硬組織構造生物学分野 | last updated 2021/11/24 |
組織実習準備室と組織標本についての覚え書き
昭和4〜39年
1946〜55年
実習用の組織標本を作り始める。【第1世代の組織標本】
ヒトのパラフィン標本とセロイジン標本が多い。封入剤はほとんどがバルサム。
切片ラベルは、総論が黒字、各論が赤字、口腔組織は水色で分類。すべて手書き。
作製者: 日熊技官、楠田忠夫技官、湯浅泰仁(院生)
昭和40〜63年
1956〜88年
引き続き、さまざまな実習用標本を作製。
また、さまざまな動物や魚類の歯の組織標本を作製。
平成8〜18年
1996〜06年
実習用の組織標本を追加作製。【第2世代の組織標本】
サル、イヌ、マウスなども使う。パラフィン標本とテクノビット標本など。
切片ラベルは、無番号表記で、スタンプ印字。
技官: 田代寛一郎、山本俊光、新鞍美保子、習田洋子、井関八郎平成26〜27年
2014〜15年
7号館2階の組織染色実習室 を大学に返還。これを契機に1階の組織実習準備室を改修。
古い収納庫を廃棄し、古い機材や各分野の教材の収納場所を変更。
標本整理をマッペから引き出し型に変更し、収納効率をあげる。作業スペースも確保。
作業協力: 顎顔面解剖学分野平成25〜現在
2013年〜
実習用の組織標本の追加作製。【第3世代の組織標本】
3世代すべての標本をエクセルで管理して、再整理。
器官や組織ごとに分けなおし、アルファベットと数字の組み合わせで表記。
切片ラベルはすべてカラー プリンター印字。すべてに、新ラベルを貼る。
破損スライドを修復し、退色した標本は再染色または作り直しを行う。
学生による標本作製も恒例となる。ラットなどの小型動物をうまく使う。
骨、関節、顎関節、さまざまな軟骨、内耳など、難易度の高い標本も作製するようになる。
作業者: 杉浦真琴(技官)、山本智子(秘書)、学生多数。
令和2〜現在
2020年〜
コロナ禍のため実習用スライドをバーチャル化して在宅実習 ができるようにした。
また、これを用いて、下記刊行。
田畑純、杉浦真琴 「バーチャルスライド口腔組織学」 羊土社 2021
1) 破損標本の修復(東日本大震災での破損標本も含む)。皆様のご協力をいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
2) 学内外に分散していた骨標本の集約に努めています。
3) ご寄贈があれば歓迎します。
4) 教育資産、研究資産としての活用を目指しています。
骨標本室と骨標本についての覚え書き
昭和5〜20年
1930〜45年
骨標本室を本館(現在の2号館)に設置。島峰先生が、頭蓋骨を収集。
初代学長の島峰徹先生が大型予算を確保して、多くの貴重な骨標本を収集。【第 1世代の骨 標本】
外国からは完成した骨標本の購入だったが、国内からは取得後に標本化した模様。
初代教授の藤田恒太郎先生が標本作製と整理を率先して行い、すべての骨に通し番号を振る。昭和20年
1945年 3月と4月、東京大空襲で本学はほとんどの建物を焼失。
幸いにも本館(標本室)は焼失を免れる。
昭和21〜40年
1946〜65年
上野動物園などから動物の提供を受けて標本作製。
昭和46年
1971年
骨標本室を1号館6階に移動。
この時期に萬年甫、小川鼎三、窪田金次郎先生らが標本を提供。【第2世代の骨標本】
平成23年
2011年
3月11日、東日本大震災。標本棚と骨標本(一部)が損 壊。
平成27年
2015年
標本台帳をデジタル化。本格的な標本の再整理調査を始め る。
平成28〜29年
2016〜17年
標本室の大改修。不要標本を廃棄し、すべての標本を再整理 し た。
標本整理に当たっては、科博の人類学教室、動物学教室の方法を参考にする。
作業協力: 法歯学分野、大学事務、歯学部事務平成29〜現在
2017年〜
骨標本を活用して、田畑純が連載「新十二歯考」を歯界展望 にて 執筆(〜平成30年)。
この連載のために作製した標本などを田畑が寄贈。【第3世代の骨標本】
2017年度から法歯 学分 野がヒトの頭蓋骨および骨盤標本を実習に使 用開始。
学内外に分散している標 本の集約と破損標本の修復を継続的に 行っている。
主な作業者: 田畑純、杉浦真琴(技官)、山本智子(秘書)
令和2年
2020年〜
動物の骨標本や組織標本を用いた下記書籍を刊行。
田畑純 「新十二歯考:十二支でめぐる歯の比較解剖学」 医歯薬出版 2020