【17型コラーゲン】に関連するとされる化粧品・健康食品等への注意喚起について

「17型コラーゲン」を用いた化粧品・健康食品等へ関心をお持ちの方へ

東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞医学分野は、平成2825日に本学ウェブサイトおよび各種報道を通じて「加齢による薄毛・脱毛と17型コラーゲンの関連」についての研究成果を発表し、医学研究者、医療従事者のみならず毛髪の健康に関心をもつ多くの方々から反響をいただきました。

しかしながら、残念なことに、一部の化粧品・健康食品に関して、本学や当研究室の研究成果を不当な仕方で引用して消費者の皆さまに誤解を与えるような販売促進活動がなされております。

研究成果を発表した研究室の責任として、皆さまには下記の点をご理解いただきたいと思います。

「17型コラーゲン」は通常のコラーゲンとは性質が異なるものです。当研究室が確認した限り、市販されている製品の中に「17型コラーゲン」を配合しているものはなく、当研究室では17型以外のコラーゲンもしくは「17型コラーゲン様」の物質については薄毛・脱毛に対する効果を確認しておりません。
 

17型コラーゲン」は、一般的に知られるコラーゲンとは異なる膜貫通性コラーゲンであり、毛包細胞表面に結合してのみ効果を発揮するものです。当研究室の研究成果は、17型コラーゲンを頭皮に直接塗布したり、食品として摂取したりすることによって、薄毛・脱毛に対して改善の効果を与えることをうたったものではありません。
参考:日テレNEWS24 気になる悩みに朗報? 薄毛の仕組み解明(201625 20:02Http://www.news24.jp/articles/2016/02/05/07321705.htm

東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞医学分野では、皆さまからの期待にお応えできるように、この基礎研究を製品化するための努力を日夜続けております。今後の研究成果については、引き続き本学ウェブサイト・プレスリリース等を通じてお知らせいたします。皆さまの変わらぬご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

東京医科歯科大学難治疾患研究所 幹細胞医学分野 教授 西村栄美

東京医科歯科大学 プレスリリース
「歳をとると毛が薄くなる仕組みを解明」【西村栄美 教授】
― 毛をつくる幹細胞が表皮となって落屑するため毛包がミニチュア化する ―
http://www.tmd.ac.jp/press-release/20160205/index.html
東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞医学分野ウェブページ
http://www.tmd.ac.jp/mri/scm/