● 成田検疫所で翻訳提供されていた情報については【こちら】をご覧ください。2006.12.11更新
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しかし,現時点では調査は完了していないし,診断も確定はしていないとLedge Light地区衛生部環境衛生部のStephen Mansfieldは話す。発疹は発赤と小さな傷口をつくり,二次感染の原因となるが,治療によく反応し,あとに傷跡も残さずに消失する。Ledge LightではWaterford と New Londonを含めいくつかの都市に公衆衛生サービスを提供していて,Harknessにも衛生担当官を派遣した。
競技の参加者はコースの途中にあった3フィートばかりのよどんだ水の中を走ったあとに発疹が出たと考えられた。水たまりはレース中に降った激しい雨と高潮によって出来,コースを整備したその朝にはなかったと女子クロスカントリーの監督で男女陸上競技監督のNed Bishopは語った。発疹の原因となった寄生虫は鳥の糞に汚染された水の中に見つかり,競技のおこなわれたこの公園の沼地には秋になると多くの水鳥がわたってくる。
おおよそ380名が参加した競技で60%以上の人に発疹が見られた。「私たちが目にしたものは一生に一度しか見ることの出来ないような不思議な出来事であった」と先の監督は話してくれた。 競技に参加したMeaghan Seelhausさんの話では,発赤はレースのあと1週間ほどして出現し,足は赤くてかゆみを持ったぶつぶつだらけになったという。「いまはもう綺麗になりました」と彼女。「まだ少し後が残っていますが,できもののようでじくじくしていました。本当にかゆくて痛かったです。怖い経験でした」
彼女は治療を受け,ステロイドを処方され,二次感染を防ぐために抗生物質も処方された。それほどひどくない症例では市販のステロイド剤で十分であるが,症状がひどい場合にはステロイドを処方してもらわなければならない。
彼女はレースに出場し,「NESCAC 発疹の犠牲者」というウェブに自分の経験を投稿した何十人もの大学生の中の一人である。そのウェブには発疹の写真も投稿されている。
Ledge Lightの担当官とコネチカット大学陸上部の監督は合同で,参加した学生の調査を始めている。その結果を大学の健康管理センターに送るよう指示している。
「swimmer's itchは夏の間にはしょっちゅう見られるもので,泳いだあとにタオルを使ってよく躰を拭けば予防することが出来る」とLedge Lightの環境衛生部長は述べた。事件同日の激しい雨のせいで,ランナーたちはレース中ずっと身体が濡れたままで,レース終了後もバスで長時間かけて自宅に戻る間中身体を乾かすことが出来なかった。
13症例のうち2例は子供で,ジャマイカ国民である。もう1例,10月29日から11月6日までジャマイカを旅行した米国市民もマラリアに罹患したことが確認されている。このうち11例はキングストン市に隣接する3地区に住んでおり,残り2例はキングストン市の隣のシデンハム,セントキャサリン両県に住んでした。すべて熱帯熱マラリアであった。
ジャマイカはマラリアの流行地ではないと考えられていた。今回の流行を受けて,ジャマイカ保健省はマラリアサーべーランスを強化し,蚊対策,地区住民に対する衛生教育などの対策に乗り出した。カリブ疫学センターとパンアメリカ機構,WHOは共同で保健省のこれらの対策を支援すること発表した。
抗マラリア薬
2006年12月4日までに,CDCはジャマイカ。キングストンに宿泊する旅行者に対して,マラリア予防薬の服用を勧告した。他の地域への旅行者は今回の勧告の対象ではなく,この勧告も一時的なものになると思われる。ジャマイカへの旅行者は定期的にCDCのホームページをチェックするように。
