教養部第2回教育研修会として、12月1日午後6時30分より8時15分まで医歯学総合研究棟5階コンファレンス室3において、バリッシュ教授(医歯学教育システム研究センター)による講演会が開かれました。アメリカのメディカル・スクールの入学要件、MCAT、本学における授業(1-5年生)のお話、日米医学教育の比較を通して、医療現場における言葉の重み、自分でものを考え、調べる力を養成する大切さ、日本の文化に合った医学教育の必要性を強調されました。
今回バリッシュ先生は、日米医学教育の相違を二つ挙げられました。ひとつは、日本の新入生の若さです。これは、アメリカでは大学を経てからメディカル・スクールに入学するために生じる違いです。日本では医療者になるという重要な決断を、高校生の時点でしなければなりません。そのことが日本における医学教育を考える上での重要な課題だとバリッシュ先生は指摘なさいました。二つめは、アメリカの teachinghospital では学生と患者が接しやすい環境が整っており、学生が患者から学ぶ機会が多いということです。患者の了解を得て、学生が患者を通して病気に関する理解を深めていくことは、日本の大学病院にとっても有意義ではないか、とバリッシュ先生は提案されました。
医学部教員と学生も含めて30名ほどの参加者があり、講演会終了後、ガーデンパレスでバリッシュ先生を囲んで10名で夕食をともにしながら9時45分まで懇談しました。