令和3年度 東京医科歯科大学病院 病院指標



    ◆病院情報の公表の集計対象:令和3年度(2021年4月~2022年3月)当院一般病棟退院患者データ
    ※COVID-19に該当する診断群分類は集計対象外のため患者数には反映していません。
    令和3年度に関しては、COVID-19の影響により入院や手術の受け入れが制限されていた期間があり、全診療科において平時とは異なる数値となっている場合があります。
    各項目10件未満の数値は、-(ハイフン)と表記しています。



  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 567 355 590 766 1277 2014 2754 3932 1660 137
当院の入院患者さんは、60歳以上の占める割合が、全体の60.4%、80歳以上が12.8%とご高齢の患者さんが多く入院されている一方で、20代以下が10.8%、10代以下は6.6%と若い世代(小児疾患など)の患者さんの入院治療も行っています。
当院ではご高齢の患者さんの慢性疾患や急性肺炎、脳血管障害など救急医療の受け入れが多く、また若年の患者さんには血液疾患、神経、炎症性腸疾患など入院治療を行っております。
令和3年度に関しては、COVID-19の影響により入院や手術に制限がかかった期間があり、全診療科において平時とは異なる数値となっている場合があります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 57 13.28 10.66 1.75 60.18
130030xx99x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 3あり 19 9.79 15.64 0.00 61.26
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 5あり 14 23.50 19.92 0.00 59.00
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 13 37.85 37.46 0.00 51.15
130030xx97x50x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 5あり 定義副傷病 なし 11 32.00 31.17 0.00 59.91
当科では特定機能病院として悪性リンパ腫、急性白血病、多発性骨髄腫といった造血器悪性腫瘍を中心とし、再生不良性貧血、溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、凝固異常症などの疾患についてもバランスよく診療しています。急性白血病については各症例に応じて同種造血幹細胞移植を含めた包括的な治療を行っています。非ホジキンリンパ腫についてはリツキシマブ、多発性骨髄腫については新規薬剤を含む治療を入院(2-3週間程度)で導入したのち、外来での治療に移行し、若年の患者さんには自家末梢血幹細胞移植を積極的に行っています。関東でも数少ないCAR-T細胞療法認定施設であり、悪性リンパ腫に対する豊富な経験を持ち、各部署と連携しつつ、治療を提供させていただいています。血液内科においても高齢の患者さんが増加しており、当院の特徴である歯学部との連携のほか、看護部、リハビリテーション部、臨床栄養部、心身医療科など多職種との連携を行い、一人一人の患者さんに最適な医療を行えるよう心がけています。外来化学療法による病床の効率的な利用、血液製剤の適正使用などにより、貴重な医療資源を有効活用して地域、社会に貢献しています。
膠原病・リウマチ内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 147 10.39 14.75 0.00 56.74
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 29 10.83 18.42 6.90 71.79
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2 なし 17 14.24 15.50 5.88 65.24
070560xx99x70x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 7あり 定義副傷病 なし 16 33.63 21.03 6.25 58.25
070560xx97xxxx 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術あり 15 44.47 36.13 6.67 61.67
当科では「全身性臓器障害を伴う自己免疫疾患」である全身性エリテマトーデス、多発性筋炎/皮膚筋炎、全身性強皮症、シェーグレン症候群、血管炎症候群、ベーチェット病、IgG4関連疾患、サルコイドーシス、リウマチ性多発筋痛症、そして成人発症Still病など、多くの全身性自己免疫疾患や炎症性疾患を入院で診ており、その数は膠原病・リウマチ疾患の診療では都内の大学病院で最上位になります。これらの疾患を初めて発症した患者さんだけでなく、標準的な治療に反応しない患者さんや臨床症状が重く大量免疫グロブリン療法や輸血、手術を要する患者さんを多く診ていることも当科の特徴の1つです。難治性な病態に対する強力な免疫抑制療法中に真菌感染症を合併してしまう患者さんもいますが、適切なスクリーニングにより早期に感染を把握し、それらの患者さんの加療にあたっています。また、多発性筋炎/皮膚筋炎、強皮症、血管炎症候群、関節リウマチなどに間質性肺炎を合併した患者さんも数多く紹介され、入院加療を行っています。さらに、高齢者や合併症の多い関節リウマチの治療の際には、入院で全身状態を精査・評価してから1人1人に最適な治療計画も立てています。また、日常生活動作(ADL)が低下し、急性期治療後に自宅退院することが困難な患者さんに関しては、近隣医療機関への転院調整も行っています。
糖尿病・内分泌・代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 69 15.09 14.41 4.35 65.35
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 32 4.81 6.66 0.00 54.44
100260xx9910xx 下垂体機能亢進症 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 25 7.32 5.67 0.00 58.56
100202xxxxxxxx その他の副腎皮質機能低下症 18 4.78 10.38 0.00 54.94
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 なし 17 10.24 11.15 0.00 57.59
当科では従来より糖尿病・内分泌疾患の診療に力を入れています。
糖尿病については教育入院プログラムを準備しており、インスリン導入や手術前の血糖コントロールなどそれぞれの病態・状況に応じた入院診療を行っています。また、24時間持続血糖モニタリングやインスリンポンプ治療などの専門的な医療も行っており、糖尿病専門医、糖尿病療養指導士の資格を有する看護師、管理栄養士、薬剤師の専門チームで連携して診療にあたっています。
内分泌疾患では原発性アルドステロン症を中心とする副腎疾患や下垂体疾患に対する内分泌負荷試験および副腎静脈サンプリング検査のための短期入院を積極的に行っています。内分泌疾患の症例数の多さは関東随一であり、多数の周辺施設からご紹介いただいています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 96 9.48 10.39 3.13 63.04
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 36 7.44 7.87 0.00 70.03
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし 35 1.94 4.60 0.00 71.29
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 26 16.27 13.74 7.69 68.12
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 なし 25 22.56 20.43 0.00 58.28
慢性腎臓病(CKD)は様々な原因から腎臓の機能が低下し、最悪の場合透析に至ってしまう病気です。わが国では透析患者数34万人、透析関連医療費は1兆6千億円程度要しており、CKDの早期診断と適切な治療介入による透析予防は喫緊の課題であると言えます。それを裏付けるように、当科で最も多いのは慢性腎炎の診断・治療や慢性腎臓病の教育に関する入院で、透析導入予防策に尽力しています。一方、維持透析患者さんの様々な合併症への対応も必要不可欠であり、透析導入患者さんのために新たに手術を行うケースを含め、当科では血液透析用内シャント関連手術や腹膜透析関連手術を積極的に実施しています。このように当科入院目的の2〜4番目はシャント関連手術ならびに透析導入が占めています。当科では患者さんやスタッフに放射線被ばくのない超音波ガイド下シャントPTA(経皮的血管拡張術)を採用しています。5番目は、尿蛋白が大量に漏出してしまうネフローゼ症候群を治療するための入院で、最近では一部にコロナワクチン接種と関連している可能性も指摘がありますが、今年度は例年よりやや多い入院数があった印象です。腎生検による診断、ステロイドや免疫抑制剤による治療を行います。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 14.41
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 17.35
180020xxxxxxxx 性感染症 9.61
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 13.07
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 13.14
当科では糖尿病や心不全など慢性疾患を背景とした急な病状の悪化や、様々な感染症の診断・治療をはじめ、診断困難症例の精査、複数の疾患を合併する症例の管理、悪性腫瘍の終末期に至るまで、特定の臓器に偏らない幅広い領域の疾患群に対応しています。患者さん一人ひとりの生活状況など社会的要因も加味し、他職種連携を図りながら、良質な全人的医療を提供します。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 96 2.44 2.65 0.00 69.07
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 85 7.72 7.96 1.18 69.84
060035xx03xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 69 7.22 6.78 0.00 68.64
06007xxx9910xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 28 3.14 4.37 0.00 68.68
060050xx031xxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)等 手術・処置等1 あり 27 16.48 14.38 0.00 75.19
当科では炎症性腸疾患、肝疾患、内視鏡治療に重点を置き、診療を行っています。当科の炎症性腸疾患・受診者数は全国有数の規模であり、常に最新の治療を取り入れ、QOLを重視した質の高い外来診療を推進しています。これにより入院に至る症例が少ないこと、また入院した場合でも長期入院が少ないことが特徴です。肝疾患はウイルス肝炎のみならず、脂肪肝炎などの非ウイルス性肝疾患や肝硬変・肝がんを対象とした治療を積極的に行っています。肝がんの治療では病状に応じてラジオ波焼灼術・肝動脈化学塞栓術・全身薬物療法等、患者さん一人一人により適切な方法を選択し、治療を行っています。内視鏡はシングルバルーン内視鏡を駆使して小腸疾患の診断や狭窄拡張術・病変切除、止血術等を行っています。併せて上部・下部内視鏡を用いた消化管悪性腫瘍に対する内視鏡的切除(EMRやESD等)や胆膵疾患に対する精査治療を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 362 4.46 4.79 0.00 61.46
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 168 2.97 3.27 0.60 69.35
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 150 4.13 4.36 0.00 68.57
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 94 8.81 10.24 0.00 74.16
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 40 2.93 3.06 2.50 63.60
