倫理審査委員会
平成14年度
第3回難治疾患研究所倫理審査委員会
場所:難治疾患研究所 所長室
出席:木村、山上 (以上 内部委員)、稲葉、徳永、松岡、神奈木 (以上 外部委員)、加藤(書面意見)
議事
1.前回議事要旨の承認
平成14年度第2回本委員会議事要旨(案)について内容を確認し、これを承認した。
2.迅速審査委員の選任
委員改選に伴い、迅速委員の選任を行った。協議の結果、木村、平岡 (以上 内部委員)、徳永、松岡 (以上外部委員)を迅速審査委員として選任した。但し、外部委員のうち徳永委員が出席できない場合は、稲葉委員が代行することとした。
3.迅速審査対象案件
第1号 (前回第4号案件審査)
「韓国における循環器疾患関連遺伝子の解明に関する研究」
実施責任者:木村 彰方 教授 (分子病態)
試料提供元(韓国研究施設)における同意書のサンプルおよび倫理審査委員会による研究計画の承認内容(本研究所における遺伝子解析が明示されているもの)についての資料(いずれも原本はハングルで記載されているが、英文注釈付き)が提出された。加藤委員の書面意見を含めて種々審議の結果、以下の条件で研究を承認した。なお、本件は委員から申請された案件であるため、当該委員は審議に加わらなかった。
2.研究計画書に記載の範囲内で実施すること
第2号(前回第5号案件審査)
「アジアオセアニア地域民族の遺伝的特性に関する研究」
実施責任者:木村 彰方 教授 (分子病態)
韓国試料提供元よりの被験者への研究内容説明、同意書サンプル、倫理審査委員会による承認などに関する資料が提出された。また、パプアニューギニアの既存試料提供元からの同意取得方法に関する説明資料が提出された。なお、タイ試料提供元に関しては、先方で改めて本研究計画を申請予定であることが説明された。加藤委員の書面意見も含めて種々審議の結果、本研究申請を一部についてのみ承認し、残りは以下に示す資料の提出を受けて迅速審査することとした。なお、本件は委員よりの申請案件であるため、当該委員は審議に加わらなかった。
2.パプアニューギニアの試料については、連絡不可能匿名化試料であるが、提供元より既存試料様取得(1990年)時における研究目的等の説明内容に関する資料の提出を受けて、迅速審査を行う。
3.タイ試料提出元よりの試料に関しては、先方の倫理審査委員会で研究計画が認められた段階で、資料の提出を受けて迅速審査を行う
4.継続審議案件
第1号 (前回第3号案件審査)
「久山町における生活習慣病に関するゲノム疫学研究とそれに基づくEBMデータベースの開発とテーラーメイド医療の実現」
実施責任者:村松 正明 教授 (分子疫学)
試料提供元(九州大学大学院医学研究院)における倫理審査委員会による研究計画承認に関する試料が検出された。また、試料提供元では改めて同意取得を行っていることが説明された。なお、本件における試料を使っての遺伝子解析研究はヒュービットゲノミクス社で行い、本研究所においては、遺伝子解析結果を用いたデータ解析のみを行うことが説明された。種々協議の結果、以下の資料の提出を受けて迅速審査を行うこととした。
5.新規審議案件
第2号
「腎疾患(透析を受けている患者)の遺伝的多型解析とその意義の解明」
実施責任者:村松 正明 教授 (分子疫学)
申請内容に不備があるため取り下げ。
第3号
「脳卒中・動脈硬化等の心血管病の原因遺伝子の解明」
実施責任者:村松 正明 教授 (分子疫学)
資料に基づき、遺伝子解析結果を用いたデータ解析研究であることの説明があった。種々協議の結果、以下について不明な点等があるため、継続審議とした。
2.試料提供者への説明文書に研究場所、共同研究機関(研究責任者)が明示されていない。また、各研究機関の共同研究における役割分担等が不明である
