2009 lecture series

    103rd IBB Seminar

CD4 mimic small compoundsは中和抗体のためのmaster keyとなる得るか?

-新規低分子化号物による抗HIV-1中和抗体感受性の特異的増強-

Abstract:  In vivoに存在するHIV-1に対する中和抗体の多くはウイルスの外被糖タンパク(Env)に反応エピトープが保存されているにもかかわらず、中和能がほとんど見られません。これは、Envが三量体を形成しその立体構造によりエピトープを遮蔽しているためと考えられています。この立体遮蔽を解除し中和抗体が中和エピトープに到達可能となれば、既に体内に存在する多くの抗体でウイルスを中和できるようになると考えられます。このような化合物を開発することは、ウイルスの中和抗体からの逃避メカニズムを知る上でも重要なツールになります。また、今後臨床使用が予定されている、治療用抗HIV-1抗体との併用薬剤としても有望となると考えています。このようなEnvに立体構造変化を起こさせる低分子化合物の候補としてNBDシリーズを玉村研と共同でこれまで開発を続けてきました。今セミナーでは、現在までの研究の結果と、将来的なAIDSの治療薬としての可能性等も含めてお話ししたいと思います。

講師:熊本大学エイズ学研究センター講師
    吉村 和久先生

日時;平成21年6月30日(水) 13:30〜14:30
会場:東京医科歯科大学 生体材料工学研究所
    会議室(1階)

吉村先生とのディスカッション