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難治疾患研究所・大学院疾患生命科学研究部・生命情報科学教育部諮問委員会を開催(2003年12月25日)

 この諮問委員会は、難治疾患研究所・大学院疾患生命科学研究部・生命情報科学教育部の目標や目的達成のための運営や教育研究体制、さらに、研究教育活動について助言、勧告を頂くために設置されたものです。現在の委員は、医学生物学の研究と教育に高い識見を有しておられる以下の8名の先生方にお願いしています(50音順)。

日本臓器製薬(株)生物活性化学研究所名誉所長 大塚 正徳 先生
国立精神・神経センター総長 金澤 一郎 先生
国立遺伝学研究所教授 五條堀 孝 先生
国立国際医療センター研究所長 笹月 健彦 先生
理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター長 谷口  克 先生
サントリー生物有機科学研究所研究顧問 中嶋 暉躬 先生
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長 中村 祐輔 先生
埼玉医科大学ゲノム医学研究センター長 村松 正實 先生


 当日、中村先生は所用のためお見えにならなかったが、7名の委員のご出席のもとで、本研究所・研究部・教育部がこれまでに行ってきた、教育研究推進のための施策、教育研究活動、さらに、今後の事業計画について、プレゼンテーションを行った後に、諮問委員との質疑応答を行い、最後に講評をお聞かせ頂きました。

 研究所・研究部・教育部からは、これまでの施策として、教員の配置や任期制、研究活動評価、研究部・教育部の設置、難治疾患研究所の部門再編、スペース配分と新研究棟内でのスペース活用、予算配分、大学院教育支援組織、年報、論文賞などの所内での顕彰などについて概略を紹介しました。教育活動としては、学部教育への貢献や医歯学総合研究科への参画状況、生命情報科学教育部での教育の現状、産学連携の現状、研究活動としては、難治疾患研究所野田教授が拠点リーダーになっている21世紀COE プログラム「歯と骨の分子破壊と再構築のフロンティア」について紹介しました。

 プレゼンテーションに対しては、諮問委員からの活発なご質問とご助言があり、当初は研究所および研究部での最近の主な研究業績についても紹介する予定であったが、その時間をとることができなくなってしまいました。研究業績については、とりまとめた資料をご検討いただくこととしました。

 これまでの、研究・教育推進についての施策、研究活動、教育活動の現状については、委員全員から非常に高い評価を得ました。それ以外に、諮問委員からの多くの助言、講評を頂きました。その主な点は以下のとおりです。

● 助教授や助手がすべて、教授をサポートする形で研究活動を行うと、若手研究者の育成ができないのではないか。また、将来的に人事の停滞を招くのではないか。

● 教育部での教育への取り組みは大変優れているが、教員の数が限られているため、個々の教員への負担が大きく、息切れがしないか心配である。

● 教育・研究の施策は大変すぐれているが、その施策の遂行に時間をとられてしまい、研究に集中できなくなる可能性があるのではないかと心配である。組織再編の際には、本当に研究の推進にとってどういう有利な点があるのかを明確にし、本来の目的を達成できるように、運営上の工夫をする必要がある。

● 大学院教育では、一人のすぐれた教授、あるいは研究者を見習うことを通して、本当に学問を推進する人を育てることも必要ではないか。

● いろいろな業務をアウトソーシングするべきではないか。

● 助手の任期が3年ということについては、これでいいか将来的に検証すべきである。

●長期在籍者については、外部からのアドバイスや評価が重要ではないか。

●お金の入らない研究もしっかりと守り、研究の多様性を保持しつつ、目的志向的に、例えば、トップダウン的なプロジェクト研究なども必要ではないか。

●工夫の数々はよく練られたものだが、優れた研究成果をあげ、優れた人材を輩出するという点を間違わずに頑張ってやっていただきたい。

(以上の内容は2003年度難治疾患研究所・疾患生命科学研究部・生命情報科学教育部年報から、一部を抜粋したものです。年報の冊子体もご覧下さい。)


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