3.試料提供者よりの同意文書の宛先がない
4.共同研究組織各々の倫理審査状況が不明である
第4号
「閉経後女性に多発する疾病の遺伝的要因に関する分子疫学的研究」
実施責任者:村松 正明 教授 (分子疫学)
資料基づき研究計画の説明があった。種々審議の結果、以下の内容を説明する資料の提出を受けて迅速審査を行うこととした。
2.試料提供元の倫理審査状況に関する説明
第5号
「コホートにおけるウィルス性肝炎の成立と進展に関する遺伝的多型性解析とその意義の解析」
実施責任者:村松 正明 教授 (分子疫学)
資料に基づき、研究計画の説明があった。本件は600〜700件の検体を対象とすること、同意書が得られた者だけを対象とすることとの追加説明があった。種々審議の結果、以下の点に関する説明資料の提出を受けて迅速審査を行うこととした。
第6号
「コホートにおける虚血性心臓病の遺伝的多型解析とその意義の解明−急性心筋梗塞の再発防止機序−」
実施責任者:村松 正明 教授 (分子疫学)
資料に基づいて研究計画の説明があった。種々協議の結果、以下の点に関する説明資料の提出を受けて迅速審査を行うこととした。
2.試料提供元における倫理審査状況
第7号
「肥満および糖尿病の病因候補遺伝子の遺伝子型疫学研究」
実施責任者:村松 正明 教授 (分子疫学)
資料に基づき研究計画の説明があった。審議の結果、以下の点に関する説明資料の提出を受けて迅速審査を行うこととした。
第8号
「脳血管障害に関係する病因候補遺伝子の遺伝子型疫学研究」
実施責任者:村松 正明 教授 (分子疫学)
資料に基づき研究計画の説明があり、種々質疑応答の上審議した結果、以下の点に関する説明資料の提出を受けて迅速審査を行うこととした。
2.試料提供元における倫理審査状況
第9号
「パーキンソン病および筋萎縮性側葉硬化症の遺伝的要因に関する分子疫学的研究」
実施責任者:村松 正明 教授 (分子疫学)
資料に基づき研究計画の説明があった。本研究では約100件程度の解析を行うことが追加説明された。種々協議の結果、以下の点に関する説明資料の提出を受けて迅速審査を行うこととした。
2.家族性症例に対するインフォームドコンセントの内容および遺伝カウンセリング体制に関する説明
第10号
「慢性閉塞性肺疾患(COPD)・遺伝的多型解析とその意義の解明」
実施責任者:村松 正明 教授 (分子疫学)
資料に基づき研究計画の説明があった。審議の結果、以下の点についての説明文書の提出を受けて迅速審査を行うこととした。
第11号
「活性化Tリンパ球投与による造血幹細胞移植患者の治療と活性化T細胞の作用機序に関する研究」
実施責任者:清水 則夫 助教授 (ウィルス感染学)
資料に基づき研究計画の説明があった。本件は移植後患者を対象とすること、公的ドナーバンクを介した移植では1件ごとにドナーバンクに承諾申請を行うこと、培養用ヒト血漿は輸入品を使用すること、移植ドナー検査と同一項目の感染症検査をPCRレベルで行うこと、等の説明があった。種々審議の結果、以下の点についての説明文書の提出を受けることとし、継続審査とした。
2.公的ドナーバンクに承諾申請を行う際の依頼文書のひな型
3.被験者への治療を行う医療機関における倫理審査状況
第12号
「緑内障に関連する遺伝子の検索」
実施依頼者:田中(光) 教授 (分子神経科学)
研究計画説明者:原田 高幸 助手
資料に基づいて研究計画の説明があり、種々質疑応答の上審議した結果、以下の点に関する説明資料の提出を受けて迅速審査を行うこととした。
2.試料提供者への説明文書に、共同研究機関(ヒュービッド社および本研究所分子疫学分野)とその共同研究者を加えること
3.試料提供者よりの同意書の宛先を明示すること
4.研究計画に対象検体概数を明示すること