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2005年度教育評価
 生命情報科学教育部では、教育内容の改善を図るために、講義・演習期間終了後に、学生ならびに教員に対してアンケート調査を実施しています。以下に2005年度に実施した調査に対する回答の一部を掲載します。過去のアンケート結果についてはこちら(2004年度2003年度)をご覧ください。
アンケート結果 <学生>
●履修して良かったと感じた科目

〔最先端疾患生命科学概論〕     
・試験範囲が広すぎて大変だったが、いろいろな分野について広く学べたので、最初の導入の授業としては良かった。
(コメント:2006年度から「疾患生命科学概論」に名称が変更になりました.)

〔バイオ産学連携特論〕
・通常の専門課程では習わない特殊な知識を得ることができた。
・自分の研究に対して別の角度から見ることができた。
・グループディスカッションで,学生に考えさせる機会を与えてくれて良かった。

〔ゲノム科学特論〕
・疾患とゲノムとの関わりという観点で、基本的なことから学ぶことができた。

〔プロテオーム解析演習〕          
・企業などで最先端の研究を行う方々の講義を受けることができた。
・自分の好きなように実験計画を立てることができた。
・実験やプレゼンテーション、講義などがあり、短い期間であったが得るものがたくさんあった。

〔細胞・組織形態解析演習〕   
・顕微鏡の使い方や切片の作り方など、基礎から実際に自分で体験でき、いろいろな技術が身についた。
・基本的であるが、これからの自分の実験に必要となりそうなことを学べた。

〔再生医療/細胞治療実験演習〕               
・再生医療や細胞治療がどのように行われているのか,実際に見ることができた。

〔ゲノム及び遺伝子発現解析演習〕
・自分にとって新しい技術で、今後の研究に役立つ実験だった。

〔英語ディベート演習〕
・日本でこのような講義を受ける機会はないので、非常に良いと思う。

〔コンピュータープログラミング演習〕
・大学院の先輩の方たちがたくさんいたので、わからない点もすぐ質問できた。

〔細胞組織制御学特論〕
・基本的なことから研究内容についてまでも触れられていた。

〔ゲノム化学・機能分子特論〕
・薬を作るなど、実際に役に立ちそうな話が多くておもしろかった。

〔バイオインテリジェンス科学特論〕
・機能性分子や機械などのテクノロジーが、臨床でどのように利用されているかなど、実際の具体例などがあって非常におもしろかった。

〔免疫学・生体異物情報学〕
・基礎から講義してもらえたので、非常に理解しやすく、講義にも参加したという実感があった。
・学生に対する質問内容は、教科書には書いてないような深いものが多く,大変勉強になった。
・免疫について知らなくても、考えればちゃんと答えられる授業方法がよかった。

●改善すべき科目
〔再生医療/細胞治療実験演習〕
・演習ではあったが、自分たちは手を動かさずに見ているだけの時間が長かった。

〔ゲノム及び遺伝子発現解析演習〕
・実験の待ち時間が長かったため、空き時間を有効に使えた方が良かった。

〔発生・生殖学特論〕
・基礎から丁寧に積み上げる形の講義が最初に1、2回あればよいと思う。

〔分子構造学特論〕
・化学についての知識がなかったので、授業内容についての理解があまり得られなかった。生物系の人の方が多いと思うので、分子構造についてはもっと入門的な講義があってもよいと思う。

〔ゲノム情報科学特論〕
・ほとんどネイティブの先生の授業ですべて英語だったので、内容がちゃんと理解できるか不安だった。しかし,いい経験にはなった。

●開講して欲しい講義科目、演習科目
・受験科目に化学があるように化学からも受験している人もいるが、化学系の授業が皆無なので化学系の授業をして欲しい。
(コメント:2006年度から「ケミカルバイオロジー特論」,「ケミカルバイオロジー演習」を開講しました.)

