膝疾患の治療-軟骨再生医療について

滑膜幹細胞による軟骨再生医療

私たちは滑膜由来の幹細胞を関節鏡下で移植する軟骨再生医療を行っています。
より良い治療法を開発するために2000年より積極的に研究を進めております。

私たちの軟骨再生医療に関する研究

軟骨損傷 滑膜 自己血清の準備
軟骨損傷 滑膜 自己血清の準備
関節軟骨を外傷などによって欠損した場合、正常には戻らず、痛みの原因になることがあります。また軟骨欠損が大きい場合、変形性関節症の原因になります。 滑膜は関節の空間を裏打ちする膜です。およそ0.5グラムの滑膜を採取します。滑膜を採取しても問題になることはありません。 あらかじめ、200-300mlの血液を採血し、血清成分を用意します。細胞を増やすには血清成分が必要ですが、私たちの方法は、ご自分の血液成分を使用するので、感染症や免疫の問題がなく、安全です。
滑膜の酵素処理 幹細胞の培養 細胞治療センター
滑膜の酵素処理 幹細胞の培養 細胞治療センター
滑膜を酵素処理して細胞を取り出します。 滑膜細胞を自己血清を使用して14日間、培養します。およそ5000万の幹細胞がとれます。写真は染色した細胞のコロニーを示しています。 細胞培養は当院に設置している細胞治療センターで無菌的に行われます。
関節鏡下の移植(1) 関節鏡下の移植(2) 関節鏡下の移植(3)
関節鏡下の移植(1) 関節鏡下の移植(2) 関節鏡下の移植(3)
細胞の移植は軟骨欠損部位を真上に向けて、関節鏡で観察しながら、注射器で移植します。 軟骨欠損部に注射器の針を刺入したところです。 軟骨欠損部に幹細胞の浮遊液を10分間静置すると、およそ6割の細胞が軟骨欠損部に接着します。残りの接着しない細胞はもとの滑膜に戻ります。
MRI (4日後) MRI (2ヶ月後)
MRI (4日後) MRI (2ヶ月後)
細胞移植4日後のMRI像です。まだ、軟骨欠損部が観察されます。 細胞移植2ヵ月後のMRI像です。軟骨欠損部が軟骨様の組織ですでに覆われています。

このように、私たちの方法は関節鏡視下で行うことができます。
侵襲が小さく、人工素材を使用しないのでより安全です。

再生医療を希望される患者の皆様へ

原則として整形外科医からの紹介状が必要です。
紹介状をご用意の上、お電話で関矢が休診でないことをご確認下さい。
すでに検査を行なわれているのであれば、受診の際にレントゲンとMRIをお持ち下さい。

お問い合わせ先:整形外科外来 03-5803-5678

滑膜由来の幹細胞を使用する膝関節軟骨の再生医療

対象は大腿骨側の軟骨欠損の場合に限らせていただきます。
また相対する脛骨・膝蓋骨の軟骨や、半月板に著明な障害のない膝が条件となります。
(人工膝関節置換術をすすめられている方は対象にならないことをご了承ください。)

膝関節軟骨の再生医療に関する臨床研究は、目標症例数に達したため、現在休止しております。
再開時期は未定です。決まり次第、ホームページ上でご案内致します。

滑膜由来の幹細胞移植による半月板縫合術後の治癒促進

現在、臨床研究を行っております。
対象は従来の縫合術では癒合する可能性の低い半月板損傷・障害の方に限らせていただきます。
(半月板をすでに切除されている場合は対象になりません。)

ページトップへ