東京科学大学 総合研究院 難治疾患研究所 機能分子病態学分野

   細胞内の全てのオルガネラや蛋白質は、千差万別の寿命をもってダイナミックにターンオーバーしており、生物はこの新陳代謝を通して細胞内を浄化すると共に細胞活動を健全に維持しています。この代謝回転の中核を担うユビキチン・プロテアソーム系やオートファジー経路は、様々な細胞内ストレスに応答する手段として、あるいは多様な生体反応を迅速に順序立って不可逆的に進める手段として、生命現象に不可欠な役割を果たしています。

 近年、ユビキチン・プロテアソームシステムやオートファジーシステムの破綻に伴って発症する疾病(癌や神経変性疾患等)に関する報告が急増しており、高齢化社会を迎えた今日では、その生理と病態に関する研究の重要性は拡大の一途を辿っています。

 機能分子病態学分野では、パーキンソン病などの神経変性疾患の原因因子の機能解析や、ミトコンドリアなどの細胞内オルガネラ選択的オートファジーの分子メカニズム解析を進めています。これらの研究は、生命の謎に迫るという学術的な重要性のみならず、健康科学の発展に大きく寄与することが期待できます。

【News&Topics】

2025/6/1お知らせ
遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子産物 DJ-1 の機能を解明しました。成果は J. Cell Biol 誌に掲載されました。 https://www.isct.ac.jp/ja/news/gqphj8v1xrbw
2025/6/1お知らせ
技術支援員として梶山理恵さんが新たにラボメンバーに加わりました。
2025/4/1お知らせ
メンバーを更新しました。
2025/3/25受賞
遠藤龍さんの修士論文が東京科学大学 医歯学総合研究科 Excellent Research Awardを受賞しました。
2025/3/11受賞
荻原禅さんが2024年度難治疾患研究所 学生・若手研究者研究発表にて優秀賞を受賞しました。
2025/3/11受賞
遠藤龍さんが2024年度難治疾患研究所 学生・若手研究者研究発表にてベストディスカッション賞を受賞しました。
2022/4/1お知らせ
機能分子病態学分野が発足しました。 

 

 

【患者由来DJ-1安定発現細胞の作製】
現在、DJ-1欠損細胞に野生型DJ-1とC106Sを入れ戻した細胞を作製した。同様に他の変異体についても作製予定である。