●改善すべき点

・講義が多い。大学院には研究をしにきており、自分の分野は自分で勉強すると思う。もう少し単位を減らし、試験はいらないと思う。

・大学院は研究をする場なので、研究を第一に考えられる環境作りを目指して欲しい。随時講義が多すぎる。せめて授業期間内に開講してほしい。

・授業を減らして欲しい。4〜7月あたりまで満足に実験できないので何をしに大学院にきたのかわからない。

・修士の期間は2年と短いので、前期ももう少し研究室で実験ができるようにしてほしい。

・実験が軌道に乗り出した頃に随時講義が入るため、実験に支障が出ることがあった。

・講義時間が中途半端な時間からのものが多いので、実験の都合がつきにくかったりした。

・履修届けを出すまでに先輩方のアドバイスを聞くことができるようにしてほしい。

・定期試験は、試験期間をまとめて設けるのではなく、各講義期間終了後に行う方がいいのではないかと思う。

アンケート結果 <教員>
●改善すべき点

・自分の反省点として,もう少しinteractive にやれればよかったと思う.

・学生がかなり多様性をもっているので、学生間のdiscussionを試みるのもよかったのではないかと考えている。                      
・次回は講義終了後に意見聴取をしようと思っている。

・一回の講義ごとに簡単な設問と回答をその場で行い、定期試験の成績とあわせて総合的に履修到達度を評価したい。

・演習について、関連資料や結果などをホームページに掲載するのがよい。

・学生実習の実際のレポートや現場についてホームページや要項にのせて次年度の参考にする。

・今年度の演習に使用した再生医療・細胞治療実験施設が、次年度からクリーンルームとして運用する予定なので、「少人数による見学を主体とする」等に変更する必要がある。

・学生教育の難しさは、広い知識をもった研究者の育成と、独創性に溢れた研究者の養成という、2種類の教育を同時にする点にあると思う。後者を積極的に育てる方向性をなんとか考えたい。

・講義が過密なのでもう少し余裕を持った時間割にした方が良い.

・授業によっては学生のレベルを考えずに非常に専門的な場合があるようなので、改善すべきである。また、専門的な研究会を随時講義にあてる場合に、教育的効果があるのか十分検討すべき。        

・昨年度と同様に、試験前に準備期間を設定したが、学生が授業内容の理解を深めるよい機会だったと思う。この期間中に学生からの授業内容への質問を多く受けた。                      

・連携協力機関の拡大とともに授業内容も多様になってきているが、それにともなう授業時間や期間の拡大・延長も考慮したほうがよいと考える。授業期間をこのままにして、密度を高くするのでは、学生の授業の消化不良を招くことも懸念される。

・7月の試験期間に集中している学生の負担を平均化する。

●指導した学生からの要望事項

・修士課程と博士課程の学生の共通の講義は博士課程の学生には少し初歩的過ぎるとの意見があった。

・あくまでも限られた学生から聞いた範囲のものであるが、単位取得のための講義が多過ぎて負担が大きいとの意見があった。

・「講義負担が大きい」との不満は聞く。

・修論審査前に審査員を決めるのではなく、大学院へ入学後に審査員候補をきめ、半年ごとに進捗と手法、結果の解釈、審査のための方針やアドバイスをもらうコミッティーを開くのがよいと思う。

・極めて専門的な領域のみ講義する先生がいる.パワーポイントでの講義は,集中力を保てないことが多く,眠くなる.

・講義に使用したスライド提供の要望があったので,研究室のHP上に掲載した.

・講義に使用したスライドのファイルが欲しいと言われたが、未発表データ等も含まれていたので断った。

●成績評価方法などについて意見
・個人的には、出席を取って参加を義務付けるのは余り好ましくないと思う。

・「何を知るために参加したのか」という明確な動機や意思を書かせて自覚をもたせ、評価の対象の一部にするのが良い。

・学部のような基礎的な講義を大学院でも実施するのであれば、参加度や試験で成績評価にするのが良い。

・担当教員の研究紹介やトピックスのようなものが主体の授業について、成績評価を厳しくつけるのはあまり意味がないと思う。講義内容もかなり特化しているので、レポートもしくは出席者にコメントなどを書かせて評価するので良い。