当科では心房細動を始めとした様々な不整脈に対するカテーテル治療を数多く行っており、高周波、冷凍凝固といった様々な手法を用いて、患者さんの病気の特徴に合わせたより適切な治療を提供しています。致死性不整脈に対する植込型除細動器や徐脈性不整脈に対するペースメーカーの植込みといったデバイス治療も数多く行っており、血管内にリードの留置を要さないペースメーカーや除細動器、重症心不全に対する両室ペーシングといった特殊なデバイス治療も扱っています。また、ペースメーカー植込み後感染症などのデバイスの抜去が必要となった患者さんには、リードの経皮的抜去も行っています。心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患に対するカテーテル検査、治療も積極的に行っており、高度の石灰化を伴う病変に対するエキシマレーザーや、ロータブレーター、ダイヤモンドバックといった特殊な機器を用いたカテーテルでの冠動脈治療も数多く行っています。いずれの分野においても、患者さんの病態や背景に合わせた、安全で最適な医療の提供を行っています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010170xx99x00x 基底核等の変性疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 31 10.84 14.19 0.00 65.19
010155xxxxx0xx 運動ニューロン疾患等 手術・処置等2 なし 31 15.52 13.83 6.45 62.90
010090xxxxx0xx 多発性硬化症 手術・処置等2 なし 31 12.58 14.19 0.00 50.42
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等2 4あり 29 13.52 16.11 6.90 47.79
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 23 10.26 17.86 4.35 67.22
当科では全身の筋力低下や筋萎縮の原因となる筋萎縮性側索硬化症をはじめとした運動ニューロン疾患、歩行障害や手足の震えの原因となるパーキンソン病や関連疾患、手足の筋力低下や視力障害の原因となる多発性硬化症および視神経脊髄炎スペクトラム障害、ギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発根神経炎といった免疫介在性の末梢神経障害、さらに意識障害や痙攣を来す急性脳炎などといった、神経難病(国の指定難病である疾患を含む)の診療に特に力をいれています。また、複数の診療科が連携した神経難病先端治療センターを設置することによって、外来診療から入院加療までトータルなケアを目指しています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 136 17.04 18.42 2.94 69.61
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 124 3.69 3.30 0.00 71.08
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 63 2.00 2.03 0.00 58.44
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 36 20.58 13.12 11.11 73.33
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 28 9.07 9.07 0.00 71.07
当院の呼吸器内科の診療実績は主に間質性肺炎、肺癌、睡眠時無呼吸症候群で構成されています。アレルギー性の間質性肺炎である過敏性肺炎については、当科で蓄積した基礎からトランスレーショナル研究の成果まで、専門的な検査を行い診断・治療を可能として多数の紹介を頂いています。また、難治性喘息などは、アレルギー疾患先端治療センターの一員として各科のアレルギー専門医と協力した体制を構築しています。肺癌診療においては、がんゲノム医療拠点病院としての特性を活かしてがんゲノム解析による個別化診療を薦めています。また標準治療が定まっていない間質性肺炎合併肺癌など、多くの併存疾患を有する悪性腫瘍の症例においても安全で質の高い治療を提供しています。睡眠時無呼吸症候群の診療においては当科、耳鼻咽喉科、精神科、歯科から構成される快眠センターを有して、多面的に睡眠障害の治療にあたっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 73 7.49 6.13 0.00 0.00
140010x197x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術あり 手術・処置等2 1あり 37 11.35 11.93 0.00 0.00
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 36 3.56 7.22 0.00 6.86
140010x197x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術あり 手術・処置等2 なし 23 7.61 7.78 0.00 0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 14 11.21 11.01 0.00 0.50
当科では7つの分野(血液・免疫・腫瘍、循環器、神経、内分泌・代謝、腎臓、膠原病、新生児)の専門医と、看護師、チャイルドライフスペシャリスト、病棟保育士などを含めたチームで、希少疾患に対する高度先進医療を中心に診療を行なっています。
新生児集中治療室では、周産・女性診療科や各専門領域とも連携しながら、超出生体重児から、正期産の病的新生児に至るまで、幅広い新生児医療を行なっています。
難治性てんかんのお子さんに対して内科的治療のほか、脳神経外科と協力して外科的治療も行っています。難治性疾患の脊髄性筋萎縮症に対するアンチセンス核酸医薬品・遺伝子治療を行なっています。
血液腫瘍や原発性免疫不全症のお子さんに対して造血幹細胞移植を多数行なっています。特に難治例の血液腫瘍に対し、遺伝子改変がん免疫療法「CAR-T細胞療法」を開始し、良好な成績を収めています。
また小児リウマチ性疾患・自己炎症性疾患を幅広く診療しています。サイトカインプロファイルなどの免疫学的評価に基づき、病勢・病態に応じた個別化医療(生物学的製剤、免疫抑制剤、血漿交換など)を行っています。
その他、内分泌・代謝疾患(先天性副腎過形成、性分化疾患、原因不明の疾患の遺伝学的診断)、循環器疾患(先天性心疾患手術、肺動脈性肺高血圧症)、腎疾患(難治性ネフローゼ症候群)に対して専門医による診療を行っています。
食道外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060010xx02xx0x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 内視鏡的食道粘膜切除術等 定義副傷病 なし 79 4.58 9.22 0.00 69.13
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 33 3.36 4.74 0.00 67.58
060010xx99x41x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 あり 26 14.15 14.83 0.00 64.19
060010xx99x30x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 23 10.35 15.55 0.00 67.78
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 20 7.50 9.09 0.00 70.40
当科が扱う疾患では食道がん、頭頸部表在がん、鼠径ヘルニアが主な治療対象です。頭頸部外科や口腔外科と連携してハイリスク患者さんの重点内視鏡スクリーニングを行い、食道、頭頸部の早期がんの発見に努めており、結果として食道がんの内視鏡治療および頭頸部がんの内視鏡手術が多くを占めています。食道がんの手術においては、これまでの開胸開腹手術に加えて、腹腔鏡や胸腔鏡、縦隔鏡を用いた低侵襲手術化を図り、最近ではロボット手術を導入し、条件によっては負担の軽い術式を選択できる環境を整えています。放射線治療後の救済手術や頸部食道がんの喉頭温存手術にも積極的に取り組んでいます。
胃外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 46 12.30 18.34 0.00 68.83
060020xx01xxxx 胃の悪性腫瘍 胃全摘術 悪性腫瘍手術等 22.62
060020xx99x5xx 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 5あり 6.78
060020xx03xxxx 胃の悪性腫瘍 試験開腹術等 12.17
060020xx99x4xx 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 5.63
当科で扱っている疾患は胃がんが中心ですが、胃粘膜下腫瘍(GISTなど)や胃・十二指腸潰瘍なども対象として扱っています。
手術による治療だけでなく、早期胃がんや良性腫瘍などを中心に、病気や進み具合に応じて内視鏡治療も積極的に取り入れています。
胃の手術には様々な術式がありますが、病状に合わせた適切な術式を選択しています。最も古くから日本で腹腔鏡下胃切除術を始めた施設であり、様々な術式を腹腔鏡下手術で行なう技術を有しています。ロボット手術も保険診療で行なうことが可能であり、現在、胃がん手術のほとんどはロボット手術で行なっています。また、正しい診断を行なうために、審査腹腔鏡手術を積極的に行なっていることも特徴の1つです。
2001年よりクリニカルパスを導入していること、手術合併症が少ないことなどから、術後在院日数が非常に短いことが特長で、全国でも有数の成績となっています。
安全確実な治療と早期の社会復帰を提供できるよう診療を行なっています。
大腸・肛門外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 45 9.31 15.76 0.00 73.62
060040xx02000x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 34 9.91 14.92 0.00 63.15
060040xx0210xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 23 13.13 23.28 0.00 65.48
060040xx03xx0x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 直腸腫瘍摘出術(ポリープ摘出を含む。)等 定義副傷病 なし 19 8.47 12.63 0.00 67.95
060040xx01xxxx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 骨盤内臓全摘術等 12 16.58 28.22 0.00 66.50
当科では大腸がん(結腸がん、直腸がん)を中心とする大腸悪性疾患、虫垂炎、憩室炎、腸閉塞などの良性疾患、また痔核や痔瘻などの肛門疾患を持つ患者さんの診療を担当しており、その中でも大腸がんに対する低侵襲手術も積極的に行っています。当科の特徴としては、直腸がんに対して全例でロボット支援下手術を行っていること、結腸がん/潰瘍性大腸炎に対しても腹腔鏡手術をほぼ全例で施行していること、DPC症例以外で結腸がんに対するロボット支援下手術も多数行っていることが挙げられます。2022年度からは結腸がんに対してもほぼ全例でロボット支援下手術を開始しています。また、これらの手術において、合併症が極めて少なく、早期の退院ができていることから術後在院日数が短いこと、直腸がんの肛門温存率が高いことが特徴です。安全、かつ確実に治療を行い、患者さんが早期に社会復帰できるよう日々の診療に取り組んでいます。
消化器化学療法外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx97x0xx 胃の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 14.66
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 4.54
060035xx99x0xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 8.04
060035xx99x7xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 7あり 4.72
060020xx99x6xx 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 5.54
