2007 lecture series

68th IBB Seminar
- 糖タンパク質化学合成法の開発 -

講師: 北條裕信助教授
東海大学工学部生命化学科

日時:平成19年1月23日(火)10:00~11:30
会場:東京医科歯科大学 生体材料工学研究所ゼミナール室(3階)
Abstract: 天然に存在するタンパク質の約半分は、翻訳後に糖鎖付加を受けた糖タンパク質として存在している.これらの糖タンパク質糖鎖は,細胞の増殖、分化,あるいはがん化など様々な生命現象に関与していることが知られている.しかし、その重要性にも関わらず,糖鎖機能の分子レベルでの理解は、まだあまり進んでいない.その大きな原因の一つは、糖タンパク質糖鎖のミクロ不均一性の問題にある。糖鎖は、種々の糖転移酵素の働きにより生合成されるため,同じポリペプチド鎖を持っていてもその糖鎖構造には多様性が存在している.このため,通常のタンパク質のように、明確な構造と機能との間の相関関係を見いだすのが困難であるのが現状である。
 我々は,このような問題点を解決するため、糖タンパク質の効率的な化学合成法を確立し,均一な糖鎖を持つタンパク質を種々合成することにより,糖タンパク質の構造と機能の相関関係を明らかにする方法を試みてきた.このセミナーでは、我々がこれまで開発を進めてきた糖タンパク質化学合成法について解説するとともに,今後の展望についても触れる予定である.
糖タンパク質化学について講義していただきました。
講義風景。