化学基礎
対象:看護学専攻1年生 口腔保健学科1年生
前後期、火曜日、1限
授業の目的・内容:
身近な現象をとりあげて、将来看護に役立つ「一般化学の基礎」を学んでもらう。湯島地区で必修科目として開講される基礎生命科学(生物学)を学んでいく上に役立つ基礎知識や考え方を講義する。演習形式をとりいれて、毎回与えられる課題についてコメントやまとめを書いて提出してもらい、翌週返却する参加型授業を行う。高校の化学や生物の教科書と英語の辞書を持参のこと。なお、毎回次回の授業の予習となる英文の資料を配布して要約を宿題レポートとして翌週提出してもらう。
授業計画
1.生命と化学の関わりの例として善玉コレステロールと悪玉コレステロールをとりあげ、コレステロールの分子式、構造式、性質、生体における役割について解説する。
2.ビッグバン、元素の誕生、元素の周期律:典型元素と遷移元素
3.分子と原子、化学結合:金属結合,イオン結合,共有結合,配位結合
4.水の性質、水素結合、分子と分子の相互作用(ファンデルワールス力、疎水結合)、
5.分子を数える、濃度の表し方、モル数、水溶液とイオン、水素イオン指数 (pH).
6.物質の状態:固体,液体、気体 水と氷、二酸化炭素とドライアイス
7.生命に必要な金属元素、
8.有機化合物と無機化合物、
9.アミノ酸の構造と性質、タンパク質の種類とその役割
10.糖質の種類とその役割、エネルギー源としての糖と脂質
11.脂質の種類とその役割、必要脂肪酸、生体膜
12.核酸(RNAとDNA)の構造とその役割
注: なお、高校で化学を勉強しなかった・・・化学は苦手・・・と思われる場合は、前期に開講される自由選択科目の「化学基礎入門」の履修をすることが望ましい。
教科書:
教科書: 「基礎から学ぶ 生命・環境の化学 第2版」 三浦洋四郎、船越浩海、岡崎三代(建帛社)
参考図書: 「化学構造式は語る」 泉 邦彦著 (講談社サイエンティフィク)
成績評価の方法
出席点、グループ討論、豆テスト、課題レポート等で総合的に評価する
<授業を受けて将来役立つと思ったこと>
<看護>
- 毎週の和訳によって、家族性高コレステロール血症や糖尿病について知ることができた。
- 実習などのとき、薬やその効果について裏づけを考えるために役に立つと思った。
- 看護で化学が役に立つ場は点滴の濃度計算や混合かと思う。それは医療ミスを防ぐにも大きく役立つことだと考える。
- 身近なものまで化学を近づけて学べたので(生体内のコレステロール動きetc)役に立つと思った。
- 薬品の取り扱い時に役立つと思った。また英訳の力がついた。
- 薬やそれに含まれる成分からどのような反応が起きるかを性質上の違いによって考え出すことができる。
- コレステロールなど現代よく耳にする物質についてくわしく聞けたり、化学の奥深さを感じた。
- 聞いたことがあっても分からなかった知識を得ることができた。高校よりもずっとハイレベルな知識を得られてよかった。ありがとうございました。
- 毎週の和訳の課題で病気と化学をからめたものが多かったので、将来医療の現場においてこの知識は役立つだろうなと思いました。
- 有機物の話を聞いて将来病気などをあつかう際の知識になると思いました。
- たくさん英文を読んだので、人間の体と科学に関する知識が増えました。脂肪のについてのかなり専門的な知識を学べたので、コレステロールには注意しなければならないと思った。
- ノートをとることの大切さ、教科書の重要性。1つ1つを理解して次にもちこせることが、全体を理解することにつながる。
- 薬剤の効果について科学的な視点から考えられるたくわえになったと思う。
- タンパク質・コレステロールの構造や分解のされ方は今後医学を学んでいく上で役立つと思いました。また脂肪をひかえたからといってやせないことも役立ちました。
物質の構造式を理解することで、働きが理解しやすくなるということ。(アセチルCoAなど)
- 生命に必要なのが科学的条件であり、少なくとも人の健康と化学が結びついていることが分かりました。
- 物質のつくりを化学式を用いて働きや特徴を知るということは薬品を扱うときに役に立つと思った。
- 毎日よんでた英文(宿題)の知識は、医療且つ化学だったのでよかったです。
