横井 太史 (Taishi YOKOI)

専門領域:生体材料、バイオセラミックス、人工骨、骨補填材

特に専門とする材料:アパタイト、リン酸八カルシウム、層状化合物

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【所属】

東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 無機生体材料学分野 准教授

【業績関係外部リンク】

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【研究のキーマテリアル・キーワード】

・リン酸カルシウム、Calcium phosphates 

・リン酸八カルシウム、Octacalcium phosphate (OCP)

・ヒドロキシアパタイト(水酸アパタイト、ハイドロキシアパタイト)、Hydroxyapatite (HAp)

・層状化合物、Layered compounds

・ナノマテリアル、Nanomaterials

・有機修飾、Organic modification

【主な研究テーマ】

・リン酸カルシウム系バイオセラミックスの創製 【関連する総説】

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リン酸カルシウム系化合物(アパタイトやリン酸八カルシウム)は骨や歯の硬組織であり、骨を修復する材料(人工骨)として用いられています。これらの材料の結晶相・組成・形態を精密に制御する方法は次世代バイオセラミックスの創製において非常に重要な知見となります。水溶液プロセスを用いたリン酸カルシウム系材料の精密合成は私の中心的な研究テーマです。

 

・治療と診断を両立するセラノスティックリン酸カルシウム系バイオマテリアルの創製 【関連する論文】

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治療と診断を両立する材料(セラノスティックマテリアル)は新しいバイオマテリアル開発の重要なキーワードです。人工骨は材料がある場所が患部であり、人工骨がセンサーとしての機能を持てば、患部の状況をリアルタイムで把握することができるようになると期待されます。このような次世代の医療を実現する新しい材料として、リン酸八カルシウムをベースとした新規材料の開発に挑戦しています。

紫外線照射下で美しい青色発光を示す蛍光性有機分子含有リン酸八カルシウム
(Communications Chemistry, 4, 4 (2021).)

 

 

・リン酸八カルシウムの層間に導入されたカルボン酸の立体構造の解析 【関連する論文】

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リン酸八カルシウムの層間にカルボン酸を導入できる現象は1983年に見つけられました。しかし、驚くべきことに、層間にカルボン酸を導入したリン酸八カルシウムの詳細な結晶構造は明らかにされていません。これは、リン酸八カルシウムの結晶構造が複雑であり、結晶構造解析が困難であることが理由の一つであるように思われます。私たちは、計算化学的なアプローチを用いながらカルボン酸の分子サイズと層間距離の関係を調べることで、層間におけるカルボン酸の立体構造の解析を進めています。

 

・生体応答性バイオセラミックスの創製

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バイオセラミックスには、生体活性セラミックス、生体吸収性セラミックス、生体不活性セラミックスの3種類があります。私たちは、これらに次ぐ第4のバイオセラミックスとして生体応答性セラミックスを提唱し、研究を進めています。ヒトの体内には様々な酵素がありますが、その中でもリン酸エステルの加水分解酵素(アルカリフォスファターゼ)に着目し、これに応答して骨の無機成分(=アパタイト)に変化する材料系を探索しています。これまでにフェニルリン酸カルシウムがヒトの血中のアルカリフォスファターゼ濃度程度の環境下においてゆっくりとアパタイトに変化することを見出しています。この知見は新しい人工骨の設計指針になると考えています。

 

・材料と細胞や組織の界面で起きる現象の解明

【履歴】

職歴

2011.4-2012.3名古屋大学大学院工学研究科結晶材料工学専攻
日本学術振興会特別研究員(DC2)
2012.4-2013.3名古屋大学大学院工学研究科結晶材料工学専攻
日本学術振興会特別研究員(PD)
2013.4-2015.12東北大学大学院環境科学研究科 助教
(松原・上高原研究室)
2016.1-2019.3一般財団法人 ファインセラミックスセンター 上級研究員補
(高信頼性材料グループ)
2019.4-2019.8一般財団法人 ファインセラミックスセンター 上級研究員
(環境材料グループ)
2019.9-現在東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 准教授
(川下研究室)

学歴

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2003.3愛知県立知立東高等学校 卒業
2003.4名古屋大学工学部物理工学科 入学
2007.3同卒業 名古屋大学学士(工学)号取得
論文題目 "Erと3B族元素(Al,Ga)を共添加したTiO2の発光メカニズム"
2007.4名古屋大学大学院工学研究科結晶材料工学専攻博士前期課程 入学
2009.3同修了 名古屋大学修士(工学)号取得
論文題目 "水和ゲルを反応場としたリン酸カルシウム結晶の生成"
2009.4名古屋大学大学院工学研究科結晶材料工学専攻博士後期課程 進学
2012.3同修了 名古屋大学博士(工学)号取得
論文題目 "水和ゲル内に生成するリン酸カルシウム結晶の相、形態および配向性の制御"
指導教員:大槻主税教授

【社会貢献活動】

臨床現場に役立つ医歯薬工融合研究会(通称:若獅子会)

【担当科目】

2019年度

・Advanced Biomaterials Science

2020年度

・生体材料学

・応用生体材料学

・組織再生材料学特論

・無機生体材料学特論

・歯学科4年次モジュール「研究実習」

2021年度

・生体材料学

・応用生体材料学

・組織再生材料学特論

・歯学科4年次モジュール「研究実習」

・医学科第4学年・自由選択学習(プロジェクトセメスター)

【連絡先】

〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-3-10 21号館301B室

東京医科歯科大学 生体材料工学研究所

TEL: 03-5280-8014, FAX: 03-5280-8014

E-mail: yokoi.taishi.bcr(at)tmd.ac.jp