当科では主に大腸がんと胃がんに対するがん薬物療法を行なっています。大腸がん、胃がんで使用する治療レジメンは外来化学療法・注射センターでの通院治療が可能です。一部のレジメンでは中心静脈ポートの造設後に抗がん剤の持続投与を有するものがあり、その場合は初回のみ入院治療を行なっています。ご高齢や既存症のため、慎重な経過観察を要する患者さんも入院治療を行う場合があります。一方でがん救急、副作用、またがん終末期で緩和治療を受ける患者さんについては、症状安定まで入院が長くなる傾向があります。がん随伴症状で苦しんでおられる患者さんには緩和ケア科と連携して症状軽減とQOL向上に努めています。
肝胆膵外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
06007xxx010x0x 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術 血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 60 22.95 24.86 1.67 64.13
06007xxx9910xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 48 3.27 4.37 0.00 70.29
060050xx02xxxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 30 11.97 14.93 0.00 64.27
06007xxx9905xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 5あり 23 5.78 8.03 0.00 73.26
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 6.68 7.11 0.00 61.53
当科では日本肝胆膵外科学会から認定された高度技能指導医、専門医を中心に高度先進的な医療に取り組んでいます。COVID-19の影響から徐々に回復基調にあり、全体の手術数は2020年に比べて増加しました。肝胆膵領域の悪性疾患は進行した状態で発見されることも多いのですが、化学療法や放射線療法も含めた集学的な治療を行うことにより、これまで手術が不可能であった患者さんへも手術の可能性を探っていく先進的な治療や、負担の少ない腹腔鏡手術、ロボット手術も積極的に行っています。手術適応でない場合も、複数科と連携して新規化学療法や遺伝子診断、放射線治療を導入し、病状に最適な治療を提供しています。また神経内分泌腫瘍外来を併設しており、全国から多数の方が受診されています。良性疾患である胆のう結石症や肝嚢胞に対しての腹腔鏡手術なども、合併症が少なく体への負担も少ない治療を数多く行っています。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 73 10.49 10.15 0.00 61.52
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 33 4.97 5.88 0.00 60.42
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり 4.10
090010xx011xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 あり 15.31
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 手術・処置等2 2あり 20.77
当科は主に乳がん治療に携わります。乳がん治療において、入院を要する治療は主に手術です。術式は、乳房切除、乳房部分切除、乳房切除+乳房再建があります。術式については、放射線診断科、放射線治療科、形成外科、病理診断科と合同カンファレンスを行い、決定しています。
また進行再発乳がんに対しても、化学療法や内分泌治療、放射線治療を組み合わせた集学的治療を行い、より良いQOLを目指します。遺伝性乳がん卵巣がん症候群に対しても、女性科と遺伝子診療科と診療にあたっています。
末梢血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 70 5.56 5.32 2.86 74.71
050170xx03001x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり 26 11.73 9.61 7.69 73.15
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし 23 10.43 11.06 0.00 77.57
100310xx97xxxx 腎血管性高血圧症 手術あり 6.39
050163xx9900xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 8.06
当科の対象疾患である下肢閉塞性動脈硬化症は本邦において年々増加傾向にあり、当科でも同様の傾向にあります。下肢閉塞性動脈硬化症は全身の動脈硬化症の一部であり、この病気を持つ患者さんは、脳・心臓等、他の部位での動脈硬化症の合併も多いため、治療においては全身的な管理、治療が必要となります。そのため、より体に負担の少ない治療、低侵襲治療が望ましく、当科でも体に負担の少ない治療(カテーテル治療=足の付け根から細い医療用器具を血管内に進めて目標の血管を治療する方法)を積極的に行っています。一方で、この治療だけでは不十分である患者さんに対しては、従来通りのバイパス手術を含めた外科的治療を行います。
また本邦での高齢化に伴い、動脈が膨らむ病気、すなわち胸部・腹部大動脈瘤・腸骨動脈瘤も多くみられるようになりました。この治療に対しても従来は外科的治療が主流でしたが、先にも述べたように高齢の患者さんに対してはより負担の少ない治療としてカテーテル治療(ステントグラフト内挿術)を行っています。動脈瘤の治療は、患者さんの状態に応じた適切な治療方法を選択しており、手術前の十分な全身状態の評価を行い、耐術能がある患者さんに対しては開腹手術を、耐術能の乏しい患者さんに対してはステントグラフト内挿術を行っています。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 15 1.13 2.78 0.00 3.73
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 2.99
060170xx02xxxx 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 7.84
060170xx97xxxx 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア その他の手術あり 12.71
100290xxxxxxxx グルコース調節・膵内分泌障害、その他の内分泌疾患 5.65
開設後6年が経過し、スタッフ数、診療実績共に充実してきました。新生児手術も安全に行えており、合併症率が非常に少ないことが当科の特徴です。腹腔鏡下手術も併用しながら、それぞれの患児さんに最適な術式を選択し、低侵襲で創が目立たない手術を第一に考えています。小児での疾患数が多い、鼠径ヘルニア・停留精巣・臍ヘルニア等は、「日帰り」での入院・手術を安全に行っています。当院は小回りが利く組織であることを活かして、小児科をはじめ、麻酔科、周産期科、整形外科など小児関係科が密接に連携しながら患者背景に合わせたオーダーメイド的な治療を適切に選択しています。そのため合併症の少ない安全な治療を行うことが可能となっています。最近は、新生児手術、小児がんに対する手術も増加しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 120 16.96 20.63 17.50 64.11
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 82 9.65 13.52 2.44 32.56
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 81 19.48 23.02 55.56 73.73
070230xx02xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 骨穿孔術等 63 15.95 26.48 58.73 60.24
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2 なし 52 19.25 20.31 26.92 68.63
加齢による変化や外傷によって生じる全身の運動器障害は健康寿命を短縮させ、日常生活の質や生活動作に強く影響を及ぼします。当科ではそれぞれの運動器疾患に専門領域の医師がきめ細かい診断と治療を行っています。脊椎に生じる靭帯骨化症や脊柱管狭窄症に対しては、適切な術式選択を行ったのち、除圧術や固定術を行っています。また変形脊椎に対しても術前に十分な検査を行ったのちに、矯正固定術を積極的に行っています。
高齢化社会に伴って増加する下肢の変性疾患である変形性膝関節症と変形性股関節症に対しては、早期に日常生活動作と除痛を獲得できるように、人工関節置換術を行い、良好な治療成績を得ています。また、若年者や比較的変性の程度が軽い方に対しては、関節温存手術である骨切り手術を行っています。さらにスポーツによる肩・膝関節の障害に対しての治療も得意としており、多くのスポーツ選手の手術を行い、競技復帰をサポートしています。
運動器疾患の幅広いニーズに対して、高い治療レベルで応えていく。それが我々東京医科歯科大学整形外科学・運動器外科学です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010010xx02x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 35 22.14 20.79 11.43 56.97
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 21 15.24 9.78 23.81 74.95
010070xx9910xx 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 17 4.06 3.22 0.00 33.47
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 16 5.88 7.22 0.00 37.00
010070xx01x0xx 脳血管障害 脳血管内手術等 手術・処置等2 なし 12 15.25 13.73 0.00 24.17
当科では脳・脊髄神経の外科的治療を要する疾患全般を対象に高度な医療を提供しています。疾患の種類は、脳腫瘍、てんかん、頭部外傷、脳血管障害など多岐にわたり、最も患者数が多かった疾患は脳腫瘍でした。特に近年では神経膠腫や髄膜腫といった開頭手術で摘出する脳腫瘍だけでなく、経鼻的に内視鏡を使用して執刀する下垂体腫瘍の症例が増えています。脳血管障害の症例も増加していますが、これは血管内治療科、脳神経内科、救急科とも連携して超急性期脳梗塞の血栓回収療法などの体制を整えているためです。
次に患者数の多い疾患はてんかんでした。これは当院がてんかんセンターを有していることが大きな要因です。小児科、脳神経内科、精神科、救急科と連携をとって包括的なてんかんの診療にあたり、脳神経外科では必要に応じて手術治療も担っています。
血管内治療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 90 2.38 2.99 0.00 62.21
010030xx03x0xx 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2 なし 41 8.34 9.35 0.00 61.59
010070xx9910xx 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 27 2.04 3.22 0.00 70.15
010070xx02x0xx 脳血管障害 経皮的頸動脈ステント留置術 手術・処置等2 なし 15 10.13 9.23 6.67 75.33
010020x099x0xx くも膜下出血、破裂脳動脈瘤(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 8.46
当科の診断群分類別患者数で最も多いのは、未破裂脳動脈瘤に対する脳血管造影撮影検査です。未破裂脳動脈瘤の術前に詳細な評価を行い、脳神経外科との連携のもと最善の治療法を提案しています。その中で脳血管内治療(コイル塞栓術)が適していると判断した症例に対して治療を行っています。特にPIPELINEなどのフローダイバーターステントを使用した巨大脳動脈瘤の治療件数は増加しています。頸動脈ステント留置術などの虚血性疾患(脳梗塞など)の治療も積極的に行っています。その他、脳卒中センターのカンファレンスにおいて診断や治療方針の決定が困難な症例に対しても連携をとりながら数多くの脳血管撮影を行っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 1あり 11 11.73 15.18 9.09 76.55
