S・フランス文学入門    担当:中島ひかる

開講日

後期金曜2限

授業の概要 (Outline of content and teaching method)

フランス文学の有名な小説、戯曲、詩や、議会での演説の抜粋を読み、あわせて時代背景や文学のあり方も解説します。扱うテクストは古典から現代までの作品の抜粋ですので、本来は1年次終了の学力を必要としますが、学習途中の1年生でも、まだ教えていない文法項目については解説しますので、前期終了程度の学力があり、少し先取りして文法を学習して原文を読んでみたいという意欲のある人は参加を歓迎します。

1年生の人は、講読の中で、現在学習中のフランス語への興味と力を高めることを目指します。2年生の人はフランス語に継続的に触れることで、1年生の時の知識を復習し、読解力を高めることを目指します。フランス語は文法構造のはっきりした言語ですので、有名な古典作品でも1年間の文法知識で読むことができます。大学にはいってから学習した内容で、有名な作品が読めるということを知っていただきたいと思っています。

到達目標 (Objectives)

  1. フランス語表現が有名な文学作品の中でどのように使われているか味わい、フランス語・フランス文化への興味を深める。
  2. 講読を通して文法事項を確認する。
  3. フランス文学の一端に触れる。

授業計画 (Schedule)

訳読形式で進めます。予習してきてもらったテクストを教室で訳読しながら、文法項目や重要な表現、語彙等とともに、作品について解説します。
以下のような作品から抜粋で読んでいきます。1回の授業で1つか2つの作品をとりあげますが、とりあげる順序は必ずしも以下の通りではなく、皆さんの関心に応じて分かりやすいものから読んでいく予定です。

1)国連総会 『世界人権宣言』  2)ルナール 『博物誌』   3)モリエール『町人貴族』  
4)サンドラール『シベリア横断鉄道』 5)カミュ『異邦人』 6)ラ・フォンテーヌ『からすときつね』
7)ダントン『立法議会での演説』 8)ボードレール「異邦人」「港」9)モーパッサン『ジュール叔父』
10)アベ・プレヴォー『マノン・レスコー』11)ユゴー『静観詩集』 12)ベレック『眠る男』
13)コンスタン『アドルフ』 14)スタンダール『赤と黒』 15)ランボー「谷間に眠る者」「感覚」
16)フローベール『聖ジュリアン伝』 17)ルソー『新エロイーズ』 18)セリーヌ『夜の果ての旅』
19)百科全書『日本』 20)ゾラ『オ・ボヌール・デ・ダム百貨店』 21)パスカル『パンセ』
22)サルトル『黒いオルフェ』 23)プルースト『失われた時を求めて』

成績評価の方法 (Grading scheme)

平常点で評価します。
学力に差があると思いますが、多少わからない文法事項があっても構いません。
自分なりにきちんと辞書を引いて予習し、積極的に授業に参加することを重視します。

教科書および参考書 (Textbooks and materials)

CODEX コデックスーーフランス語講読入門」加藤京二郎他編、駿河台出版社

仏和辞書は必ず持ってきてください。


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