・大学院の講義は特別講義的な要素が多いので、小テストやレポート提出もなじまないような気がする。出席だけでもいいような気がする。

・授業などの際の発言状況で決める。質問等の発言頻度による評価。簡単なディスカッションをさせて理解度・積極性を評価する。

・参加度の評価は主観的になりやすい。また、発言回数などで数量化すると、内容を伴わない点数稼ぎに陥る恐れがあり、客観的な評価は難しいと思う。

●学生を惹きつける教育・学習環境の構築に対する意見
・学生に考えさせる工夫が必要と思う。

・学生の研究に対して複数の教官から様々な専門的かつ的確なアドバイスを受けることが必要で、教官も該当者の関連論文を読んだ上で質の高いアドバイスをする。

・講義内容を現物で説明する「ラボツアー」の実施。

・広い視野を与えるために、学内の他の研究室の訪問とか、学外の研究所の見学、学内の講演のほか、他の施設での講演会、セミナーなどに積極的に参加をすすめてはどうか。
(コメント:2006年度より,学内で開催されるセミナーを聴講することにより単位を取得する「最先端疾患生命科学特論」を開講しました.)

・技術の習得が必要であれば、積極的に学生を他の研究室に習わせに行かせるのもいいと思う。

・学内の複数のラボで合同コロキウムを開催するのもいいかと思う。学内・学外の研究室間での共同研究が盛んになればなるほど、学生にもフィードバックされるものが増えるのではないか。

・英語で発表する機会や英語論文を書く練習をさせるのも重要だと思う。研究者になるには英語で発表できる力を身につける必要がある。
(コメント:2006年度より,「生命情報科学国際データプレゼンテーション演習」を開講し,英語による発表演習を行います.)

・大学院入学までに受けた教育が必ずしも専門分野をカバーしていないようなので、基礎的な内容についてオーバービューできる講義が必要かも知れない。

・ 難治疾患研究所や生体材料工学研究所のオープンキャンパスなどで設けられた展示のように、可能な限り実物を見たり、触ったりできるような環境を常時用意し ておくことの効果は大きいと考える。たとえば、授業の発展学習として、関連の研究室を、気安く訪ねることができる環境があるだけでも、効果はあると思う。

・留学制度(短期海外派遣制度)の導入,国際学会、国際シンポジウム(国内で開催されるものを含む)への参加奨励。

・講義期間終了後にも、必要に応じて復習や質問ができるような制度を構築してはどうか。

●今後開講すべき講義・演習科目
・生体材料を扱うことを想定し、実験者の安全を確保するために感染因子の種類、消毒・滅菌法に関する講義の充実が必要と思う。

・学振や科研費などのグラント申請書類の作成をトレーニングする授業。

・蛋白質の構造関連データベースの利用法の演習。

・統計的検定・推定に関する科目。

●要望事項
・小規模の講義室を増やすべき。
・担当したコースは受講者が少ないので、より小さい部屋で出来るとよい。
(コメント:講義室を一部改装し,少人数クラスに適した講義室を準備しました.)

・部屋の照明を暗くすることなく表示できる、高輝度の液晶プロジェクター。

●その他の意見

・他にはないような科目も工夫されており,総合的にはかなり良いと思う.

・1学年前半に講義を集中させる趣旨は良く理解できるが、学生が科学者の卵として成長する(あるいは経験を積む)前に、いろいろと詰め込まれることにもなり、講義内容を十分に吸収できない者も多いようである。

・学生の興味をもった講義(セミナー)だけを、よりフレキシブルに(スケジュール的にも内容的にも)受講できるシステムになることを期待する。

・授業を通して院生個人のテーマがどう発展させられるかを強く自覚させるような取り組みが必要で、単位をとるだけにはしてほしくない。そのためにはもっと密な連携と個人の研究テーマに即した「授業や実習の活用」をさせるべくインタラクティブにする工夫が必要と思う。

・いくつかの「疾患」を取り上げて、その疾患の概説、病因・病態究明や治療・予防の現状、最近の研究動向と知見、将来的な研究アプローチなどについて、複数の教員がそれぞれの観点から紹介するような疾患研究総合講義の企画も学生の興味を惹くかと考える。

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