ジャマイカでの予防内服薬として勧告されているクロロキンは長い間用いられてきた実績があり,安全で子供を含めたいていの人で薬剤に対して何ら副作用がない。しかし,クロロキンにアレルギーのある人は各自の医療専門家に相談して別の抗マラリア薬について相談すること。服用量などのクロロキンに関するさらに詳しい情報については政府公報のマラリア処方薬を参照すること。
【編集部注】
ジャマイカは1966年にマラリア撲滅を宣言したが,媒介蚊であるAnopheles albimanusは恐らくなお生息している。今回のCDCの勧告からすると,ジャマイカの熱帯熱マラリアはクロロキンに対して感受性があるを思われる。しかし,我々の理解するところでは,これはまだ確認されたわけではない。今回の流行は恐らく輸入熱帯熱マラリアが原因と思われ,クロロキン耐性かそうでないかは,どこからそのマラリアが入ってきたかによって違ってくるのではなかろうか。例えば,ハイチの熱帯熱マラリアはクロロキン感受性であるが,クロロキン耐性マラリアはパナマの南部,コロンビア,アマゾン盆地で発見されている。
【編集部注】
ジンバブエはビルハルツ住血吸虫の流行地で,最近の研究によると,20歳以下の女性の60%が感染しているとされる。また別の調査によれば,小学校の児童でも同じくらいの感染率を示している。流行は,感染者の発見と治療に失敗すると起こり,今回のような流行の報告はジンバブエでは住血吸虫症対策が機能していないことを示している。さらなる情報を歓迎する。
連邦消費者保護健康局地域管理庁は2006年の9ヶ月間に登録されたトキソカラ症患者が9名に上り,これは2005年の同期の1名に比べ大幅に増加したと発表した。
トキソカラ症は犬蛔虫やネコ回虫の幼虫によって起きる疾患で,その虫卵は身近な環境中にイヌやネコの糞便と共に巻散らかされている。この病気は一年中見られるが,時に土の中の虫卵がもっとも増えて,ヒトがこの虫卵に接触する機会が多くなる夏から秋にかけて最も多くなる傾向にある。
トキソカラ属虫卵は,室温では年余にわたって感染力を持ち続け,3−5歳の子供や獣医師,獣医看護師,サーカスの団員,動物園職員,衛生意識に乏しい人たち,個人地主,猟師などがトキソカラ症に罹りやすいグループである。
東ヌサテンガラ州のクパンの2つの地区で数十頭のウシが鼻住血吸虫症ー鼾病のために死亡したと政府関係者が語った。
Amabi Oefeto TimurとSemauの少なくとも32頭のウシが11月2日までに死亡し,他に数百頭のウシが発症していると地区担当官は語った。 そして,政府は病気が近隣地区に拡がらないように政府は緊急対策をとると述べた。
「住民は,ウシが症状を出してから数時間以内に死亡したことに非常に驚いている」と語り,クパン農業局から動物衛生担当チームがウシの治療のために派遣されたことを説明した。「感染牛はすでに治療のため他のウシから隔離されている」とこの担当官は話している。
【編集部注】この寄生虫感染症はヒトには感染しない。
この地域でのマラリア患者の報告は2000年から増え始め,地元の衛生当局は疫学モニタリングを強化するよう注意喚起を行っていた。そして,流行を抑えるために予防と治療に関する知識を住民に広めるよう指示を出した。
【編集部】
安徽省は中国国内でもマラリアの危険性の低い地域だと見なされていた。今回の症例はおそらくすべて三日熱マラリアによるものと思われる。マラリアの感染リスクが非常に低いと見なされていた地域で発生していることが問題であろう。CDCは安徽省を旅行する旅行者に予防内服を勧めてはいない。勧告をかえるためにはさらに情報が必要である。
中国のマラリア疫学マップ2001では,安徽省のマラリア発生件数は人口10万人あたり0ないし1例以下となっている。
他の患者と同様に,Shuguo Yanyi レストランで四川料理のひとつとして提供されたカタツムリ料理を食べて,7月11日に頭痛と発熱で発症した。これまで友愛病院に入院した8名の患者は回復し,来週には退院の予定であると主治医は答えた。
この病気は寄生虫によって起こり,脳と脊髄を侵し,髄膜炎を起こす。これまでこの病院では112例の患者を診断し,6月21日以来71名が入院した。死亡したものはいない。