看護の現場では、科学的なことを考えずに仕事をすると思うが、薬品を見て知っている名称があったりすると、効果がわかったりして患者さんに役立つことがあると思う。
- これから直面するだろう病気が化学的な原因を含んでいることがわかった。どんなことにも化学的要因が含まれていることは今まであまり意識していなかったので、この授業ではっとしたこともあるし、これから役に立つとも思う。
- 長い英文を自分で訳せるのだという自信がついたので、これから論文とか読むにあたってとてもよかったです。
- 生体というのは化学的に高度に組織化されたもので、すべての反応に意味がある。将来医療現場で働く時、ただ投薬したりするのではなく、それが人体に及ぼす影響を考えつつ働いていけるようになったと思った。
- 高校まででは知らなかった詳しい仕組みなどを知り、様々な物質や薬品の危険性について学ぶことができたと思う。病気などについてもあったので、生活の中でも役立つなと思った。
- 難しかったけれど、コレステロールやLCATの話は興味深かった。将来的にも必要な知識だと思った。
- 1つの内容が様々なことにつながり、広がっていくということにがわかった。また英文を読むことに慣れたと思う。
- 毎回英文を訳したことで、体と化学の様々な関係について理解できたし、英語の力がついた。
毎回英訳の宿題が出たこと。
- 様々な化学の英文を読んだことで、化学の英単語が少し身についたと思う。
- コレステロールの取り込み方など、人間の機能に関係する化学がわかったこと。英語をたくさん読んだので、英語の勉強になった。
- 人体のなかで生じている化学反応!
- 様々な和訳を毎回やったが糖尿病や鉛中毒、アルコールなど病気の要因が化学的にどのような理由から起きているのか理解でき、これから役に立っていく内容だと感じてた。
- 宿題の英訳で英語力がついたと思います。また、化学の用語の英語が身につきました。
- 薬品の化学式が分かるようになって、どんな薬なのか分かりやすくなるだろうと思った。
- 英文を読んでいろんな病気について知れたので、医学の授業が分かりやすくなると思った。
- 将来医療現場で役に立つかはわかりませんが、できるだけ役立てていきたいと思います。
- 英語の語いが増えた。履修したことのなかった化学の基礎知識を吸収できた。
- エネルギーや様々なことが知れたので、看護の勉強をしていく中で生かしていけると思います。
- 長文を久々に読んで感覚を取り戻したので、これから先、英語で書かれている論文を読む際にとても役に立つと思う。
- 最近は生活習慣病が注目されているので、脂肪の構造についての知識やコレステロールがレセプターに受容される過程は役立つと思う。
- 特に課題をやってみて化学は体と大きな関わりがあるのだから、化学レベルで物事を知っていれば、食品の成分表示etc、がただの数字ではなく、きちんとした情報として入ってくるのでは・・・と思った。
- 毎日英文の宿題が出たので英文の読解力がついた。また、内容も興味深いものが多くて良かったです。
- 宿題の英文が医学的にも役に立ち、英語力もついてよかったです。
- 沸点は常に融点より高いということを知り、料理に活かせないかなと思いました。
- 原子・分子の構造について高校より深く学べて、より理解が深まりました。
- 英語で化学についての文を読んだり訳したことがなかったので、将来のためになった。
- 高校の化学の知識を思い出せて少し知識が上乗せされたこと。
- これから様々な具体的な病気などを勉強していくと思うが、それについて理解するための基礎知識になると感じた。和訳も大変だったが役に立ったと思います。
<口腔>
- 名称を言われればだいたいの構造がわかるようになったので、混ぜてはいけない物質などが判断できるようになったのではと思っています。
- 授業で習った反応が生活の中で起きていることと似ていたりして少し役に立つのではないかと思った。
- 生活の中に化学がたくさんあることがわかり興味がわくようになった。化学的な視点をもてるようになったと思う。
- 生活のふとしたところで、化学は身近にあふれているので、授業で学んだことを用いて自身で理解を深めていけること。
- 有機のことをもっと勉強した方がいいのかなと思った。将来、構造式を使うような研究者になるわけではないので、全てを理解する必要はないが、ある程度の知識は必要だと思った。