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 21.93
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1 1,2あり 手術・処置等2 1あり 26.82
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし 11.06
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等2 1あり 28.08
当科では狭心症、心筋梗塞、弁膜症、胸部大動脈瘤、先天性心疾患、そして重症心不全に対する外科診療を行っています。大学病院の特徴として、狭心症では重症三枝病変といった重症例、弁膜症では三つの弁に病変が広がっている症例など積極的に受け入れています。また、狭心症と弁膜症、狭心症と大動脈瘤、若しくは弁膜症と大動脈瘤のような複合疾患も数多く受け入れ、最善の医療を提供するために同時に複合的な手術をすることも多くあります。補助人工心臓治療では弁膜症を合併している症例が多く、積極的に治療を行っています。狭心症のみや弁膜症のみの症例では低侵襲手術を行い、ニーズに合わせた質の高い外科診療を提供しています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 180 10.53 10.47 1.11 70.56
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 14 7.86 9.86 0.00 29.71
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 10 8.20 9.26 0.00 65.50
040020xx97xxxx 縦隔の良性腫瘍 手術あり 7.90
040050xx97x0xx 胸壁腫瘍、胸膜腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 12.44
わが国のがん死亡原因の1位は肺がんです。当科では最大対象疾患として肺がんの外科治療を積極的に行なっています。原発性肺がんに対して治癒を目指す外科治療を提供します。早期肺がんに対しては低侵襲の完全鏡視下手術(胸腔鏡またはロボット支援)で早期回復早期退院を目指します。局所進展肺がんに対して隣接臓器合併切除の拡大手術を行います。予後の悪い局所進行肺がんに対して術前化学療法、放射線療法ののちに完全切除を目指す集学的治療を行います。気胸や低悪性度の縦隔腫瘍に対して低侵襲な鏡視下手術(胸腔鏡またはロボット支援)を行います。難治性の縦隔悪性腫瘍や悪性胸膜中皮腫に対して外科的完全切除や胸膜全摘除術に化学療法や放射線療法を加える集学的治療を行います。いずれの外科治療においても在院期間の短縮に努めています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 147 2.91 2.50 0.00 71.59
110070xx99x20x 膀胱腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 96 8.91 9.65 0.00 67.03
110070xx02xxxx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算 94 6.41 7.05 0.00 69.52
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 56 11.91 11.63 0.00 69.07
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 50 7.22 7.02 0.00 74.56
当科では泌尿器がんに対する診療に最も力を入れています。前立腺がんに対しては、最新のMRI/超音波融合生検により、診断率を向上させるだけではなく、個々の患者さんのがんのリスク評価を高い精度で行っています。リスク分類や患者さんの状態に基づき、積極的監視療法、密封小線源療法による前立腺部分治療、IMRTによる放射線治療、あるいは手術(主にロボット支援前立腺全摘除)などを適切に選択しています。筋層非浸潤性膀胱がんに対しては、再発、進展を予測する新しいモデルを開発し、適切な診療方針決定に役立てています。また、アラグリオによる光線力学診断(PDD)を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術を行っています。筋層浸潤性膀胱がんに対して膀胱温存と生存率向上の両者を目的に、ミニマム創内視鏡下膀胱部分切除もしくはロボット支援膀胱全摘除を組み込んだ集学的治療を開発、実践しています。腎がんに対してはロボット支援腎部分切除、ミニマム創内視鏡下無阻血腎部分切除の両者を行い、安全性、低侵襲性および、機能温存性を達成しています。最近はロボット支援根治的腎摘除も開始し腎がん手術の低侵襲化を進めています。
周産・女性診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 86 5.93 6.04 0.00 42.74
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 60 2.73 4.34 0.00 62.30
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 7あり 定義副傷病 なし 43 1.93 4.08 0.00 65.67
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2 なし 40 2.80 3.05 0.00 41.48
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 33 5.91 6.11 0.00 40.00
当科は新生児集中治療室を備えた地域周産期母子医療センターを担っており、正常分娩のみではなく、妊娠27週以降の症例や緊急性の高い母体搬送も受け入れています。母体合併症や胎児異常を有するハイリスク症例では、様々な診療科と連携をとりながら妊娠・分娩管理を行っています。また2020年度より無痛分娩を行っており、基礎疾患などにより無痛分娩の適応のある患者さんだけではなく、患者さんの希望に応じて無痛分娩を提供しています。
良性疾患に対しては患者さんの負担がより少ない腹腔鏡手術を主に行っています。開腹を必要とする良性疾患、悪性疾患の手術も積極的に行っており、初期の子宮体がんに対してはロボット支援下手術を導入し、患者さんの負担軽減に取り組んでいます。悪性疾患に対する化学療法や放射線療法も数多く行っています。不妊の原因となるような子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどに対する子宮鏡手術、また高度生殖補助医療(体外受精・顕微授精)、妊娠後の健診や分娩管理を同一施設で一貫して行い、患者さんの負担の少ないスムーズな治療を提供しています。乳がんや造血器悪性腫瘍などのために妊孕性温存を希望される方に対しては、卵子凍結、胚凍結を積極的に行っています。また、中高年女性の健康管理を専門とする外来を設け、多様な健康問題に対してQOLを主眼とした治療・健康管理を行っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080220xx99xxxx エクリン汗腺の障害、アポクリン汗腺の障害 手術なし 208 3.23 3.51 0.00 33.72
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 40 3.65 3.70 0.00 52.40
080080xxxxxx0x 痒疹、蕁麻疹 定義副傷病 なし 34 2.38 4.78 0.00 28.62
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 25 6.16 7.68 0.00 70.32
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 22 3.50 4.01 0.00 57.86
当科ではアレルギー先端治療センターを担っており、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹といったアレルギー疾患の治療、また入院管理下での食物や薬剤アレルギーの原因同定検査(プリックテスト、皮内テスト、負荷テスト)を専門的に行っています。また、皮膚の自己免疫疾患である水疱症を中心に、多種多様な免疫疾患にも積極的に対応しています。発汗異常外来も開設していることから、厚生労働省指定難病の一つである特発性後天性無汗症の診断・治療のための入院は当科の特色であり、全国有数の患者数となっています。                                                        さらに、腫瘍専門外来においては、皮膚の良性腫瘍、悪性腫瘍に対して、診断から手術、化学療法、また特に悪性黒色腫に対するがん免疫療法と幅広い診療を行っております。そのほかの皮膚癌においても、がんゲノム診療科と協力し、先進医療に指定される網羅的がん遺伝子検査を行い、治療薬の最適候補探索の試みも行っています。
形成・美容外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 41 6.07 6.37 0.00 52.93
090040xx97xxxx 乳房の形態異常、女性化乳房、乳腺症など その他の手術あり 31 4.68 4.55 0.00 36.97
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 27 2.67 2.94 0.00 69.59
090010xx04xxxx 乳房の悪性腫瘍 組織拡張器による再建手術(一連につき) 乳房(再建手術)の場合等 24 7.42 8.10 0.00 49.46
080180xx99xxxx 母斑、母斑症 手術なし 16 2.88 4.17 0.00 1.75
当科では自科単独で行う治療とともに、他科と連携して行う治療も重要な比重を占めます。当学の外科系各科のアクティビティーの高さを反映し、頭頸部がん・乳がんなど腫瘍切除後の再建手術、その後の二次再建手術の症例数が多いのが特徴です。
乳房再建・頭頸部再建は20年以上の実績があり、遊離皮弁移植のほか、脂肪注入・刺青などのタッチアップ手術なども含めた一貫した治療が可能です。頭頸部再建では他院で扱えない多くの難症例を手掛けています。
顔面の変形では、眼瞼下垂をはじめ、眼瞼痙攣および顔面神経麻痺の再建を行っています。顔面神経麻痺では静的だけでなく動的再建、ボツリヌス療法も行い自然な笑顔を取り戻します。顔面外傷の症例も多く、顔面骨骨折や軟部組織損傷の治療にも積極的に携わっています。
腫瘍性疾患としては、母斑・血管腫などに対するレーザー治療、良性腫瘍の整容的な切除のほか、皮膚科と連携した皮膚悪性腫瘍の外科的治療も数多く行っています。
形成外科では体表の整容性と良好な機能を追求し、患者さんのQOL向上に寄与しています。
2022年4月より形成・美容外科に加えて再建形成外科が発足し、2診療科体制となりました。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 673 2.62 2.71 0.00 70.56
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 片眼 155 4.03 5.41 0.00 67.45
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 63 6.11 6.14 0.00 69.35
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 50 8.28 8.48 0.00 61.00
020220xx01xxx0 緑内障 緑内障手術 濾過手術 片眼 48 8.85 9.47 0.00 66.50
白内障、水晶体の疾患に対する手術は、主にいわゆる白内障手術を指します。当院では眼合併症や全身合併症を有する患者さんが多く、近視、ぶどう膜炎、緑内障、網膜外来など難治性疾患に力を入れており、入院での加療を原則としています。
緑内障手術は眼圧下降を目的とした手術で、濾過手術は緑内障に対する手術加療として最も多く用いられる術式です。眼内法による流出路再建術は、短時間の手術で良好な手術成績を収めており、術後の入院期間も短縮することができています。他の眼科疾患に引き続いて起こる続発緑内障に対する手術が多いことも特徴です。
網膜剥離手術には、硝子体手術、強膜バックリング手術のいずれかまたは両者が行われます。極小切開創による硝子体手術を行なっており、入院期間をより短くできています。黄斑、後極変性手術は、主に網膜前膜や黄斑円孔を対象として行われる手術で、強度近視やぶどう膜炎といった眼疾患に合併する病態にも多数例の手術を行なっています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