感染源と思われたアマゾンカタツムリは広西荘族自治区から持ち込まれたものであった。もともとは1980年代に珍味として南米から中国にもたらされたもので,この貝による広東住血線虫症の第1例は広州から報告されている。この手の貝類は近年,北京のような大きな市場で売れ筋の海産物であった。
【編集部】 2006年8月26日のProMedへの最後の投稿では87症例が報告されていたが,その数が132例に増加している。このことはまだこの集団感染がコントロールされていないことを物語っている。
★肉は猟師自身(あるいは家族)が調理した。即ち感染の恐れのある肉は市場には出回っていない。食肉監視員の検査を受けていない
★感染者はしばしばこのようにして自分で調理して肉を食べていた人たちで,生肉を食べたり半生の肉を焼き肉にして食べていた。
★感染肉は個人的なネットワークで配られており,どれだけのヒトが汚染肉を食べたのか調査したり残りの肉を回収することは困難であった。
★イノシシ以外にも同時に狩猟をして調理していたので,どの肉が汚染されていたかを決めるのが大変だった。
表1.1975年以降にフランス国内で発症したイノシシ肉による旋毛虫症の集団発生事例
地方別の件数(種類)
1975-1980 | 2 | 4A, 3B |
1981-1985 | 4 | 5C, 13D , 39E , 3? |
1986-1990 | 2 | 11F, 4G |
1991-1995 | 6 | 10F (T. britovi) , 4F, 3G, 3H, 4G, 3A |
1996-2000 | 1 | 4G (T. pseudospiralis) |
2001-2005 | 2 | 6F (T. britovi) ,4I |
2006 | 3 | 3D, 3B (T.spiralis) , 6B (T. britovi) |
Total | 20 |
A: ピレネーゾリアンタル地方, B: バール地方, C: ピレネーザトランティク地方, D: オートガロンヌ地方, E: シェール地方 F: アルプマリティム地方, G: ブーシュデュローヌ地方, H: エロー地方, I: オード地方
地元の小児科医によるジアルジア感染の報告を憂慮したオレンジ郡健康局の担当官は2週間後に噴水の検査を行ったところ,その噴水はすでに閉鎖されていたが,塩素消毒の跡がなく,藻が繁殖して汚れており,排水が適切に処理されていないことや不適切な塩素用のポンプが使われていたことが明らかになった。
郡衛生局の疫学担当官は,噴水の見ずとジアルジア感染を結びつけるためにはさらに調査が必要だと述べたが,水の検査は,コストもかかり,何十リットルもの水を濾過する必要があるので現実的ではないとも述べている。「しかし,今回ジアルジアが見つかった子供たちは確かにその噴水と何らかの摂食があったことは間違いない」と述べ,最近10ヶ月の間に整備上の問題が理由で噴水が止まった3回目におきた事例であった。
【編集部】
噴水が原因でジアルジアに感染したというProMedへの報告はこれが最初である。しかし,同じ感染経路で,サイクロスポーラの感染はすでに報告がある。ジアルジアはサイクロスポーラよりも塩素殺菌に感受性があり,塩素殺菌が不十分な場合に集団発生がおきる。もし噴水の水が上水道から引かれたものであった場合,郡の飲料水がジアルジアに汚染されていることになり,塩素殺菌が必要である。
Pozuzoはペルーの中央高原森林地帯(いわゆるSelva alta)の標高800mに位置し,アンデス山脈の東斜面にあり熱帯多雨気候である。この地域でシャーガス病が報告されたのはこれがまったく始めてである。
【編集部】
パンアメリカン保健機構は,シャーガス病の流行地に住む人口を60万人と推測しており,1999年に行われた献血時の検査で,0.8%の陽性者が確認されている。
今回の症例は,ペルーにおける感染リスクのある人口推計の見直しを迫るものである。