生物学実験
生物学実験は、講義で学習する細胞生物学や生命科学基礎の事実が、どのようにして得られたのかを身を持って習得するするためにおこなわれる。
もちろん、時間の制約や各自の持つ技術の制約のために、最先端の実験がおこなわれるわけではない。むしろ生物学の基本的な考え 方やモノノミカタを習得するために、基礎的な項目が配置されている。
しかしながら、各自が手を動かし、自分の目で確かめ、推論し結論を出す過程は、研究者がおこなう実験と基本的な点でなんら変わるところはない。
生物学実験に必要なものは下記のとおりである。第1回の実験の日までに、用意しておくこと。
1)生物学実験テキスト
2)解剖器具
3)白衣
4)レポート用紙(A4判無地)とそのバインダー
必要に応じてガーゼ、待ち針、手術用ゴム手袋
1)生物学実験テキスト 東京医科歯科大学教養部生物学教室編 平成15年
このテキストは、教養部内の生協購買部で9月1日から販売するので、購入しておくこと。
2)解剖器具
実験に必要な器具は下記のとおりである。
外科用剪刀(片鋭直剪刀)
眼科剪刀
マクロピンセット(とげ抜き) 2
マクロピンセット(組織) 1
木柄尖刃刀(メス) 2
その他、ルーペ、柄付き針など
入手の便宜を図るため、上記の解剖器具をセットとしたものを約1万円で販売してもらうように業者に委託している。実習の第1日目の昼休みに販売するので、必要とする人は手に入れること。
3)白衣
化学実験で用いたものでよい
4)レポート用紙とバインダー
教養部の生協購買部で販売するので、購入しておくこと。
事前にじゅうぶん該当する項目を読み、下調べをして、実験に臨むことが必要である。
実習風景(1998年度9月25日第4回ラットの解剖)
内容はおよそ次の項目である。
A.脊椎動物の比較解剖
脊椎動物の中から、両生類のウシガエルと哺乳類のラットを選び、以下の事項についてマクロな解剖をおこない、脊椎動物の体のつくり、その進化を学習する。
1.ウシガエルの内臓、体腔内の神経、循環系
2.ウシガエルの四肢の神経、骨格、筋肉等
3.ウシガエルの中軸骨格、中枢神経
4.ラットの解剖
B.顕微鏡を使った観察
顕微鏡の取り扱いに習熟し、肉眼のかわりにレンズを通して対象を観察し、生物の器官、組織、細胞のつくりを学ぶ。
1.顕微鏡の取り扱い、ミクロメータの取り扱い、血液塗布標本の観察
2.ラットの各臓器の観察
C.細胞のはたらき
肉眼あるいは顕微鏡をもちい、細胞の基本的な機能を観察し、実験をおこなう。
1.細胞の浸透圧調節
2.魚黒色素胞細胞のはたらき
3.筋収縮とATP
D.ウズラの行動観察と実験計画のたて方
E.個体にたいするホルモンのはたらき
ホルモンが体のつくり、行動にどのように作用しているかを、ウズラと雄性ホルモン(アンドロゲン)を用いて調べ、あわせてデータの統計学的取り扱いについて学ぶ。
1.ウズラの去勢、ホルモンの投与
2.ウズラの行動観察、器官観察、データの整理
レポート用のエクセルシート(木曜日) (金曜日) をダウンロードして、2回目の実験のときにパソコンと一緒に持ってきてください。
上のシートに入力されているデータはダミーです。あとで自分の班のデータを入力します。
平成21年度木曜日クラスと金曜日クラスのデータまとめはここにあります。曜日を右クリックするとダウンロードできます。
データをよく見て、実験においてデータを取るときにどのような注意が必要か、グループの間の連絡体制、転記の際の確認、有効数字などについてもう一度、考えてください(2009年12月4日記)。
F.タンパク質とDNA(今学期は時間割の都合で1月に行う)
Eまでの実験から一転して、眼に見えないものを測定したり、見えるようにする技術について学ぶ。
1.タンパク質濃度の定量
2.PCRによるヒトDNA多型の解析
3.電気泳動
生物学実験の単位を取得するためには、決められた日に出席し、観察した結果や、実験で得られたデータをもとにレポートを作成し、提出することが要求される。
出席、実習への参加の度合い、レポートによって評価する。
作 成:TMD WWW-WG 教養部生物学 和田 勝/wada@tmd.ac.jp
2003/08/26