研究・活動 Research and Activities
教授あいさつ Introduction
当研究室は,2000年に歯学系に属する免疫研究室として新設されました。免疫システムは生体防御の基本であり、生命現象を考える医歯学研究にますます不可欠なものとなりつつあります。免疫システムを考えた時,口腔領域は決して特別なものではなく,他の領域と同様の免疫システムが成り立っています.医歯学/生物学の幅広い立場から免疫システムの解析に取り組み、病態解明と治療法の開発に取り組んでいきたいと思っています。学部を問わず免疫システムに興味をもつ学生さんおよび先生方に是非研究室を盛り上げていただきたいと思います。どうか皆様方の暖かいご指導とご支援をお願い申しあげます。
研究指針 Research Guideline
単一遺伝子や分子の異常で生じる病気は少なく,ほとんどの病気あるいは病的状態は,細胞と細胞間の相互反応における少しの異常が,さらに様々な因子によって反応増幅された結果,ひとつの病態を形成するものと考えます.人間社会における人間関係が複雑多岐であるのと同様に,生体における細胞社会も多様な細胞と細胞の相互反応によって一連の生体反応が起こり,これらに支えられて生命現象が営まれています.人間社会におけるコミニュケーションの手段は言葉・表情・スキンシップですが,細胞におけるコミニュケーションの手段は膜表面の機能分子とそのリガンドとの結合であり,また細胞が分泌する可溶性分子とそのレセプターへの結合であったりします.この多様で複雑な細胞社会学をできるだけ整理し,その機構を解明することが,病態の解明および治療につながっていくと考えています.
当研究室では,免疫担当細胞と組織を構成する細胞表面に発現されるタンパク質である細胞表面機能分子の役割を中心に研究を進めています.