硬組織構造生物学分野 last updated 2021/11/24

研究 Research

■1.主要なテーマ

当教室は、組織解析、細胞培養、分子生物学的手法を基盤として、下記のような研究に取り組んでいます。

Tooth germ
歯胚発生の研 究   Research of Tooth Germ Development

マウスの臼歯は、ヒトの歯とよく似た形態であり、器官培養が可能です。そこで、培養歯胚を用いて、歯胚の発生に関与している 因子の機能や相互作用を研究しています。上皮間葉相互作用に関わる因子の解明と歯冠の凹凸形成のメカニズ ムを知るこ とが、最終目 標です。
エナメル芽細胞
エナメル芽細 胞の研究 Research of Ameloblast Differentiation & Function

ラットの切歯は常に伸び続ける歯(=常生歯)であるため、その唇側面ではエナメル質形成が常に起こっています。そこで、この 上皮部分から細胞を調整し、無血清培地を用いた初代培養を行って、エナメル芽細胞の研究を行っています。
regenerated scale
魚類のウロコ や歯の研究  Research of Fish Scales & Teeth

魚類のウロコは、歯と起源を同じくする器官で、その組織や発生様式、発生段階の発現遺伝子などに共通性があります。そこで、 歯の起源や進化を探る目的で、キンギョ、メダカ、ガーパイク、ポリプテルス、サメ、シーラカンスなどのウロコや歯を用いて、 研究をしています。
ISS
魚類を使った 宇宙実験  Space Experiments using Fish

2010年にキンギョを用いた宇宙実験 Fish Scales が実施されました(田畑)。また、2012年にはメダカを用いた宇宙実験 Medaka Osteoclastが実施されました(高野)。どちらも国際宇宙ステーション(ISS)で行われた微少重力下での骨代謝実験です。
Hystrix 歯の比較形態 学  Comparative Morphology of the Tooth

本学歯学部が持つさまざまな動物の骨標本と組織標本を使って、記載研究を行っています。比較解剖学、比較組織学、進化 などの研究を展開しようと考えています。



■2.主な実験技術

組織学
標本
作製
各種固定液の選択、灌流固定法、浸漬固定法、各種脱灰法、
パラフィン切片、凍結切片(川本法含む)、リゴラック包埋−研磨切片、
テクノビット切片、エポン切片、ビブラトーム切片、全載標本、塗抹標本
透過電顕試料作製、走査電顕試料作製
染色
ヘマトキシリン・エオシン染色、トルイジン・ブルー染色、 特殊 染色
免疫組織染色、酵素活性染色、電子染色
観察
光学顕微鏡(偏光、蛍光、位相差、微分干渉、暗視野、共焦 点 レーザーなど)
透過電子顕微鏡、走査電子顕微鏡、各種撮影法
細胞培養
器官培養、組織培養、細胞培養、腎被膜下培養、TDL法、 トロ ウェル法
ハイブリドーマ作製、RI標識実験、BrdU標識実験、タイムラプス観察、
培養後の組織解析、アンチセンスオリゴの設計、アンチセンス法、ビーズソーク法
タンパク解析 
組織からのタンパク抽出、タンパク定量、SDS- PAGE、二 次元電気泳動、
ウェスタン・ブロッティング、ドット・ブロッティング、ELISA法、
動物免疫、力価検定、抗血清作製、モノクローナル抗体作製、免疫組織染色
遺伝子解析
組織からのRNA抽出、RNA定量、DNA定量、cDNA 作 製、
各種プライマー設計、PCR、バンド抽出、TAクローニング、プラスミド操作、
大腸菌の形質転換、シーケンス解析、Dig プローブ作製、in situ ハイブリダイゼーション
形態学
晒骨標本作製、透明標本作製、軟X線撮影、フィルム現像、 写真 の焼付



■3.大学院生の受け入れ

当分野の研究テーマに興味がある方であれば、受け入れます。次のような要領です。
  1. 修士課程、博士課程、いずれも受け入れます。
  2. 歯学部外の出身者でも受け入れます。ただし、本人の努力が前提です。
  3. 本人の希望を可能な範囲で受け入れ、ひとりひとりに違うテーマを与えます。
  4. 基本を重視し、技術をきちんと身につけ、自分で研究を進められる人を育てます。
  5. 臨床からの受け入れも可能です。
  6. 他大学在籍者の特別研究生としての受け入れも可能です。
いつでも、メール等でお問い合わせください(田畑まで)。



■4.過去のテーマ
 

生 物 学的 石灰化機構  Mechanisms of biological mineralization.
生体硬組織 は一般に基質小胞を核とする初期石灰化と、添加的石灰化が連続して進行するといわれるがこれは概念的な区別であり、基質小胞が関与しない 石灰化も、基質小胞が常時関与している石灰化もある。正常軟組織への石灰沈着を防ぐ仕組みも明らかでない。多様な生物学的石灰化制御 機構 の本態を探る。

歯と歯周 組織形成機構の解明と再生誘導 Regeneration of dental and periodontal tissues.
歯と歯周組 織形成過程の詳細な解析データを基に、vivoと細胞・組織培養系を用いてこれら組織の形成誘導因子の特定とその発現パターン、消長経過を解析し、再生誘 導の可能 性を探る。

骨・軟骨 の細胞生物学  Cell biology of the bone and the cartilage
骨や軟骨の 形成と代謝にかかわる細胞の起源、分化、機能発現、それらを制御する局所的、全身因子について形態学的、分子・細胞生物学的に検討し、生体硬組織の形成と 代謝の仕 組みを明らかにする。

反 応拡散 系に基づく歯の形態形成機構  Non-genomic regulation of tooth morphogenesis
象牙質の石 灰化条やエナメル質の成熟期に発現する動的な周期パターンは、既知の生体リズムでは説明できない。この特異な周期現象の本態を動物実験系と非平衡化学反応 系を用い たシミュレーションモデルを用いて解析する。



HOME へ