NIHでの海外研修報告

2008.7〜8 東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 大橋 南美

bldg.10からの眺め

私が所属します東京医科歯科大学生体材料工学研究所が開講する「医歯工連携による人間環境医療工学の構築と人材養成プログラム」の一環として、20087月から1ヶ月の間、アメリカ、メリーランド州のフレデリックとベセスダにある National Institutes of Health (NIH)National Cancer Institute (NCI)にて海外研修を行ったので、報告します。

このベセスダに拠点をおくNIHは、米国政府機関the U.S. Department of Health and Human Servicesの一部で、27の研究機関およびセンター施設からなり、世界中の研究者に対して指導力や財政的な援助を提供しています。NIHを構成する機関の1つであるNCIは、世界で最も大きながん研究機関として、研究室レベルのがん研究と、そこでの成果を迅速に実際の治療現場で活かすために支援などを行っています。
私はNCI-フレディック Center for Cancer Research, Laboratory of Medicinal ChemistryChief, Victor E. Marquez 博士の紹介のもと、およそ一ヶ月間の海外研修期間中のほとんどを、ベセスダキャンパスのBldg.37にあるCenter for Cancer Research, Laboratory of Cancer Biology and Genetics, Molecular Mechanisms of Tumor Promotion Section Chief, Peter M. Blumberg博士の研究室にお世話になりました。研究室のメンバーは私を含めて13人で、ハンガリー、中国やロシアなど色々な国から集まっていました。
Peterの研究室では、ラジオアイソトープを用いて、がんプロモーターであるホルボールエステルとその受容体との結合活性をscatchard解析により測定し、その受容体を標的にした合成リガンドのKi値をホルボールエステルとの競合阻害実験により出す方法を確立しています。私のアメリカでのテーマは、このアッセイ法の取得でした。
NIHでの1ヶ月は、思っていた以上に濃厚なものでした。海外に不慣れということもありますが、世界各国から人や情報が集まるNIHでは、刺激を受けるものが多すぎでパンク気味の日々でした。最初のうちは不安だらけでしたが、Peter博士をはじめPeter研のみなさまの心強いサポートのおかげで、無事に1ヶ月をおえることが出来ました。厚く御礼申し上げます。
また、今回の海外研修の機会とご支援をいただいた生材研人材養成プログラム実行委員の先生方にこの場をかりて、厚く御礼申し上げます。アメリカでの経験を、日々の実験生活に活かしていきたいと思います。

peter研のメンバーと

peter研のメンバーとの会食