難治疾患研究所・大学院疾患生命科学研究部
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1、グルタミン酸トランスポーターの脳における機能解析

グルタミン酸は、中枢神経系において主要な興奮性神経伝達物質であり、記憶・学習などの脳高次機能に重要な役割を果たしている。しかし、その機能的な重要性の反面、過剰なグルタミン酸は神経細胞障害作用を持ち、様々な神経疾患に伴う神経細胞死などの原因と考えられている。グルタミン酸トランスポーターは、細胞外グルタミン酸濃度制御にとって重要な分子で、シナプス前部から放出されたグルタミン酸をシナプス間隙から取り除き、細胞外濃度を低く保っている。我々の研究室では、欠損マウスを用い、グルタミン酸トランスポーターの機能的役割を解析している

Fig1
2、神経幹細胞の分化過程と神経回路網の再構築

従来絶望視されてきた脳機能の再建は、神経幹細胞の発見により可能性が出てきた。本研究では、神経幹細胞からニューロン、グリアへの分化過程の制御機構、及び新しく生まれたニューロンがいかにして既存のニューロンと神経回路網を形成して記憶・人格などの恒常的な性質を維持するかについて明らかにし、中枢神経系の機能再生を目指す。

Fig2
3、グリア細胞の脳における機能的役割

中枢神経系は、神経細胞とグリア細胞の2種類の細胞から成り立っている。最近までグリア細胞は、神経系の構築の支持体、脳内環境の恒常性維持など受動的役割が協調されていた。しかし最近の研究により、グリア細胞と神経細胞には両方向性の情報伝達があり、脳情報処理は神経細胞同士の情報伝達だけでは解明できないことがわかってきた。我々の研究室では、グリア細胞の脳形成、脳高次機能、精神疾患におけえる機能的役割の解明を目指している。

Fig3