HIV外被蛋白質gp41の3量体構造に特異的な抗体を誘導する
人工抗原ペプチドの合成
○大矢亜紀1、中原 徹1、野村 渉1、大庭賢二2、田中智博1、橋本知恵1、鳴海哲夫1、村上 努2、山本直樹2、玉村啓和1、3
1 東京医歯大・生材研、2 国立感染研・エイズ研セ、3東京医歯大・疾患生命研
第46回ペプチド討論会.北九州, 2009年10月4−5日
HIVワクチンの開発は、今なお困難を極めているが、新しい作用点に着目しワクチン開発を目指した。HIV外被蛋白質gp41のhelix領域にあるN36 3量体構造は感染初期過程の膜融合で重要な働きをする。そこで、その構造を特異的に認識する抗体を誘導するための抗原分子を合成し、誘導された抗体により膜融合及び感染を阻害することができると考えた。まず、3量体構造を保持させるために等価なリンカーを持ちC3対称性の新規低分子テンプレートを合成した。その上にN36を集積することでN36 3量体を模倣した抗原分子を創製した。その後マウスを用いた抗体誘導実験により、3量体構造を特異的に認識するHIV中和抗体が誘導されることを確認した。