すなねずみ
S家のすなねずみ友の会活動報告

〜シャーウッドの森の住人たち〜


1,FQ(フリークォーター名物)「すなねずみ」

2,すなねずみ登場!そして…

3,すなねずみ友の会発足

4,名前をつけよう!

5,攻防戦






Jの後ろ姿

1,FQ(フリークォーター)名物「すなねずみ」
 
 医動物学のフリークォーターにスナネズミが登場するというのは、有名な話である。そして、そのスナネズミたちが非常にかわいい☆というのもまたよく知られている話である。そのぱっちりした黒い瞳、先までふさふさとした毛が生えたしっぽ、立ち上がって首をかしげるその仕草、どれをとっても動物好き(いや、動物ギライな人でも)を魅了してやまないはずである。(去年までのFQを参照のこと)
 しかし、彼らの愛らしさが想像をはるかに上回るものであることを、私は医動物FQに来て、身をもって知ることになる…。


2,すなねずみ登場!そして…
 
 医動物教室に通い始めて○日目。ついにすなねずみ(とある事情によりあまり活動しない)と初の対面をはたす。黒くて、うるうるした瞳(99年度S子の医動物学教室体験日記より)』。本当にぱっちりした可愛い目をしている。けれど、すなねずみの魅力はそんなものではない。長いふさふさとしたしっぽ、かじられても痛さを感じない小さな前歯、えさを支えて食べる姿も愛らしいその手、黒・茶・ぶちなどどれを見ても素敵な毛皮…。私は、その場ですなねずみの魅力にとりつかれた。暇を見つけては(つくっては?)すなねずみと戯れる私に『FQの記念にお持ち帰りね♪』という友田先生の夢のようなお言葉が。これより、すなねずみを我が家へ連れ帰るべく、すなねずみの魅力を広める活動を開始することとなったのである。


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3,すなねずみ友の会発足
 すなねずみを我が家に迎えるにあたっては、当然、家族をもすなねずみの虜にしなければならない。(ちょっと大げさ。でもキライじゃね。)
 ということで、本当は実際に対面の場を設定するのが最高なのだが、まずは写真で見せることにした。デジカメで写真撮影をする。可愛いねずみ達に注意がいってしまい、なかなかシャッターチャンスが得られない。ついには、可愛いのだから、撮影者の腕に関係なく可愛く写るだろうというかなり強引な判断のもと、とにかく撮りまくる作戦に変更。

 約一時間の撮影の後、すなねずみたちの笑顔(に見えるんですね、いつでも)をおさめたカメラと共に帰宅。すなねずみの魅力の布教を始めることにした。「ネズミ」の言葉で失敗したという先輩の例に学び(99年度FQを参照のこと)、まずは名前を出さずに先入観なしでその愛らしさに接してもらうこととする。「目が大きい」「ハムスター?(ハムスターを見たことがなかったらしい…)」「しっぽが毛で出来てる♪毛が生えてるんだけど…)」となかなかの好評。ついにその可愛い生き物が『すなねずみ』であると公表する。が、都合良くも(?)ネズミであるということが理解されていないらしい。とにかく、私は『すなねずみ』がいわゆるネズミ(ドブネズミ)とは異なる生き物であると説明し(家族の意識はカメラに集中している)、すなねずみたちは我が家に迎えられることとなった。


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4,名前をつけよう!
 
 ついに我が家にやってきた二匹のすなねずみ(♂)たち。まずは、名前を付けねば!というわけで、すなねずみらしい名前をつけることにした。が、ここで私はとんでもない間違いをしてしまった。すなねずみたちにおやつを与えようとして、その指をえさだと勘違いされていたらしい姉(農学部4年)に「どっちか命名していいよ〜」と言ってしまったのである。即座に返事が返ってくるなぞとは夢にも思わず…。

 「小柄で面長な子は、ロバートって顔してるよね♪」

 なんで?ロバートな顔って一体どんな顔だ?!等々という疑問を口に出せないでいるうちに、姉はすでにその『小柄で面長な子』をロバートと呼んでいるではないか。そして、五分間の私の必死の反論もむなしく、彼はロバートと決定したのであった。
 となると、諦めの早い私としては、もう一方にもつりあうような名前をつけよう!ということになる。(すでに「すなねずみらしい名前」という当初の計画が挫折していることは言うまでもない)ロバート、ろばぁと……うん、愛称はロビンにしよう!と、これまたあっけなく決定。さらにはどうせロビンなら『ロビン=フッド』を正式名称と決める。なら、もう片方は…ということでめでたく『リトル=ジョン』に。リトル=ジョンの方が大柄なのも設定通りでよいということで。
 かくして、我が家のすなねずみたちは、シャーウッドの森の住人にちなんでロビン=フッドとリトル=ジョンと名付けられた。

