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1998. 1. 11. 柴田達也、大谷啓一

写真撮影法

第1共同利用室にあるZeiss Axiophot の写真撮影装置を例にとって説明します。

透過光カラー写真撮影

  1. カメラにISO 400 フィルムを装填する。透過光像のみを撮影する場合はISO 100 フィルムでもOK。
  2. カメラのISO 値をフィルムのISO 値にあわせる。
  3. 写真撮影装置の設定

    1)相反則不軌(RECIPROCITY)補正

    マニュアルに掲載されているフィルムの補正値を入力する。RECIPR キーをおして、数値をいれ、ENTER キーをおす。

    2)露出補正設定ボタン

    明視野検鏡:+2/3 〜+1 

    位相差検鏡または微分干渉検鏡:0 〜 +2/3 

    3)Lamp 3200K キーをおす。

    ハロゲンランプ光源の色温度が3200K となる。色の正しい再現に必要です。
  4. 色温度変換フィルター(Color Conversion Filter )をいれる。

    フィルムがデーライトタイプのとき、色温度が5500K で適正な色になる。色温度変換フィルターをいれることで、3200K が5500K に変換される。視野絞り上にフィルターが2枚(CB3とCB6)あり、あわせてCB9となっている。(なお、鏡体基部についているCCFはCB12である。)

  5. NDフィルター(Neutral Density Filter )をいれる。

    NDフィルターは、色温度を変えずに明るさを変えるフィルターである。明るすぎてシャッターがきれないときに使用する。観察視野の明るさは変化するが、写真の映りには影響しない。

  6. 接眼部の光路切り替えレバーを真ん中の位置にして、調光フレームをいれ撮影範囲を確認し、レバーを完全にひいてシャッターをきる。
  7. 通常透過光の場合、露出補正値を±2程度シリーズ(1/3)で撮影すると失敗が防げる。
  8. 必ず撮影条件の記録をノートなどにつけること。
  9. スケールを忘れずに撮影すること。

 

*対物レンズをかえたら、あるいは検鏡法をかえたら、ケーラー照明を調整しなおすことが望ましい。

 

蛍光写真撮影

  1. カメラにISO 400 フィルムあるいはより高感度のフィルムを装填する。
  2. カメラのISO 値をフィルムのISO 値にあわせる。
  3. 写真撮影装置の設定は透過光撮影に準ずる。

    1)相反則不軌(RECIPROCITY)補正

    2)露出補正設定ボタン

      蛍光検鏡:-2 〜 -3

  4. 調光フレーム(暗くしておく)をいれて撮影範囲を確認し、光路をカメラ側にきりかえてシャッターをきる。観察時にAtto ArcTM にて励起光量をおとしている場合は適当な強さにすること。
  5. 撮影時間が異常に長いとき(30秒以上)は、光路や切片をチェックする。
  6. *褪色の起きやすい蛍光像を記録するには、観察よりも写真を撮ることを優先する。この場合、観察する前にピントを合わせてまず写真撮影を行うこと。また、同一視野で蛍光像と透過光像を撮影する場合、少しでも褪色を防止するために蛍光像から撮影すること。
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