歯科技工とは

歯科技工士学校長 三浦 宏之


口腔(こうくう)領域の健康を維持し、おいしく食べる、おしゃべりをするということは、人間の基本的な楽しみでもあり、健康の維持に大変重要です。また歯並びや歯の色が原因で、その人の性格や社会的な活動にまで影響することも少なくありません。そうした意味で歯科医療は、私たちの心身の健康や社会性に大きな関連性を持っています。

「うまく噛めない」、「むし歯を治したい」、「外観が悪い」といった患者さんの訴えに対して、疾患の治療とともに、歯の本来の働きや、審美的な外観を回復して初めて患者さんの満足が得られます。患者さんの満足が得られなければ治療が終了したことにはなりませんから、それら技工物を製作する歯科技工士の果たす役割は大変重要で、その技術により、治療の結果に大きな差になってあらわれてきます。歯の色や形、口の形態はひとりひとり異なっており、審美的で自然な色調の歯に回復させたり、よく適合した機能的な義歯を作るには、高度な歯科技工士としての訓練が必要です。

歯科技工士の資格は、歯科技工士学校または養成所で指定された教科を履修し、歯科技工士試験に合格することで得ることができます。本学は東京医科歯科大学の湯島キャンパスにあり、専任講師の他、教育に参加する歯学部の教官、教育設備など世界に誇りうる陣容といえます。また2学年で行われる臨床実習では、附属病院に通院する患者さんの技工物を担当し、実際の医療の現場を体験することになります。これまでにも多くの人材を輩出し、歯科医療や教育に本学は貢献してきており、さらに将来の発展が期待されています。


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