東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 歯髄生物学分野

教育方針

  歯内療法学は,歯の硬組織,歯髄および根尖歯周組織の疾患の原因,病態,診断,治療ならびに予防を考究する臨床歯学の一分野である.歯髄は周囲を硬組織に囲まれた特殊な環境下に置かれている.歯を保存し,口腔内で十分に機能させるためには,その特徴をよく理解し,歯髄の保護に努める必要がある.他方,歯髄疾患を放置すれば,やがて歯髄死を招き,根尖歯周組織疾患を生ずるに至る.歯内療法学はこれらの歯髄疾患や根尖歯周組織疾患の予防や治療により,歯を生体に為害性を及ぼさない状態で保存し,永くその機能を営ませることを目的としている.

 歯内療法の基本は,外科的処置と考えられるので,厳密な無菌的処置が要求される.特に歯髄や根管の処置は,口腔という狭く汚染されやすい部位で行われ,直視直達が困難な場所での複雑な治療術式のため,制腐的な考慮を十分に払って操作を進めることが重要である.加えて,歯内療法では歯痛の機序および歯痛のコントロールに関する知識が重要である.また,歯痛で苦しんでいる患者への同情と心理の洞察を行うことにより,信頼関係が築ける.                   

 以上のように,歯内療法の重要性を理解させることを基本理念とし,講義ならびに実習を進めている.

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