受験生の諸君へ
歯学部長 田上 順次


 東京医科歯科大学歯学部には附属専修学校として歯科技工士学校が設置されています。
 歯科技工士学校は昭和4年,本校の前身である技工士養成科が唯一の国立の施設として東京高等歯科医学校(東京医科歯科大学の前身)に設置されたのが始まりで,その後,昭和27年,現在の歯学部附属歯科技工士学校となったもので,国立の歯科技工士養成機関としては我が国最古の歴史と伝統を持ち,歯科技工学の発展を牽引することによって我が国の歯学に多大な貢献をしてきました。
 当校はお茶の水の高台にある東京医科歯科大学の構内にあり交通至便の地に位置し,付近には湯島聖堂を始め,数々の大学,医科大学病院等があり,文化の中心地でもあります。このような地の利を生かして,本学には国内はもとより諸外国からの来客が数多く訪れるところであり,情報の収積基地であって,また発信基地でもあります。
 皆さんは入学すると,このお茶の水の地で,講義や実習,あるいはクラブ活動などの学生生活を送るわけですが,特に臨床実習は我が国随一の近代的設備を持った歯学部附属病院で行われるため,患者さん対象の内容の濃い実際に即した技能が修得できます。またこの臨床実習では,歯学部専任の歯科医師,歯科技工士の教員から直接指導を受けます。
 皆さんもご承知のように近代歯学の発展はまことに目覚ましいものがあり,とくに近年の再生歯科医学などの発達は,歯科治療の方法にも大きな変革をもたらしつつあります。これからの歯科治療は歯科医師一人だけでできるものは数少なくなり,歯科医師,歯科衛生士,歯科技工士の三者が分担協力して行わなければ完全な治療ができなくなって来ております。これから歯科技工士学校へ進学される皆さんは,コ・デンタルスタッフとして歯科医療の一翼を担う重要な位置付けが要求されてきております。
 21世紀の新しい歯科医療の確実な担い手となる皆さんは,まさに未来歯学からの留学生ということができましょう。日本の歯科医療の水準を一層高め,広く未来社会の要請に応えてくれる期待を込めて,歯科医療への熱意に燃える皆さんと本学でお目にかかれる日の来ることを心から待っております。



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