03001xxx0100xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 91 9.10 13.07 0.00 62.03
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 71 4.41 7.09 0.00 50.20
03001xxx99x30x 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 64 7.80 22.84 0.00 58.39
03001xxx97x0xx 頭頸部悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 39 8.92 10.69 7.69 63.44
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 32 6.44 7.03 0.00 53.59
当院はあらゆる頭頸部がん治療を行うことが可能です。特に他院で治療が難しいとされる頭蓋底腫瘍や外耳道がんについては国内屈指の手術数を誇っています。局所進行がんの手術では形成外科や脳神経外科と連携して同時再建手術を行っています。咽喉頭の表在がんに対しては鏡視下の咽頭悪性腫瘍手術(ELPS)を食道外科と合同で行っています。鼻副鼻腔がんに対しては一般的な頭蓋底手術より、低侵襲な経鼻内視鏡頭蓋底手術を積極的に行っています。一方、手術による機能低下が著しい場合は化学放射線療法による治療を行っています。本治療では肺炎や脱水による緊急入院が問題になりますが、当院では一時的な胃瘻を作成することでこれを予防しています。耳科手術においては冒頭で述べた外耳道がんの他にも、側頭骨腫瘍や頸静脈孔腫瘍など難易度の高い頭蓋底手術を多数施行しています。また慢性中耳炎などに対する中耳炎手術、人工内耳やめまい手術などの内耳手術も積極的に行っています。近年では顕微鏡に代わり4Kの外視鏡や内視鏡を用いた、より低侵襲な手術を行っています。高難易度手術においては術中CTによる高精度ナビゲーションを導入して安全性を担保しています。
放射線治療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
03001xxx99x2xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 47 7.00 30.79 0.00 74.72
12002xxx99x2xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 14.35
03001xxx99x0xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 12.14
090010xx99x2xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 28.20
03001xxx97x2xx 頭頸部悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 2あり 47.31
当科は小線源治療の専用病室を有し、舌がんをはじめとした早期の口腔がん・中咽頭がんに対する低線量率密封小線源治療を行っています。局所麻酔で可能な体への負担が少ない治療ですが、周囲の方への被ばくを避けるために数日から1週間程度の入院が必要となります。頭頸部外科や当院歯学部など関係する各科と連携して治療にあたっています。
子宮がん患者で他院にて外部照射のみ実施され、小線源治療(腔内照射)目的で紹介いただいた場合に入院の上、鎮痛・鎮静薬を用いて実施しています。
乳がん温存術後の放射線治療の副作用を軽減しつつ短期間で終わらせるために、SAVIアプリケーターという器具を用いて、入院の上、5日間で照射を終了する小線源治療を行っています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 2.73 3.70 9.09 27.64
060370xx9711xx 腹膜炎、腹腔内膿瘍(女性器臓器を除く。) 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 1あり 39.14
060210xx9700xx ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術あり 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 14.15
060370xx9701xx 腹膜炎、腹腔内膿瘍(女性器臓器を除く。) 手術あり 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 36.50
060370xx9700xx 腹膜炎、腹腔内膿瘍(女性器臓器を除く。) 手術あり 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 19.23
当院は令和2年より新型コロナウイルス感染症の国内流行当初より重症・中等症患者さんの受け入れを行っています。当科はその中でも人工呼吸器やECMOによる治療を要する重症患者さんを担当しています。都内で病床が逼迫しているなか、我々救命救急センターでは他院で対応が困難な症例を積極的に受け入れています。全身管理と共に精神科的な介入を要する薬物中毒症例、緊急を要する手術症例が割合として多いですが、その他、重症敗血症や脳血管障害など幅広い重症疾患の受け入れを行っています。当院では救急搬送された患者さんについて他科と連携をとりつつ、初期対応から手術、その後の全身管理まで同一の診療科で行う事により、患者利益につながる一貫した管理を行っていることが特徴です。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 119 16 18 15 17 1 8
大腸癌 70 16 73 40 16 34 1 8
乳癌 59 48 11 19 1 8
肺癌 133 31 55 84 38 73 1 8
肝癌 23 11 67 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
がんのうち患者数の多い上記5つの癌について、がんの進行度であるUICC※2病期分類という国際分類別に集計したものです。
当院はがん診療連携拠点病院※3に指定されており、専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、がん患者・家族に対する相談支援及び情報提供等を行っています。 当院ではがんゲノム医療拠点病院に指定されており、「がんゲノム診療科」を設立し、標準治療で進行または進行見込みの患者さんに対して、遺伝子変異を調べ、変異に基づいた治療を提供しています。2021年8月より血液からがんゲノム解析を行うリキッドバイオプシーも保険診療でできるようになり、当院でも2017年から臨床研究として行っているリキッドバイオプシーの経験を活かし、患者さんに提供をしています。保険診療での診断、治療の他にも、最先端の診断法、治療法の研究も行っています。その他にも緩和ケアの導入も含めた緩和医療の提供のために、緩和ケア部門が設立され、機能充実を図っています。

※UICC:1933年に設立された、世界的な広がりを持つ民間の対がん組織連合で、ジュネーブに本部を置き、現在は世界の155カ国から800団体が参加しています。
※2 UICC TNM分類:がんの進行度を一定の基準を設けて分類したものです。
  T=腫瘍、N=リンパ節、M=転移という意味で、腫瘍の大きさ、リンパ節にどれくらい転移しているか、他の臓器や組織に転移しているかという3つのカテゴリーからStage分類しています。

※3 がん診療連携拠点病院:全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、全国にがん診療連携拠点病院を408箇所(都道府県がん診療連携拠点病院51箇所、地域がん診療連携拠点病院(高度型)55箇所、地域がん診療連携拠点病院293箇所、地域がん診療連携拠点病院(特例型)6箇所、特定領域がん診療連携拠点病院1箇所、国立がん研究センター2箇所)、地域がん診療病院を45箇所、指定しています。(令和4年4月1日現在)
小児・AYA世代の患者についても、全人的な質の高いがん医療及び支援を受けることができるよう、全国に小児がん拠点病院を15箇所、小児がん中央機関を2箇所指定しています。(令和2年4月1日現在)
さらに、ゲノム医療を必要とするがん患者が、全国どこにいても、がんゲノム医療を受けられる体制を構築するため、全国にがんゲノム医療中核拠点病院を12箇所、がんゲノム医療拠点病院を33箇所指定し、がんゲノム医療連携病院を188箇所公表しています。(令和4年9月1日現在)
これらの医療機関においては、専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、がん患者・家族に対する相談支援及び情報提供等を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 42 14.17 75.90
重症
超重症
不明
市中肺炎とは病院外で日常生活をしていた人が発症する肺炎です。市中肺炎は次の様に定義されます。
・90日以内に入院歴がない。
・療養病床に入院しておらず、介護施設に入所していない。
・介護を必要とする高齢者、身体障害者でない。
・継続的な血管内治療(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制薬など)を受けていない。

重症度はこの病気で一般的に用いられているA-DROPスコアを使用します。年齢(Age)、脱水(Dehydration)、呼吸(Respiration)、意識(Orientation)、血圧(Pressure)の5つを点数化して病気の重症度を評価します。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 58 15.60 72.07 21.84%
その他 29 14.62 71.76 11.49%
脳梗塞とは脳を栄養する動脈が閉塞して起こる疾患です。閉塞した動脈により、麻痺や言語障害、認知機能障害、意識障害など多彩な 障害が出現し多くの後遺症が残ります。閉塞した血管をできるだけ早く再開通させることで、後遺症を取り除いたり、軽くしたりすることができるため、当院では脳血管障害に対して迅速に対応できる診療体制のもと、境界領域の困難な症例に対しても、複数の診療科が協力して積極的な治療を行っています。
一般的な脳梗塞の他に、もやもや病など特殊な脳血管疾患の治療も行っています。脳卒中地域連携パスを使用し、近隣のリハビリテーション病院や他病院と患者さんの情報を共有することで、よりスムーズにリハビリテーションや退院後の治療が提供できるようにしています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K921-3 末梢血単核球採取 11 10.55 9.36 0.00 62.64
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) 11 5.00 1.64 0.00 54.18
K922-2 CAR発現生T細胞投与
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他)
K6262 リンパ節摘出術(長径3cm以上) 等
当科では特定機能病院として悪性リンパ腫、急性白血病、多発性骨髄腫といった造血器悪性腫瘍を中心とし、再生不良性貧血、溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、凝固異常症などの疾患についてもバランスよく診療しています。多発性骨髄腫や難治性悪性リンパ腫に対しては、若年者であれば積極的に自家末梢血幹細胞移植を施行し、急性白血病に対しては同種造血細胞移植を施行しています。関東でも数少ないCAR-T細胞療法認定施設であり、輸血・細胞治療センターと協力してリンパ球採取、CAR-T細胞療法を行なっています。時として診断が困難な造血器腫瘍においても各科と連携しつつ生検など検査を行い、速やかな治療につなげています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 等 45 5.40 9.80 2.22 70.16
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 等 28 0.14 0.82 0.00 71.04
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1の実施後3月以内に実施する場合 等
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術
K607-3 上腕動脈表在化法
当科では保存期慢性腎臓病(CKD)や透析患者さんの合併症管理にとどまらず、シャント作成・修復手術や腹膜透析用カテーテル挿入手術に至るまで、我々腎臓内科医が包括的に治療を行っています。一部手術困難なケースは末梢血管外科と協力して治療を行うこともあります。
透析導入後のシャントトラブルについては随時近隣の透析クリニックからの相談を受けていることに加え、「透析合併症外来」にて私達自身がシャントエコー検査を実施し、トラブルの早期発見と対応に努めています。当科では患者さんやスタッフに放射線被ばくのない超音波ガイド下シャントPTA(経皮的血管拡張術)を採用しています。腹膜透析導入に関しても積極的に実施しており、今年度は昨年度の2倍以上の手術件数となりました。
