学内女性研究者インタビュー 黒川 洵子さん

黒川 洵子(Junko Kurokawa)

難治疾患研究所 生体情報薬理学分野 准教授
平成10年に東京大学大学院薬学系研究科にて博士(薬学)取得。同研究科の教務補佐員を経て平成11年より米国ジョージタウン大学にて、平成15年より米国コロンビア大学にてポストドクトラルフェロー。同コロンビア大学のアソシエートリサーチサイエンティスト兼日本学術振興会海外特別研究員を経て、平成16年に東京医科歯科大学 難治疾患研究所 生体情報薬理分野・助手に着任。平成18年より現職。

学術機関の研究者を選んだ理由を教えてください

博士課程に進学する時点で、アカデミックしかないと考えていました。修士課程の時には、企業に就職することも考えていましたが、企業の事情に精通する教授から企業の話を聞き、アカデミックの方が自分の力を生かしきれると考え、アカデミックの道を選択しました。

時間管理の仕方を教えてください

大学にいる時間は机で研究のことを考えたり実験をする等、その場でしかできないことを心掛けています。機械的作業であるデータ解析は家で行うこともあります。また、大学にいる以外の細かい時間にはITをかなり取り入れるようにしており、携帯電話で大学のサーバーからのメールや論文が見られるようにしています。妊娠した時はどれだけ研究に穴を開けないようにするかを考え、当時話題になっていたネットワーキング等でどのようにして学生とコミュニケーションをとるかを考えていました。

留学されて良かったこと、大変だったことはどのようなことですか

良かったことは、留学先のボスとポスドクの仲間が素晴らしかったことです。よい信頼関係を築くことができ、今も共同研究を行っています。大変だったことは、初めの頃、英語力不足に苦労したことです。研究にコミュニケーション能力が必要であると実感しました。6年間留学しましたが、留学前後で会話力はかなり向上しました。

留学先を決める上でのポイントを教えてください

やりたいことをやれる大学の中でも、ランキングが上の大学を選ぶことです。これは、周りの環境によって自分が引き上げられるためです。また、ポスドク留学の場合には、研究のネットワークを広げる上で大学の立地条件(研究が活発な地域)を特に考慮に入れた方がよいです。アメリカではグラントが切れるとラボが消滅するので、グラントの取得状況をあらかじめラボの教授に尋ねたり、知人から聞くとよいです。

女性研究者の先輩として、私達が今するべきことがあれば教えてください

思いっきりピュアに研究に没頭することです。これは学生時代だけしかできません。後は、すごく辛くなった時に相談できる友人を持った方がよいです。友人は、自分と同じ時代、同じようなステップを歩んでいる人で、自分と少し違う立場におり、自分と少し違うアイデアを持っている人がよいです。

(インタビュー:平成22年9月2日 博士2年 小西 真紀子)

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