- 化学の英文和訳が化学と英語のトレーニングになった。
- 将来のことを学ぶのにそもそもの起源である化学を知ってると理解しやすいと思いました。
- コレステロールの取り組みとトリグリセリドの取り込みについて、この分野について知らなかったことが多かったため、勉強になった。
- 日常生活に関する物質を多くとることでそれぞれの役割や変化を知れて、将来医療に関わる際、きちんとした知識を持って望めそうだと思った。
- 高校の化学とは違い生物の話に近い化学が学べて、自分の化学の見方(考え方)が今までより興味があるものに変わりました。
- 高校の化学の授業を復習できて良かったし、さらに発展的なものを知れてよかったと想う。
- コレステロールのしくみについて分かって、食生活を見直すきっかけとなった。
- リノール酸など、外から食べ物として摂取しなきゃいけない脂肪酸もある。
- とりあえず油の摂取量は少なくなると思います。物をミクロな視点でとらえることが出来るようになった・・・と思います。
- 脂肪の構造
- 脂肪酸は将来のことでも、自分の私生活においても深く関わってくると思うので役に立つと感じました。
- 生体においてコレステロールや脂質がどのように働いているのかということ。
- 脂肪について分かったので、メタボにならないように気をつけても生まれつきだと無理なのかなと思った。でも、食事の重要性も分かったので気をつけたい。
- 脂肪について分かったので、役立てたいと思いました。
- コレステロールの仕組みが今後の生活に影響を与えた。(自分で料理を作るので)
<授業を聞いて理解できたこと・勉強してみたくなったこと>
<看護>
- 名法が少し理解でした。
- LDL-コレステロールとトリグリセリドの取り込まれ方の違いに驚いておもしろいと思った。
- アルコール中毒の仕組みなど、身近な事に関する文献を読んでとてもためになった。
物質それぞれの細かいことをもっと学んでみたいと思った。
- 物質の特徴や、結合など今まであいまいだったことが整理されてよかった。
- 具体的にどのような薬品などが含まれているのか知りたくなった。(化学的性質などが)
- 今まで見たこともないくらい長い構造式も分解したら1つ1つ見たことがある式から成立っていたり、いっぱいつながりがあることがわかった。
- ATPのあたりと、有機と糖について新しいことがわかって楽しかったです。
- 高校の授業とはまたちがってすごく高度で難しかったです。構造式についてなど、以前よりわかったことがいっぱいあってこの病気と化学の関係について学んでみたくなりました。
- 病気や生活習慣に関することをもっと大切に知りたくなりました。
- ルイスの構造式や、形式電荷の話など、今まで浅い知識しかなくて理解できなかったことが、演習をやっていくうちに自分でも理解して問題が解けるようになった。
- 一からやり直した方が分からないことから始めるより早く理解できるかもしれません。
- コレステロール・構造。
- 細かく薬がどのようにして体に効いていくのかを知りたくなった。生命体と化学がこんなに深くかかわっているとは思わず、びっくりした。
- 脂肪の分解のされ方。
- コレステロールやアセチルCoAについてもっと知りたくなった。
- 命名法が分かりました。あとはルイスの構造式が今までよりもよく分かった気がします。
- 一般名のつけ方をより詳しく知ることができた。もっと薬について人に与える作用もふまえて学んでみたい。
- 化学ってむずかしいです。コレステロールについてがよくわからなかったです。わからないってことが悔しいです。化学Ⅰをもう一度しっかりやりたいと思いました。
- 高校範囲では決して勉強できない体内での化学反応や物質の構造がわかり人体への興味がわいた。体内での化学反応をもっと専門的に知りたい。
- モル濃度から%になおす方法、ルイスの構造式などがわかった。今まで苦手だと思っていたが、案外パズルみたいでおもしろかったです。勉強してみてもいいなぁと思いました。
- コレステロールが増えたらどーなるか、先生の写真とか見られてとても勉強になった。
- 脂肪酸の体内の蓄えを健康的なレベルに下げるにはどうすればよいのか?
