東京科学大学病院支援基金・市民公開講座 「未来の医療を支える 最先端の研究を知る」 が終了
2025.3.11
病院支援基金の活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
2025年3月10日に開催いたしました東京科学大学病院支援基金・市民公開講座 「未来の医療を支える 最先端の研究を知る」 が、多くの皆様にご参加いただき、無事に終了いたしました。
当日は、藤井病院長によるご挨拶 から始まりました。病院長からは、東京科学大学病院の成り立ちや、医学・歯学・理工学が融合した高度な医療の提供を目指す当院の理念、そして最先端医療を支える支援基金の重要性についてお話がありました。
続いて、平川晃弘教授 による 「新しい薬はどうやって生まれる? ~臨床試験の仕組みとパンデミック時の挑戦~」 に続いて、森雄太郎助教 による 「患者さん由来の3次元『ミニ腎臓モデル』~慢性腎臓病を『治せる』病気に!~」 の講演が行われました。
最新の医療研究に関する貴重な知見が共有され、本講座が医療の未来について学ぶ場としてお役に立てたことを嬉しく思います。
本講座は、東京科学大学病院支援基金 の支えにより実施されております。より良い医療の実現に向けた研究の推進と診療体制の充実のため、引き続き皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。ご寄付の詳細については、以下のリンクをご覧ください。
また、今後も最新の医療研究や治療技術をテーマに、市民公開講座を継続的に開催してまいります。ご興味のある方は、ぜひ次回以降の講座にもご参加ください。
次回の開催情報は随時お知らせいたしますので、お申込みをご検討いただけますと幸いです。
皆様のご参加とご支援に、心より御礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
東京科学大学病院支援基金
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平川晃弘先生からのメッセージ
今回の市民公開講座では、新薬開発や臨床試験の基本的な仕組み、さらにパンデミック時の臨床試験の課題についてご紹介いたしました。
ご参加いただいた方々にも、臨床試験におけるデータサイエンスの役割や、患者や市民の皆さまのご協力が重要であることをご認識いただけたと思います。
一般の皆さまへのメッセージとしては、医薬品開発や臨床試験は決して遠い世界の話ではなく、自分自身や家族、大切な人の健康を守るうえで深く関わる活動であるということです。新しい治療法を生み出すためには、多くの知見が結集し、参加いただく方々の理解と協力が不可欠です。今後の研究としては、個別化医療に向けた革新的な臨床試験デザインや、ビッグデータを活用した解析手法の発展など、効率的かつ倫理的に患者さんの負担を軽減しながら、有効性と安全性をより確かな形で評価できる仕組みづくりを目指して取り組んでいく所存です。
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森雄太郎先生からのメッセージ
今回の市民講座では、私どもが進めている慢性腎臓病についての創薬研究についてお話をさせて頂きました。
慢性腎臓病が十分な治療法のない、大きなアンメット・メディカル・ニーズであることをお伝えできたのではないかと思います。このような場で、腎臓病領域の解決すべき課題につきまして、皆様にお話させていただくことができたことを、大変嬉しく思っております。
慢性腎臓病は非常に複雑な疾患であることから、実験室での研究成果を実際に創薬などの形で社会実装するには、かなりの工夫と長い時間、多額の費用が必要となります。私どもは、患者さん由来の疾患モデルを用いるという工夫により、この難題の解決に力を尽くしたいと思っております。
一般の皆様におかれましては、慢性腎臓病がこのように解決すべき社会課題であること、それを解決する様々なアプローチが求められていることをご理解いただければ幸いに存じます。
今後私どもは、候補治療薬の提示やその薬効評価などの形で最終的な創薬を目指し研究に邁進していくつもりでございます。どうかご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。