概 要


東京医科歯科大学は、平成15年度に新しい大学院組織「疾患生命科学研究部・生命情報科学教育部」を開設しました。この大学院は、先端的な研究と持続的な教育というニーズに答えるため、研究部と教育部を分離していますが、教育課程については通常の研究科のものと同様です。東京医科歯科大学疾患生命科学研究部の基幹教員を中心に、本学の学内協力教員、他機関からの連携教員、客員教員が教育に参画しています。

疾患生命科学研究部は、我が国で最初の、疾患を対象とする生命科学についての大学院組織で、疾患研究と生命科学研究の融合領域のポストゲノム研究を推進します。

生命情報科学教育部では、理学、工学、農学、薬学、医学、歯学など幅広いバックグラウンドを持った学生を対象に、ゲノム情報、プロテオーム情報、タンパク構造情報などの情報科学と、細胞機能や生体機能についての生命科学の教育(博士前期課程2年、博士後期課程3年、ただし、医学、歯学部など6年制大学卒業者は後期課程のみ)を行います。また、主に博士後期課程では、疾患生命科学研究部において、疾患研究を指向した生命科学、生命情報科学の研究指導を受けます。これらの課程を通して、ポストゲノム時代の学際的生命科学領域を担う人材、すなわち、医学・生命科学分野での研究者、技術者、医療産業に関わる産業人、さらに、バイオベンチャー企業の起業者を養成します。

 設置の目的

20世紀末から21世紀初頭にかけて、種々の生物種の全ゲノム配列が解読されました。解読されたゲノム情報から展開されるポストゲノム研究、さらに分子構造情報など生命情報に基づく高次生命機能の理解とその制御技術の開発は、今後、世界有数の少子高齢化社会に突入する我が国において、病気の予防による健康な高齢化社会の実現、革新的医療や新しい薬剤の開発、環境負荷の低減などを通じて、生活の質的向上の実現を目指すとともに、社会負担コストを引き下げることに貢献することが期待されており、21世紀はまさに生命科学の世紀となろうとしています。このような、学問領域、社会や産業構造が変化するなかで、複雑な疾患研究領域と先端的な生命科学との融合的学際分野での実践的な研究を推進すると共に、生命情報の解析に基づく技術革新を実現するためのマネジメント能力を身につけた実践的問題解決能力を有する人材の育成を行います。

 設置の形態

本大学院は、社会的ニーズ、学術研究分野の動向・進展に的確に対応しうる研究と教育を展開するため、研究と教育を機能的に分離しつつ、相互の有機的な連携関係に配慮した形態として、従来の研究科ではなく、研究部及び教育部から構成される組織を導入しました。


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