総合診療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方又は後側方固定
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 等
K714 腸管癒着症手術
K0461 骨折観血的手術(上腕)
K0271 筋炎手術(殿筋)
当科では感染症など急性期内科疾患から悪性腫瘍の終末期に至るまで、特定の臓器に偏らない幅広い領域の疾患群に対応しています。複数の疾患を合併する症例に対しては院内の他の専門診療科と連携して、疾患の状況に応じて慎重に治療や処置の適応を協議しながら、質の高い高度急性期医療を提供します。また、超高齢化社会のニーズに合わせ、総合診療科と外科系診療科が連携し、高齢者や合併症が多い状態で手術を必要とする患者さんに対して、周術期管理や環境調整にも携わっています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 等 103 0.42 1.32 0.00 67.42
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 87 0.99 5.23 0.00 67.91
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 等 84 1.00 5.69 1.19 69.73
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) 2センチメートル以内のもの その他のもの 等 33 7.03 7.91 0.00 73.36
K735-2 小腸・結腸狭窄部拡張術(内視鏡によるもの) 等 27 1.26 3.15 0.00 47.30
当科では炎症性腸疾患、肝疾患、内視鏡治療に重点を置き、診療を行っています。当科の炎症性腸疾患・受診者数は全国有数の規模であり、常に最新の治療を取り入れ、QOLを重視した質の高い外来診療を推進しています。これにより入院に至る症例が少ないこと、また入院した場合でも長期入院が少ないことが特徴です。肝疾患はウイルス肝炎のみならず、脂肪肝炎などの非ウイルス性肝疾患や肝硬変・肝がんを対象とした治療を積極的に行っています。肝がんの治療では病状に応じてラジオ波焼灼術・肝動脈化学塞栓術・全身薬物療法等、患者さん一人一人により適切な方法を選択し、治療を行っています。内視鏡はシングルバルーン内視鏡を駆使して小腸疾患の診断や狭窄拡張術、病変切除、止血術等を行っています。併せて上部・下部内視鏡を用いた消化管悪性腫瘍に対する内視鏡的切除(EMRやESD等)や胆膵疾患に対する精査治療を行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 等 279 1.52 3.21 0.00 64.48
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 等 106 1.04 2.25 0.00 68.47
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 等 93 1.27 2.40 0.00 52.26
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 等 40 5.30 6.43 5.00 76.68
K599-51 経静脈電極抜去術(レーザーシースを用いる) 34 7.53 11.12 47.06 77.44
当科では心房細動を始めとした様々な不整脈に対するカテーテル治療を数多く行っており、高周波、冷凍凝固といった様々な手法を用いて、患者さんの病気の特徴に合わせたより適切な治療を提供しています。致死性不整脈に対する植込型除細動器や徐脈性不整脈に対するペースメーカーの植込みといったデバイス治療も数多く行っており、血管内にリードの留置を要さないペースメーカーや除細動器、重症心不全に対する両室ペーシングといった特殊なデバイス治療も扱っています。また、ペースメーカー植込後感染症などのデバイスの抜去が必要となった患者さんには、リードの経皮的抜去も行っています。心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患に対するカテーテル検査、治療も積極的に行っており、高度の石灰化を伴う病変に対するエキシマレーザーや、ロータブレーター、ダイヤモンドバックといった特殊な機器を用いたカテーテルでの冠動脈治療も数多く行っています。いずれの分野においても、患者さんの病態や背景に合わせた、安全で最適な医療の提供を行っています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの 等 65 0.00 10.26 0.00 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの 等 18 0.00 54.78 5.56 0.00
K5741 心房中隔欠損閉鎖術 単独のもの 等
K5761 心室中隔欠損閉鎖術 単独のもの 等
K6262 リンパ節摘出術(長径3cm以上) 等
当院は東京都地域周産期母子医療センターに指定されており、周産・女性診療科と連携し、胎児の状態に応じて迅速な帝王切開術の決定を行います。出生されたお子さんには、新生児集中治療室医師立会いの下、重症度に対応した蘇生術を行なっています。
また、心室中隔欠損をはじめとする先天性心疾患の手術(新生児期に行う姑息手術(肺動脈絞扼術、Blalock-Taussig短絡手術)、重症の房室弁逆流に対する弁形成術を含む)という高度先進医療を行なっています。
血液腫瘍・原発性免疫不全および小児リウマチ性疾患・自己炎症性疾患といった希少疾患を幅広く診療している施設でもあり、必要に応じて診断確定のためにリンパ節生検を施行しています。
食道外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K526-22 内視鏡的食道粘膜切除術 早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術 等 73 0.12 3.26 0.00 67.89
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 24 1.04 1.50 0.00 65.00
K374-2 鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む) 15 1.00 3.80 0.00 64.93
K529-21 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術 頸部、胸部、腹部の操作によるもの 等 12 7.33 49.00 16.67 64.92
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア
当科が扱う疾患では食道がん、頭頸部表在がん、鼠径ヘルニアが主な治療対象です。頭頸部外科や口腔外科と連携してハイリスク患者さんの重点内視鏡スクリーニングを行い、食道、頭頸部の早期がんの発見に努めており、結果として食道がんの内視鏡治療および頭頸部がんの内視鏡手術が多くを占めています。食道がんの手術においては、これまでの開胸開腹手術に加えて、腹腔鏡や胸腔鏡、縦隔鏡を用いた低侵襲手術化を図り、最近ではロボット手術を導入し、条件によっては負担の軽い術式を選択できる環境を整えています。放射線治療後の救済手術や頸部食道がんの喉頭温存手術にも積極的に取り組んでいます。昨年度(2021年度)はCOVID-19の影響もあり、症例数は減少しましたが,今年度(2022年度)は診療体制を刷新したこともあり、従来の手術数へ回復しています。
胃外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術)(内視鏡手術用支援機器使用) 等 30 1.13 8.77 0.00 68.13
K655-52 腹腔鏡下噴門側胃切除術(悪性腫瘍切除術・手術用支援機器使用) 等
K657-22 腹腔鏡下胃全摘術(悪性腫瘍手術)(内視鏡手術用支援機器使用)
K654-32 腹腔鏡下胃局所切除術(その他)
K636-3 腹腔鏡下試験開腹術
当科では胃がんを中心に胃粘膜下腫瘍(GISTなど)、胃・十二指腸潰瘍など胃の疾患を扱っています。
手術による治療が主で、病状に合わせた適切な術式を選択し、それぞれの患者さんに最適な治療を提供しています。
腹腔鏡下手術に関しては、日本で最も古くから取り組んできた施設の1つであり、多くの経験を活かして病期に合わせた術式を選択しています。また、ロボット手術も積極的に導入しています。
2001年よりクリニカルパスを導入していること、手術合併症が少ないことなどから術後在院日数が非常に短いことが特長で、全国でも有数の成績となっています。
大腸・肛門外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術・手術用支援機器使用) 等 53 2.17 8.30 0.00 63.47
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 46 2.15 6.39 0.00 73.46
K7322ロ 人工肛門閉鎖術(腸管切除を伴うもの)(その他) 等 30 1.23 6.70 0.00 61.40
K7462 痔瘻根治手術 複雑なもの 等 15 1.00 1.33 0.00 33.53
K740-23 腹腔鏡下直腸切除・切断術(切断術)(内視鏡手術用支援機器使用) 等
当科では小腸、大腸、肛門の良性疾患から悪性疾患まで多彩な手術治療を担当しており、2021年度は330件を超える手術件数を実施しました(National Clinical Databaseへの登録件数)。大腸がんの手術は約150件で、そのうち、直腸がんに対しては全例でロボット支援下手術を導入しており、結腸がんに対してもほぼ全例で腹腔鏡下手術を行っています。また、DPC症例以外で結腸がんに対するロボット支援下手術も積極的に行っており、2022年度からは、結腸がんに対してもほぼ全例でロボット支援下手術を行っています。低侵襲手術を積極的に取り入れて、安全に手術を行っており、その結果、術後合併症の低減と術後の早期退院を達成しています(平均術後日数参照)。その他、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)に対する手術も多く行っており、侵襲の少ない手術を目指し、ほぼ全例で腹腔鏡下手術を施行しています。また、大腸ポリープ(腺腫などの良性腫瘍、早期大腸がん)に対する内視鏡治療も行っています。
消化器化学療法外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 14 1.14 12.14 0.00 63.57
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他)
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法
K637-2 経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術
当科の医師はがん薬物療法を担当しており、外科的処置やIVRなどは外科、消化器内科、泌尿器科などの専門の診療科と連携し治療を行っています。具体的には、化学療法導入目的、緩和治療のために中心静脈ポート造設、腎後性腎不全に対する尿管ステント留置や腎瘻造設、そのほか、胸・腹水に対する体外ドレナージ、閉塞性黄疸に対する体外ドレナージ、内瘻ステント留置、また外科的処置の適応外のイレウスに対する腸管ステント留置などがあります。化学療法導入のための処置以外は、患者さんの状態不良のことがほとんどであり、過度な侵襲が加わらないように配慮し、症状緩和にも努めています。
肝胆膵外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 30 2.90 12.73 0.00 68.77
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 27 1.33 4.22 0.00 62.78
K702-21 腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術 脾同時切除の場合 等 26 1.54 13.69 0.00 61.12
K7032 膵頭部腫瘍切除術 リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍切除術の場合又は十二指腸温存膵頭切除術の場合 等 16 3.63 29.94 6.25 66.94
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 14 0.71 8.21 0.00 69.14
