4.顎関節症の治療
セルフマネージメントの重要性
一般的な注意
- 歯の食いしばりを必要とするような動作は避けてください.
- 正しい姿勢を心がけるようにしてください.
- 頬杖やうつぶせ読書は避けましょう.
- 急に顎を動かす動作は避けてください.
- あくびをするときには大きく口を開けずにすむようにしてください.
- 関節や筋肉を冷やしすぎないようにしてください.
- 長時間の会話や,大きな口をあけて歌う動作は避けてください.
- 爪,鉛筆などをかむのはやめましょう.また,管楽器の演奏も症状が出ているときは避けてください.
- 緊張の持続は,無意識のうちに全身の筋緊張を招き,顎の筋肉も緊張します.時折,緊張を開放することが必要です.
食事での注意
- 咀嚼するのにかみしめる必要のある硬い食品はさけて,関節や筋肉に余計な負担をかけないようにしてください.
- 痛みが強い時は無理に行う必要はないですが,食物を咀嚼するときはなるべく両側の奥歯を使ってください.
- 長時間にわたってガムをかんだり,かみしめるのはやめましょう.
就寝時の注意
- 睡眠不足は体の緊張を招いて顎関節や筋肉がリラックスできず,歯ぎしりや食いしばりの原因になります.睡眠をとりやすい環境を作り,ご自分の体の睡眠と活動のリズムを知るようにしましょう.
- うつ伏せで寝ると,関節や筋肉を圧迫して痛みが出やすくなるので,なるべく仰向けで寝るように習慣づけましょう.
スポーツについての注意
- 全身的な運動は血液の循環が改善され筋緊張をほぐしてくれます.ただし,激しい運動や強いかみしめが必要なものは避けてください.
- 寒いところで行うスポーツの場合,寒さで痛みが強くなる恐れがあります.
- 格闘技など顎に打撲が生じやすいスポーツも避けてください.
- スキューバダイビングは比較的長時間マウスピースをかみしめ,また関節や筋を冷やす可能性があるため,症状が出ている場合は避けてください.
- ウィンタースポーツも関節や筋を冷やす可能性があるため,症状が出ている場合は避けてください.
関節や筋肉が疲労するので,たとえ調子のいいときでも上記には十分注意してください.