- 普段自分自身のまわりにある物資(モル)がどのような性質を持っているのかを知りたいと思いました。
- 高校の頃から化学が非常に苦手で、前期も基礎科学入門をとれなかったので、この授業は私にとってかなりの壁でした。アルコールやカルボン酸など高校で有機化合物として習ったところは更に詳しくわかった。
- 化学反応と身体活動の関わりがわかってきた。
- ルイスの構造式がよくわかった。また、いろいろな周期表があるということも知って、興味を持ちました。
- 一般化学基礎の授業で習ったけど忘れていた、形式電荷が分かった事。
- 質量%濃度の出し方がよくわからなかったけど、比を利用して解くやり方がとてもわかりやすかった。
- ルイスの構造式や形式電荷の計算法が理解できた。混成軌道についてもっと勉強したい。命名法:CHのあとはアルファベット順だということがわかった。
- コレステロールの取りこみ方、人体でおきている化学反応
- 様々な化学結合(共有・イオン・金属・水素)など、頭の中で整理できていなく、ごちゃまぜになっていたことが、段々と整理できた。詳しくこれらの関連性(共有結合とイオン結合など)を勉強してみたいなと思った。
- 有機の部分は今までよく分かっていなかったけど、命名法など分かるようになった。ATPなどは聞いたこともなかったので、勉強になりました。
- モル濃度や命名法・加水分解や分子式について深い知識が得られました。
- 高校の授業では学べなかった深いところまで勉強ができてよかったです。
- 毎回課された宿題に化学のものだけでなく、医療に関わる専門用語の英語の表現が多くでてきたので、今後論文や資料を見たとき、分かる単語が増えた。
- 構造式の名前の付け方が前よりも分かりました。かなり身近に化学に通じることがたくさんあることを知り、もっと化学に興味を持てたらいいと思います。楽しい授業でした。
- タンパク質についてもっと学びたくなった。ほんの少しのことで、全然違う性質になったりするので、化学はとてもおもしろいなと思う。
- 無機物質の人体への影響について知りたいと思った。
- コレステロールは身体にとって大事だということ。もっと生活・身体・栄養分について興味を持った。
- 脂肪について理解が深まった。
- ルイスの構造式をもう少し極めたいです。
- 科学物質と日常生活の関連性が大きいことを和訳によって知ることができ、恐ろしいなと思いました。他の化学物質についても生活にどのような影響があるのか知りたいと思いました。一年間ありがとうございました。先生はいつも明るくて大好きです。
- ヒトの消化や合成の機能について今後もっと学びたいと思いました。コレステロール・中性脂肪のしくみももっと深く知りたいです。
- タンパク質のことがよくわかった。関心をもつことができた。
- 医学に関する化学を勉強してみたい。
- コレステロールについて、生物的な知識しかなかったものの、構造などを具体的に知ることができておもしろかったです。
<口腔>
- もっと今もでに触れることがなかった色々な物質について知りたいと思いました。
- 水素結合の存在によって発生する性質・脂肪酸全体
- 有機化学がおもしろいと思うようになった。
- 高校などで学んだことよりも詳しい所まで学べ、また自身の理解の低さについて知ることができ、そのような自身のいたらない事について学んでみたいと思った。
- 分からないことは分からないまま。大学の勉強は難しい。
- アセチルCoAの構造式がすごい!あんな複雑なものだとは。
- タンパク質や脂質について、また勉強してみたいと思いました。遠藤先生のお話とあわせて興味を持ちました。
- SP3混成軌道や形式電荷の求め方を理解できたときはうれしかった。
- 高分子は高校の頃から苦手で、先生の授業を受けて少し理解できたので、もっといろいろ知らべてみたいです。
- コレステロールとは、CMなどで名前ばかり聞いていたが、その性質などは知りませんでした。もっと教科書などを読んでしっかり理解したいです。
- コレステロールの役割などをもっと知りたくなりました。人体に与える影響なども勉強したいです。
- コレステロールの取り込まれ方など、授業でやったけど、よくわからなかったので、自分でも調べてみたくなった。
- コレステロールとトリグリセリドの取り込み方の違いがわかりました。余力があれば、もうちょっと詳しくやりたいところでした。
- 高校の時に習った化学を深めることができて良かった。
- もっと生体内との関わりのある化学を学んでみたいと思いました。
- 高校の時苦手だった有機化合物をもう一度勉強しなくてはと思った。また、前期によくわからなかった形式電荷を復習できてよかった。
- 脂肪の燃焼されるしくみについて。
- コレステロールについてもっと詳しく知りたいと思いました。
2007年度の内容
化学教室ホームページへ