当科では日本肝胆膵外科学会から認定された高度技能指導医、専門医を中心に高度先進的な医療に取り組んでいます。COVID-19の影響から徐々に回復基調にあり、全体の手術数は2020年に比べて増加しました。肝胆膵領域の悪性疾患は進行した状態で発見されることも多いのですが、化学療法や放射線療法も含めた集学的な治療を行うことにより、これまで手術が不可能であった患者さんに対しても手術の可能性を探っていく先進的な治療や、お身体への負担の少ない腹腔鏡手術、ロボット手術も積極的に行っています。手術の適応とならない場合も、複数科と連携して新規化学療法や遺伝子診断、放射線治療を導入し、病状に最も適した治療を提供しています。また神経内分泌腫瘍外来を併設しており、全国から多数の方が受診されています。当院での主な治療疾患は肝胆膵領域の悪性疾患ですが、良性疾患では胆のう結石症や肝嚢胞に対しての腹腔鏡手術なども行っており、合併症が少なく体への負担も少ない治療を数多く行っています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 等 55 1.27 8.53 0.00 62.07
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 等 33 1.03 2.94 0.00 60.42
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 15 1.00 9.67 0.00 58.93
K4741 乳腺腫瘍摘出術(長径5cm未満) 等
K4768 乳腺悪性腫瘍手術(乳輪温存乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない))
当科では主に乳がん治療に取り組んでいます。乳がんの手術術式は、乳房切除、乳房部分切除、乳房切除+乳房再建があります。
術式については、放射線診断科、放射線治療科、形成外科、病理診断科と合同カンファレンスを行い、決定しています。進行乳がんに対しては、手術前に抗がん剤治療を行い、腫瘍を縮小し、切除範囲を小さくする方法を選択する場合もあります。腋の下のリンパ節(腋窩リンパ節)については、80%以上の症例にセンチネルリンパ節生検を行い、適切な郭清範囲を手術中に判断しています。乳房再建については、20年以上の経験を基に、積極的に1次再建(乳がん手術と同時に乳房再建を行う)に取り組んでいます。遺伝性乳がん卵巣がん症候群の方の予防切除も行っています。
末梢血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 101 1.91 8.88 5.94 74.56
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 18 1.44 8.33 0.00 77.72
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 等
K5612ハ ステントグラフト内挿術(腸骨動脈) 等
K6093 動脈血栓内膜摘出術(その他)
当科の対象疾患である下肢閉塞性動脈硬化症は本邦において年々増加傾向にあり、当科でも同様の傾向にあります。下肢閉塞性動脈硬化症は全身の動脈硬化症の一部であり、この病気を持つ患者さんは、脳・心臓等、他の部位での動脈硬化症の合併も多いため、治療においては全身的な管理、治療が必要となります。そのため、より体に負担の少ない治療、低侵襲治療が望ましく、当科でも体に負担の少ない治療(カテーテル治療=足の付け根から細い医療用器具を血管内に進めて目標の血管を治療する方法)を積極的に行っています。一方で、この治療だけでは不十分である患者さんに対しては、従来通りのバイパス手術を含めた外科的治療を行います。
また本邦での高齢化に伴い、動脈が膨らむ病気、すなわち胸部・腹部大動脈瘤・腸骨動脈瘤も多くみられるようになりました。この治療に対しても従来は外科的治療が主流でしたが、先にも述べたように高齢の患者さんに対してはより負担の少ない治療としてカテーテル治療(ステントグラフト内挿術)を行っています。動脈瘤の治療は、患者さんの状態に応じた適切な治療方法を選択しており、手術前の十分な全身状態の評価を行い、耐術能がある患者さんに対しては開腹手術を、耐術能の乏しい患者さんに対してはステントグラフト内挿術を行っています。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 14 0.00 0.14 0.00 4.07
K836 停留精巣固定術
K6333 ヘルニア手術 臍ヘルニア
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの
開設後6年が経過し、スタッフ数、診療実績共に充実してきました。新生児手術も安全に行えており、合併症率が非常に少ないことが当科の特徴です。腹腔鏡下手術も併用しながら、それぞれの患児に最適な術式を選択し、低侵襲で創が目立たない手術を第一に考えています。小児での疾患数が多い、鼠径ヘルニア・停留精巣・臍ヘルニア等は、「日帰り」での入院・手術を安全に行っています。当院は小回りが利く組織であることを活かして、小児科をはじめ、麻酔科、周産期科、整形外科など小児関係科が密接に連携しながら患者背景に合わせたオーダーメイド的な治療を適切に選択しています。そのため合併症の少ない安全な治療を行うことが可能となっています。最近は、新生児手術、小児がんに対する手術も増加しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 等 208 1.12 15.94 32.21 68.14
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 等 65 3.52 18.60 33.85 69.14
K0542 骨切り術(下腿) 等 65 1.11 13.92 58.46 60.43
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) 等 51 4.45 22.90 54.90 63.96
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 等 39 1.00 7.95 0.00 29.31
加齢による変化や外傷によって生じる全身の運動器障害は健康寿命を短縮させ、日常生活の質や生活動作に強く影響を及ぼします。当科ではそれぞれの運動器疾患に専門領域の医師がきめ細かい診断と治療を行っています。脊椎に生じる靭帯骨化症や脊柱管狭窄症に対しては、適切な術式選択を行ったのち、除圧術や固定術を併用した手術を行っています。また変形脊椎に対しても術前に脊髄造影検査など十分な検査を行ったのちに、矯正固定術を積極的に行っています。
高齢化社会に伴って増加する下肢の変性疾患である変形性膝関節症と変形性股関節症に対しては、早期に日常生活動作と除痛を獲得できるように、人工関節置換術を行い、良好な治療成績を得ています。また、若年者や比較的変性の程度が軽い方に対しては、関節温存手術である骨切り手術を行っています。さらにスポーツによる肩・膝関節の障害に対しての治療も得意としており、多くのスポーツ選手の手術を行い、競技復帰をサポートしています。
運動器疾患の幅広いニーズに対して、高い治療レベルで応えていく。それが我々東京医科歯科大学整形外科学・運動器外科学です。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 等 52 4.56 23.67 26.92 57.42
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 等 20 0.40 10.75 20.00 76.60
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 等 14 1.14 16.71 28.57 62.29
K160-2 頭蓋内微小血管減圧術 13 1.69 9.54 0.00 64.46
K610-2 脳新生血管造成術 12 3.42 13.50 0.00 24.00
当科では脳・脊髄神経系の外科治療全般を担っており、手術の内訳としては脳腫瘍の手術がもっとも多く、神経膠腫や髄膜腫などに加えて他の診療科から紹介される転移性脳腫瘍に対する手術も増加しています。また、近年では下垂体腫瘍に対する経鼻的手術が増加している他、耳鼻咽喉科・頭頸部外科や形成外科など複数の診療科で合同して執刀する頭蓋底腫瘍を得意としています。地域のクリニックなどとの連携も重視しており、コロナ禍においても手術が必要な慢性硬膜下血腫の症例も多数ご紹介いただくため件数が伸びています。
くも膜下出血に対するクリッピング術など脳血管障害に対する緊急手術も多く、これは24時間体制で救急患者を受け入れていることに由来しています。また、当院歯学部部門からの紹介による三叉神経痛の患者数が多いことが特徴であり、微小血管減圧術の症例数は豊富です。もやもや病の症例も多く、特に小児虚血例に対する集学的治療、間接血行再建術(新生血管造成術)については国内でもトップクラスの経験を有しています。
これらの手術では外視鏡を用いて4Kのモニタに映し出される3次元の映像を視認しながら執刀にあたっています。
血管内治療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1783 脳血管内手術 脳血管内ステントを用いるもの 等 28 1.96 7.61 0.00 59.61
K1781 脳血管内手術(1箇所) 等 24 2.25 15.04 16.67 63.63
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 17 3.29 5.82 5.88 75.12
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他)
K178-4 経皮的脳血栓回収術
当科では未破裂脳動脈瘤に対する脳血管内手術(コイル塞栓術)の症例が最も多く、動脈瘤の部位、形状を考慮した上で再破裂予防に最も効果的かつ安全な方法で手術を行っています。特に脳血管内ステントを併用したコイル塞栓術、大型動脈瘤に対してPIPELINEなどのフローダイバーターステントを使用した治療を数多く行っています。その他、急性期脳梗塞に対する血栓回収療法や虚血性疾患(脳梗塞など)に対しての頸動脈ステント留置術の治療にも力をいれています。また、硬膜動静脈瘻などの希少疾患に対する治療経験も多く行っています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5551 弁置換術 1弁のもの 等 11 3.91 26.64 18.18 69.36
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの) 2吻合以上のもの 等
K5542 弁形成術 2弁のもの 等
K5601ニ 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈 その他のもの 等
K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 等
当科では質の高い医療を提供することを第一として診療を行っています。狭心症、心筋梗塞に対する冠動脈バイパス術、弁膜症に対する弁形成術、弁置換術、胸部大動脈瘤に対する人工血管置換術、ステントグラフト内挿術、ハイブリッド手術、小児先天性心疾患、そして重症心不全に対する外科診療を行っています。大学病院ならではの重症例、再手術症例においても安全に手術を受けていただいています。特に重症心不全において当院は植込型補助人工心臓DT〈Destination Therapy(DT)長期在宅補助人工心臓治療〉の全国実施7認定施設のうちの1施設であり、心臓移植を目的とする補助人工心臓治療、また心臓移植を目的としない長期在宅補助人工心臓治療を行っています。また心筋再生治療では細胞治療センターが整った全国8施設のうちの1施設として診療を行っています。狭心症、弁膜症の低侵襲手術も行っており、ニーズに合わせた質の高い外科診療を提供しています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 等 78 1.71 8.33 1.28 72.36
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 41 1.61 4.61 0.00 68.76
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 等 31 1.68 7.58 0.00 68.71
K5143 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 21 2.14 10.29 0.00 73.43
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 等 17 4.88 5.59 5.88 34.65
当科手術の約7割が胸部悪性腫瘍の手術です。原発性肺がんが最多数で、転移性肺腫瘍がこれに続きます。病巣の広がり、リンパ節転移の有無によりアプローチと切除術式を決定します。早期肺がんに対して低侵襲の完全胸腔鏡下手術を行います。周囲臓器に進展する腫瘍には合併切除を伴う拡大手術を行います。局所進行肺がんに対して術前化学療法・放射線療法後に肺切除術を行います。浸潤のない早期肺がんに対して肺機能を温存する積極的縮小切除を行います。気腫性疾患・膿胸など良性疾患に対して低侵襲な胸腔鏡手術を行います。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 等 145 1.52 4.45 0.00 71.16
