学会デビュー 〜 3年生で口頭発表

森下真紀さん(現在、歯学部歯学科3年生)は第68回分析化学討論会(宇都宮大学峰キャンパス 5月19日-20日)にて、「赤外分光法による唾液成分の状態解析:ファイバープローブ型ATRによるアプローチ」というタイトルで口頭発表を行いました。

これは教養部自由選択科目「生体分子分光学演習(担当:奈良雅之 准教授)」の授業の延長上で、2年生の半年もしくは1年間、担当教員の研究分野に携わることにより、学部に進学する前に研究マインドを育成しようという教養部のカリキュラム(試行)の一環です。 森下さんは昨年度の古荘泰佑君(医学科)に続いて学会発表を体験した2人目となります。 しかも3年生になったばかりの学生が口頭発表を行ったのは我々にとって初めてのことですので快挙といえるでしょう。

12分間の口頭発表もさることながら、分子分析関連の研究者、専門家からの質問にも堂々と応答しており、発表を聴かれた先生方もまだ3年生になったばかりの学部学生だとは想像できなかったと思います。 森下さんは、この演習に参加した当初から、学会発表することを目標設定して研究に取り組みましたので、自分の掲げた目標を自分の努力で成し遂げたことになり、今回の学会発表はきっと大きな自信になったことでしょう。

これまでせっかく成果が出たところで、学部に進級してしまうことが多くて学会発表を体験させることができませんでした。 森下さんの場合は湯島キャンパスに進学した後も、夕方あるいは週末に実験して、学会発表の準備に備えるという形をとったおかげで、今回の学会発表に至っています。 学部に進級した後にも教養部で継続的に研究を続けられるような環境をサポートしてもらえると、研究マインドをもった医療人を育成することに教養部がもっと積極的に協力できるのではないかと期待しています。

今回の研究は、教養部長裁量経費でまかなわれました。ファイバープローブATRの測定に関しては、潟Vステムズエンジニアリングの樋渡史子氏・新村泰雄氏の全面的な 協力でできました。この場を借りて感謝申し上げます。
(文責:奈良雅之)

「第68回分析化学討論会」会場入り口での森下真紀さん

学会発表後の森下さんからのコメント: 「先生のおかげで、なんとか無事にやり遂げることができました。今回学会に参加できたことは、自分にとってとても良い経験になりました。これも全て先生のお力添えとご指導のお陰です。また、夜遅くまで実験にお付き合いいただき、本当にありがとうございました」