歯髄生物学分野は,本学歯学部附属病院においてう蝕制御学分野と共にむし歯外来を担当している.主にグローバルスタンダードな歯内療法を国民に提供することを目的として診療にあたっている.以下にその代表的な処置内容を挙げる.
・歯内療法の診査・診断
・歯内療法の治療計画・予後観察
・生活歯髄の処置(歯髄の保護,象牙質知覚過敏症処置)
・非外科的歯内療法
・外科的歯内療法
・歯の漂白
・歯内療法後の歯の修復
歯内療法はここ数年で大きく変化している.新材料であるニッケルチタンファイルによる根管形成,新機器である新世代の電気的根管長測定器,そして外科用実体顕微鏡を用いたMicroendodonticsなどである.特にMicroendodonticsは今まで「手探りで行ってきた歯内療法」を,明視野で拡大して見ることにより歯内療法の各ステップでの処置が確実かつ容易で予知性の高いものとなり,「より確実な歯内療法」へと変化させた.いずれの処置においても,本分野における基礎的実験や取捨選択された情報収集による科学的根拠に立脚したevidence-based dentistryが臨床にフィードバックされるように,臨床報告などの評価を行っている.
当教室では歯内治療学のより一層の知識・技術の習得を目指す若手歯科医師のために,卒後教育プログラムを作っている.
このプログラムの目標は,
1)歯内治療学基本的知識の再確認と基本的技術の向上
2)歯内治療の先進的知識と応用的治療技術の集積
にある.
また,次の時代を担い,国際的に活躍できる歯内治療学の指導者,研究者を養成するために,大学院研究科のプログラムも併せて設置してある.このプログラムの教育目標は,
1.歯学・医学および生命科学におよぶ幅広い基礎知識の理解
2.問題発見・解決能力および研究成果の発表能力の育成
3.高度の臨床知識を持った臨床研究者の育成
4.研究意欲に富んだ臨床医の育成
にある.
当教室では以前より国際的な人的交流を推進していたが,留学生のための卒後教育・大学院研究科プログラムを明確にし,より広い門戸の開放と国際的な知的および人的交流をさらに促進している.
行先: [ホームページ]