 そして数日後。
 ロビンは、ロバート・ロビン・ひげひげちゃん(よく髭の手入れをしているため)と呼ばれている。リトル=ジョンは、その名の通りに呼ばれることもあるが、ジョニー・ぷくぷくちゃん(お腹まわりがロビンより2センチ程多いため)と呼ばれる方が多いようである。


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5,攻防戦
    
 ロビンとジョニーは、普段は水槽型のかごで生活している。かごに設置されているのは水飲み一つとえさ入れ兼ロビンの寝床となっている皿、そして、彼らの歯による破壊活動で二日と保たないトイレットペーパーの芯である。
 彼らはまた、運動用に大きなダンボール箱も所有している。その中には、新聞紙を裂いたものやワープとして使用できるサランラップの芯がある。彼らは、この中を駆け回って自由に遊び、すなねずみ友の会会員はそれをうっとりと眺めていられる…はずだった。彼らの行動と学習能力が予想通りであったならば。

 そもそも、私は、「ハムスター程賢くない」という情報(ハムスター君を馬鹿にしている訳ではありません)と研究室の一日中寝ている(事情有)すなねずみ君から判断して、かごのふたを開けっ放しにしておいても全く問題はないと思っていた。が、すなねずみ君たち(特にジョニー)の運動能力は予想外に高かった。はじめは伸び上がってかごの縁に手をかけるのがやっとだった彼らが、10分と経たないうちに懸垂を覚え、ついにはどのような偶然からか、ふたの上に登ることに成功したのである。それが、すなねずみ友の会会員対すなねずみの攻防戦の始まりとなるとは、私はまだ考えてもみなかった。その後約30分で、ジョニーは懸垂どころではなくジャンプでふたに上がることを覚え、さらにはジャンプしてふたに登り、また飛び降りるのを一連の運動と見なすようになった…らしい。彼の行動を見て学んだ(かどうかは不明)ロビンも同様な運動を始め、私たちすなねずみ友の会会員を走らせるのに多大なる貢献をするようになった(外に飛び降りることもあるので、テレビなどの下に潜り込む前にキャッチしなければならないため)。

 彼らの走るスピードは決して速いとは言えないのだが、それぞれの持ち味をいかして、かごからかなり離れた場所まで到達する。ジョニーの得意技は立ち上がってあたりを見回すことである。単純と言えば単純なのだが、彼が何を見ていたのか、つい振り返って見ようとしているうちにジョニーは大抵どこかへ消えている。そして、次に現れた場所めがけて会員が走ることになるのである。ロビンの方はもっと単純である。彼は小回りがきくのだ。しかも、手からすり抜けるのが上手い。そのため、会員は先回り&チームで、という作戦をもって対抗しなければならない。

 ロビンとジョニーの運動場(通称:シャーウッドの森)は、彼らに運動の機会を与えるためはもちろんとして、会員が彼らと共に遊び(?)、また、彼らの住居であるかごの掃除をするために設置された。それは、普通の大きなダンボール箱で、中には前述したおもちゃが入っている。が、ここで特筆しておかなければならないのは、大抵のダンボール箱がそうであるように、この箱にも持ち手としての穴が空いていたということである。底から10センチ程度の高さに空いた、2センチ×4センチほどの穴。これが、すなねずみたちと会員達の攻防の舞台となったのである。

 最初はその穴から顔をのぞかせるだけで満足していたすなねずみ君たち。(「うわぁ〜かわいい☆」一会員の声)しかし。外に出ることを学ぶのに時間はかからなかった。ロビンより一回り(身長は1,5センチ、ウエストは2センチ)大きいジョニーが、またもや懸垂でそのぷくぷくしたお腹まで穴からのぞかせることに成功。間もなく隣で掃除をしていた会員の足によじ登るという快挙を成し遂げた。それからの彼らの学習&運動能力は驚く程だった。穴から飛び出すまでの時間が約3秒。よじ登っていたはずが、穴に手をかけたと見るや外に現れるまでになったのである。こうなると激しい攻防戦が繰り広げられるのは言うまでもない。持ち手としての穴は、当然ダンボールの両端に空いている。そして、飛び出してくるすなねずみも二匹いるのである。手前からジョニーの顔が!と言っている間にもロビンが向こう側に手をかけているという状況。一人では対抗出来なくなった私は、まずはこちらもチームで対抗することにした。名付け親の責任上、小回りのきくロビンを姉が担当。私はジョニーを担当することにした。しかし、これでは目を離せない。そこで、彼らの楽しみを奪うようだが、穴をふさぐことにより攻防に決着をつけることにした。

 穴をふさぎ始めて一日。今のところ、彼らは運動場中を走りまわることで満足しているようである。が、時々ジョニーの上を見上げる不敵な眼差しを感じることがある。彼は、高さ20センチ以上の枠(もちろん手もかからない高さ)を飛び越えようと考えているのかもしれない。新たなる攻防戦が始まるかどうかは彼ら次第である。
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