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 54 1.02 9.87 0.00 68.98
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 39 0.79 3.74 0.00 67.82
K773-3 腹腔鏡下小切開腎(尿管)悪性腫瘍手術 30 1.37 8.43 0.00 66.30
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 28 2.29 4.11 0.00 59.21
当科では泌尿器がんに対する診療に最も力を入れており、前立腺がんに対する前立腺全摘除、腎臓がんに対する根治的腎摘除、腎部分切除、筋層浸潤性膀胱がんに対する膀胱全摘除をロボット支援手術で実施しています。一方、当科で開発した新しい低侵襲手術であるミニマム創内視鏡下手術も行なっており、患者さんの状況に応じて、適切な術式を選択しています。筋層非浸潤性膀胱がんに対しては、精緻な再発、進展予測に基づき、患者さん個人に適した治療を提供しています。また、臓器温存療法を希望される前立腺がん/膀胱がん/腎臓がんの患者さんに対する診療を積極的に施行しており、専門外来を設置しています。尿管結石症に対しては、主に経尿道的尿路結石除去術を行なっています。
周産・女性診療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術(内視鏡手術用支援機器使用) 等 69 1.00 4.10 0.00 47.90
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 等 39 0.92 4.00 0.00 42.10
K867 子宮頸部(腟部)切除術 36 0.92 1.00 0.00 44.22
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 33 1.00 4.03 0.00 36.94
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹) 33 2.61 10.94 0.00 48.18
当科は新生児集中治療室を備えた地域周産期母子医療センターを担っており、正常分娩のみではなく、妊娠27週以降の症例や緊急性の高い母体搬送も受け入れており、様々な診療科と連携をとりながらハイリスク症例の帝王切開術も行っています。
良性疾患に対しては患者さんの負担がより少ない腹腔鏡手術を主に行っています。開腹を必要とする良性疾患、悪性疾患の手術も積極的に行っており、初期の子宮体がんに対してはロボット支援下手術を導入し、患者さんの負担軽減に取り組んでいます。また、子宮頸がんの前がん病変に対する腟式手術も数多く行っています。不妊の原因となるような子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどに対する子宮鏡手術、また高度生殖補助医療(体外受精・顕微授精)、妊娠後の健診や分娩管理を同一施設で一貫して行い、患者さんの負担の少ないスムーズな治療を提供しています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 等 40 1.38 4.28 0.00 69.25
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル以上4センチメートル未満 等 11 0.91 1.09 0.00 64.18
K0064 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径12センチメートル以上 等 10 1.00 5.80 0.00 37.30
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2センチメートル未満 等
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3センチメートル以上6センチメートル未満 等
当科では皮膚の良性腫瘍、悪性腫瘍の幅広い疾患に対して手術を行っています。最も多いのは皮膚がん(基底細胞癌、有棘細胞癌、乳房外パジェット病、悪性黒色腫など)の切除術で、単純切除だけでなく、植皮術や皮弁術にて再建も同時に行っています。悪性腫瘍のみならず、高齢者や免疫低下状態にある方や腫瘍の部位によって出血や創離開・感染リスクが高い場合には、良性腫瘍の手術の場合でも入院管理下での安全な医療を心がけています。
形成・美容外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K475 乳房切除術 29 0.86 2.86 0.00 37.21
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 20 1.70 4.25 0.00 49.10
K0152 皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術(25~100cm2未満) 19 1.00 4.47 0.00 51.42
K2191 眼瞼下垂症手術 眼瞼挙筋前転法 19 0.42 1.21 0.00 71.58
K476-2 再建乳房乳頭形成術 等 15 0.20 1.27 0.00 50.27
当科では自科単独で行う治療とともに、他科と連携して行う治療も重要な比重を占めます。当学の外科系各科のアクティビティーの高さを反映し、頭頸部がん・乳がんなど腫瘍切除後の再建手術、その後の二次再建手術の症例数が多いのが特徴です。
乳房再建・頭頸部再建は20年以上の実績があり、遊離皮弁移植のほか、脂肪注入・刺青などのタッチアップ手術なども含めた一貫した治療が可能です。頭頸部再建では他院で扱えない多くの難症例を手掛けています。
顔面の変形では、眼瞼下垂をはじめ、眼瞼痙攣および顔面神経麻痺の再建を行っています。顔面神経麻痺では静的だけでなく動的再建、ボツリヌス療法も行い自然な笑顔を取り戻します。顔面外傷の症例も多く、顔面骨骨折や軟部組織損傷の治療にも積極的に携わっています。
腫瘍性疾患としては、母斑・血管腫などに対するレーザー治療、良性腫瘍の整容的な切除のほか、皮膚科と連携した皮膚悪性腫瘍の外科的治療も数多く行っています。
形成外科では体表の整容性と良好な機能を追求し、患者さんのQOL向上に寄与しています。
2022年4月より形成・美容外科に加えて再建形成外科が発足し、2診療科体制となりました。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 等 654 0.52 1.03 0.00 70.67
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 等 186 0.66 5.21 0.00 67.13
K2682 緑内障手術 流出路再建術 等 82 0.29 2.41 0.00 65.40
K2686 緑内障手術 水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術 53 0.06 1.72 0.00 71.21
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの 等 52 0.90 4.83 0.00 68.46
当科では近視、ぶどう膜炎、緑内障、網膜外来など難治性疾患に力を入れています。水晶体再建術はいわゆる白内障手術を意味し、当院では手術施行件数が最も多い術式です。多岐にわたる専門外来を背景に、全身合併症を伴う症例が多いため、1泊2日の入院治療を原則としています。また、最先端の乱視矯正用のトーリック眼内レンズ、多焦点眼内レンズを用いた手術も行っています。
硝子体茎離断術(網膜付着組織を含むもの、その他)は、網膜前膜、黄斑円孔、増殖糖尿病網膜症、裂孔原性網膜剥離、硝子体出血、硝子体混濁など網膜硝子体疾患全般を対象として行われる手術です。強度近視やぶどう膜炎などに続発した難症例の網膜硝子体疾患に対する手術を積極的に行なっています。
緑内障手術は眼圧下降を目的とした手術で、濾過手術は緑内障に対する手術加療として最も多く用いられる術式です。眼内法による流出路再建術に加え、白内障手術と同時に行う眼内ドレーン挿入術は、それぞれ短時間の手術で良好な手術成績を収めています。他の眼科疾患に引き続いて起こる続発緑内障に対する手術が多いことも特徴です。
手術には最先端の手術顕微鏡や3Dモニターを導入し、低侵襲で安全な手術を提供しています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 等 48 1.15 2.15 0.00 49.27
K4691 頸部郭清術(片) 等 36 1.61 5.28 0.00 62.22
K3191 鼓室形成手術 耳小骨温存術 等 34 1.38 2.35 0.00 50.03
K374-2 鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む) 25 1.48 9.44 0.00 64.20
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 等 23 1.00 2.57 0.00 58.35
当院はあらゆる頭頸部がん治療を行うことが可能です。特に他院で治療が難しいとされる頭蓋底腫瘍や外耳道がんについては国内屈指の手術数を誇っています。局所進行がんの手術では形成外科や脳神経外科と連携して同時再建手術を行っています。咽喉頭の表在がんに対しては鏡視下の咽頭悪性腫瘍手術(ELPS)を食道外科と合同で行っています。鼻副鼻腔がんに対しては一般的な頭蓋底手術より低侵襲な経鼻内視鏡頭蓋底手術を積極的に行っています。一方、手術による機能低下が著しい場合は化学放射線療法による治療を行っています。本治療では肺炎や脱水による緊急入院が問題になりますが、当院では一時的な胃瘻を作成することでこれを予防しています。耳科手術においては冒頭で述べた外耳道がんの他にも、側頭骨腫瘍や頸静脈孔腫瘍など難易度の高い頭蓋底手術を多数施行しています。また慢性中耳炎などに対する中耳炎手術、人工内耳やめまい手術などの内耳手術も積極的に行っています。近年では顕微鏡に代わり4Kの外視鏡や内視鏡を用いたより低侵襲な手術を行っています。高難易度手術においては術中CTによる高精度ナビゲーションを導入して安全性を担保しています。
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K386 気管切開術 18 10.17 14.89 72.22 68.72
K7191 結腸切除術(小範囲切除) 等 13 0.54 33.08 46.15 74.92
K639 急性汎発性腹膜炎手術 13 0.62 22.92 15.38 63.77
K6021 経皮的心肺補助法(初日) 12 8.08 26.17 33.33 57.58
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) 等 12 0.08 15.33 50.00 52.58
当科は様々な原因によるショックや多発外傷など多くの重症患者さんについて、救急搬送時の初診からその後の集中治療に至るまで継続して医療を提供しています。当科には外科医や麻酔科医が在籍しており、消化管穿孔などによる腹膜炎を呈している患者さんや腸管壊死に陥っている患者さんには救急科医師による迅速な診断とともに時期を逸することなく、緊急手術を行います。疾病や病状に応じて腹腔鏡手術なども行います。吐血などで出血性ショックの状態で搬送される患者さんには迅速に内視鏡的止血術を行います。また、呼吸不全などによって長期の人工呼吸器管理を必要とする患者さんについては適切なタイミングで気管切開術を行って安全に管理を行います。その他、外傷などによって危機的な出血を呈している患者さんに対しては止血手術や血管塞栓術を適切に組み合わせて救命を行います。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 18 0.13%
異なる 14 0.10%
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 121 0.86%
異なる 14 0.10%
厚生労働省による2021年度の全国の DPC 対象病院データ集計では、全症例に対する割合は播種性血管内凝固症候群(DIC)が0.16%、敗血症が0.51%、その他の真菌感染症は0.04%でした。当院の患者数は少なく、全国平均と比べ患者割合は低く抑えられています。手術、処置後の合併症を生じさせないよう、日々細心の注意を払い患者さんのケアに努めています。起こり得る合併症については、患者さんとのコミュニケーションを大事にしていくとともに、より一層の注意を払い、発生率をさらに低下させるよう努力して参ります。
 「180040手術・処置等の合併症」に該当する症例数が多い理由として、他院にて処置が困難となった植込み型医療機器(植込み型ペースメーカー、除細動器等)の感染に伴うこれらの摘出手術・処置が必要となった患者さんを多く受け入れていることが挙げられます。
更新履歴
2022.9.28
DPC機能評価係数Ⅱの保険診療指数にかかる「病院情報の公表」を公開しました。