(15)バイオサイエンス

Bioscience

 

山 梨 裕 司

 

1 科目の概要

バイオサイエンスとは,本来,生命に関わる科学全般を意味する言葉であるが,本講義では生命現象の分子レベルでの記述とその科学技術への応用に関する研究分野として捉え,その歴史と現状を紹介し,課題を議論する。

 

2 教育方針・教育目標

ウイルス,酵母から線虫・ツメガエルや哺乳動物にいたる幅広い生命体に関わる機能調節の分子機構を理解することで,バイオサイエンスに携わる為に必要な洞察力を養う。

 

3 教育内容

まず,バイオサイエンスに関わる基礎的な知見を紹介しながら,その現状について講義する。講義の前半は,酵母,培養細胞等を用いた研究から,線虫,ツメガエルや哺乳動物を対象とした研究に関して,過去の重要な研究成果と最新の知見を紹介する。また,講義の後半では,RNA腫瘍ウイルスの生活環とそのベクターとしての利用に関する基礎的な知見,チロシンリン酸化を介した発癌シグナルとその抑制機構や多様な生体高次機能の制御機構と疾患におけるその破綻について最新の研究を紹介する。

選択科目であるから,積極的に講義に参加する学生を対象とする。また,実際の講義にあたっては,参加者の希望に対応した内容の修正を適切に行いたい。

 

回数

日 時

内   容

担当者

1

12/2(金)

2

ガイダンス/講義の内容と形式の紹介

山 梨

2

12/9(金)

2

細胞の増殖と分化

澁 谷

3

12/16(金)

2

細胞の接着と運動

澁 谷

4

1/6(金)

2

個体の発生と分化

澁 谷

5

1/13(金)

2

RNA腫瘍ウイルスの生活環とベクター利用の基礎知識

山 梨

6

1/20(金)

2

癌遺伝子とチロシンリン酸化を介したシグナル伝達機構

山 梨

7

1/27(金)

2

チロシンリン酸化を介した生体高次機能の制御機構

山 梨

 

 

 

 

〔単位〕選択1単位

〔場所〕保健衛生学講義室3(医歯学総合研究棟8階)ほか

 

4 教科書・参考書

なし

 

5 他科目との関連

「分子生物学」との関連は深いが,両者を受講することにより,バイオサイエンスの多面的な理解が期待される。

 

6 受講上の注意

受動的に講義内容を覚えるのではなく,積極的に講義に参加すること。講義に関連してより深く知りたいことや,講義の内容について理解できないことを積極的に発信する姿勢が求められる。

 

7 成績評価方法

講義への積極的な参加姿勢とレポートの内容に基づいて評価する。