸福に貢献する」ことを目標としている。ゲノム医療には高い倫理性が必要とされることは当然であり、小児・希少がんに対応するためには幅広い教養と豊かな人間性が求められる。様々なライフステージに対応するためには、今後の世界的な社会構造の変化も見据えての幅広い視野が必要である。本プランにおけるこれらのテーマを実践するにあたり、本学の教育理念に基づいた人材育成を行う。

社会との関係(がん患者及びその家族等の視点)
本プランでは、がん患者団体や地域との協力を強力に推進する。具体的には、がんサロンやがんサロンを進行するファシリテーターを育成するピアサポーター養成講座をシリーズで開催し、講義などは本プラン担当の教員が行う。またがんサロンや患者団体との共催による市民公開講座へのブース参加などで、本プランの大学院生や専攻生が積極的にがん患者・家族と双方向性の意見交換ができるような機会を創出し、連携8大学で共有する機会を設ける。
キャリア教育・キャリア形成支援(男女共同参画,働きやすい職場環境,勤務継続・復帰支援等も含む。)
社会人大学院生も積極的に受け入れ、OJT (On-the-Job Training)システムを活用することによって、専門医制度等のキャリア教育や勤務を継続しながらのコース受講体制を整備する。そのために、双方向性講義については、勤務時間後の夜間に設定し、遠隔講義システムを併用し教育リソースの共有化・有効活用を図る。講義については記録を行い、e-learningあるいはDVDによる配信により、異なる時間帯での受講を可能とするシステムを構築する。また各連携大学においては男女共同参画推進室や医師・学生・研究者支援センターを設置し、キャリア・復職支援、女性研究者支援だけでなく学生・研修医支援もおこなっている。

事業の実現可能性

(1)事業の運営体制

事業の実施体制
  • 本プランは東京医科歯科大学を基幹校として、全8大学のコーディネーターからなる運営協議会において、合意形成を図り、年度ごとの評価、目標設定について共有する。
  • コーディネーターおよび実務担当者によるワーキンググループにより、教育ツール(各大学の対面式講義、遠隔講義、e-learining、DVD作成)の系統的な提供システムを構築する。
  • 各大学においてはコーディネーターを中心として、担当者会議を組織し、各コースの運営にあたる。
事業の評価体制
本事業の評価は各大学の自己評価、構成大学間の相互評価および外部評価の3層の構造で行う。自己評価については、年に2回行う予定の本事業の運営協議会開催時に、年次計画の進捗状況のまとめと確認を行い、協議会において発表する。また毎年の調書作成時に1年間の自己評価を行う。これを受けて、構成8大学がそれぞれ他大学の量的および質的な評価を行い、議事録とともに保存する。外部評価については、中間評価を平成31年度に行い、次年度以降の計画に反映する。最終年度においては12月までに最終評価を行い、年度末に作成する最終報告書に内容を記載する。
事業の連携体制(連携大学、自治体、地域医療機関、民間企業等との役割分担や連携のメリット等)
本事業の連携体制は、①他分野連携(医学、歯学、薬学、看護学、臨床心理学など)、②テーマごとの連携(それぞれのテーマについて主たる拠点を設定する)、③地域間連携(首都圏と北東北)、④講義における連携(相互・遠隔講義、e-learning、DVDなど)⑤所属自治体との連携(市民公開講座などの後援、共催など)、地域医療機関との連携(各大学の関連病院、化学療法・緩和ケアなどのネットワーク)等、多岐に渡るものである。これらの連携体制については、各構成大学内あるいはすでに有しているネットワークをさらに8大学間で共有・発展させる重層的な構造を構築する。

(2)取組の継続・事業成果の普及に関する構想等

取組の継続に関する構想
本プランによる各養成コースで養成される人材は、今後の医療の現場において必要不可欠であり、本プラン終了後あるいは継続中に、大学院コースとして内製化あるいは病院の研修コースとして組み入れる必要がある。同時に、各学部における卒前教育(講義、臨床実習など)としてのプログラムにも導入する試みも重要である。
事業成果の普及に関する計画
  • ①養成されたゲノム医療従事者は、本プランの構成大学および関連施設(病院)などにおいて、Molecular Tumor Boardのコーディネーターなど、プレシジョンメディシンの現場で活動し、市民のリテラシーを高める活動(市民公開講座など)にも積極的にかかわることが期待される。
  • ②養成された希少がん及び小児がんに対応できる医療人材は、プラン終了後も引き続き、構成大学間の連携を維持し、全国的な組織との連携を構築することが期待される。
  • ③養成されたライフステージに応じたがん対策を推進する人材は、自施設のみならず、医療機関と地域、行政、一般市民のネットワークを構築し、有機的な連携を実践することが期待される。

組織

執行部メンバー
吉澤 靖之
学長
事業総括
田中 雄二郎
理事(医療)
事業総括補佐
北川 昌伸
大学院医歯学総合研究科副研究科長・医学部長
事業推進委員会委員長
三宅 智
大学院医歯学総合研究科臨床腫瘍学分野教授
事業推進プロジェクトリーダー・教育プログラム責任者
池田 貞勝
医学部附属病院腫瘍センター特任講師
実習コーディネーター担当
高瀬 浩造
大学院医歯学総合研究科研究開発学分野教授
教育カリキュラム開発・編成担当
三浦 雅彦
大学院医歯学総合研究科口腔放射線腫瘍学分野教授
教育カリキュラム開発・編成担当
森尾 友宏
大学院医歯学総合研究科発生発達病態学分野教授
実習コーディネーター担当
岡本 健太郎
大学院医歯学総合研究科総合外科学分野講師
実習コーディネーター担当
田邉 稔
大学院医歯学総合研究科肝胆膵外科学分野教授
実習コーディネーター担当
植竹 宏之
大学院医歯学総合研究科総合外科学分野教授
実習コーディネーター担当
稲澤 譲治
難治疾患研究所分子細胞遺伝分野教授
事業推進委員会委員
角田 達彦
大学院医歯学総合研究科医科学数理学分野教授
事業推進委員会委員
山﨑 智子
大学院保健衛生学研究科がんエンドオブライフケア看護学分野准教授
事業推進委員会委員
東田 修二
大学院医歯学総合研究科臨床検査医学分野教授
事業推進委員会委員