患者さんへ

がん遺伝子パネル検査を希望される患者様へ
~個別化医療(患者さん一人ひとりに合わせた治療)を目指します~

がん遺伝子パネル検査を希望される患者様へ

当院で治療されている方

まずは、がん遺伝子パネル検査を希望することを、当院の主治医にご相談ください。

当院以外で治療をされている方

初めにセカンドオピニオンとしてがんゲノム相談外来を受診していただく必要がございます。
主治医の先生からの申し込み等の手続きが必要となりますので、主治医の先生にご相談ください。

*がんゲノム相談外来(セカンドオピニオン)についてはこちら

がん遺伝子パネル検査とは?

  • 同じがんに同じ治療を行っても、効果は患者さんによって差があります。これは、がん細胞で起きている遺伝子の変化が、人それぞれ異なるからです。
  • がん遺伝子パネル検査では、その一人ひとりのがん細胞に起こっている遺伝子の変化を調べます。
  • 検査を受けて治療可能な遺伝子の変化が見つかった場合、その変化に合わせた治療につながる可能性があります。
  • 保険診療で認められているがん遺伝子パネル検査は、次の5種類です。
    ・FoundationOne® CDx検査 がんゲノムプロファイル
    ・OncoGuide™NCCオンコパネルシステム
    ・FoundationOne® リキッド CDx検査 がんゲノムプロファイル
    ・Guardant360®CDxがん遺伝子パネル検査
    ・GenMineTOP がんゲノムプロファイリングシステム
    詳細は、この後に記載の「検査の種類と費用について」をご覧ください。

対象となる方(次の両方を満たす方)

  • 標準治療がない固形がん(原発不明がん、希少がん)、または局所進行・転移固形がんで標準治療が終了もしくは終了見込みとなった患者さん
    ※標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であり、患者様に推奨されている治療法です。
  • 検査施行後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した患者様
      (化学療法を受けることができる健康状態を維持している方という意味も含みます)
  • FoundationOne® Liquid CDx検査、Guardant360®CDxがん遺伝子パネル検査(いずれも血液を使っての検査)では、上記に加え、がん組織を使った検査ができない患者様、またはがん組織を使った検査を行い、検査結果が得られなかった方が対象となります。

がん遺伝子パネル検査から得られる情報

  • 遺伝子変異に基づいた治療薬の候補が分かる可能性があります。
  • 家族でがんになりやすい(遺伝性腫瘍)かどうかの可能性が分かる場合があります。

がん遺伝子パネル検査の限界

  • 検査をしても、遺伝子解析が不成功となる場合があります。また、全ての方で、必ず遺伝子の変異が みつかるわけではありません。
  • 治療効果が期待できる治療薬が見つかっても、保険承認されていない薬剤の場合があります。
  • 遺伝子変異に基づいた治療を行っても、十分な効果が得られない場合があります。

現段階では、どの遺伝子が変化しているか特定できない、または、遺伝子の変化が見つかっても治療薬がない場合など、新しい治療へ進められないことがあります。しかし、将来遺伝子の変化が判別できるようになったり、新たに承認される薬が出てくることもあります。

検査の際にお考えいただきたい事

遺伝子の変化が、遺伝性のものと分かることがあります。その場合、お子さんや、きょうだいなどの血縁者も同じ遺伝子の変化をもつ可能性があります。がんになりやすい体質と分かり、早めの対策を打つことができるメリットがありますが、患者様ご本人や血縁者への心理的・社会的な影響をもたらす可能性も考えられます。

検査の種類と費用について

保険診療で行っているがん遺伝子パネル検査

検査名 調べる遺伝子の数 検体の種類 費用 詳細情報
FoundationOne® CDx検査
がんゲノムプロファイル
324 腫瘍組織 ・検査費用56万円の1~3割(健康保険の自己負担割合に応じて)が自己負担となります。
・検査申し込み時と検査結果説明時の2回に分けてお支払い頂きます。
*高額療養費制度が利用できます。
*検査費用以外に診察料が別途負担となります。
リンク
OncoGuideTM NCCオンコパネルシステム 124 腫瘍組織+血液 リンク
FoundationOne® Liquid CDx検査
がんゲノムプロファイル
324 血液 リンク
Guardant360® CDxがん遺伝子パネル検査 74 血液 リンク
GenMineTOP がんゲノムプロファイリングシステム DNA:737
RNA:455
腫瘍組織+血液 リンク

がんゲノム情報管理センター(C-CAT)への情報共有について

がんゲノム情報管理センター(C-CAT)は、がん遺伝子パネル検査を受けられる患者様のこれまでの診療情報や、がん遺伝子パネル検査結果の情報を収集し、新たな治療薬や診断薬の開発等に役立てることを目的として国が設置しました。検査を行った医療機関には、C-CATから治療に役立つ薬剤や臨床試験の情報が提供されます。
医療機関はその情報も踏まえて、患者様に適した治療法を検討します。
がん遺伝子パネル検査を受けられる患者様には、匿名化をした上でC-CATへ情報を共有して良いかどうか伺います。
同意を頂いた場合のみ、C-CATに情報を共有いたします。

C-CATホームページ:https://for-patients.c-cat.ncc.go.jp/

検査の流れについて

その他のがん遺伝子パネル検査について

臨床研究で、血液でのがん遺伝子パネル検査を行っています。(自由診療)
この場合も、まずは主治医へご相談ください。
当院以外で治療をされている方は、がんゲノム相談外来(セカンドオピニオン)を受診していただきます。

がんゲノム相談外来(セカンドオピニオン)について

当院以外で治療をされている患者様が当院でのがん遺伝子パネル検査を希望される場合は、主治医の先生からがんゲノム相談外来の申し込みが必要となります。
主治医の先生から申し込みの際に必要な資料が届きましたら、当院のがんゲノム医療コーディネーターが患者様へ直接電話連絡を行い、がんゲノム相談外来の受診日を調整します。

  • 診察日時:月曜日・木曜日 14:00~15:00
  • 所要時間:1時間(診察45分、医師による報告書作成15分)
    ※診察終了後、診療情報提供書(返書)を患者様にお渡します。
  • 受付場所:1階ロビーの正面玄関入り左側「ご案内」カウンター
  • 診察場所:4階内科外来
  • 費  用:44,000円(消費税込み)

がんゲノム診療科について

がん遺伝子パネル検査を行う事となりましたら、がんゲノム診療科を受診していただきます。
受診日時については、がんゲノム相談外来(セカンドオピニオン)受診の際にご相談いたします。
がんゲノム相談外来を受診された方が受診される際は、初診扱いとなりますので、診療情報提供書をご持参ください。

  • 診察日時:月曜日・木曜日 9:00~12:00
  • 所要時間:30分程度
  • 受付場所:1階初診窓口
  • 診察場所:4階内科外来

がん遺伝子パネル検査 問い合わせ先

ご質問等はお問い合わせフォームからご連絡ください

お問い合わせフォームはこちら