生命科学(生物物理化学) [湯島]
後期木曜日2限 (奈良)
授業の目的・内容
- 1年生で勉強した化学熱力学の内容(基礎生命科学:化学)をさらに深めることにより、生命現象を熱力学な理論に基づいて理解する。
- 一般化学で詳しく述べることのできなかったミクロ系の物理化学を解説し、原子、分子レベルで生命科学を理解する。
- 物理、化学、生物の垣根を越えて、基礎科学を理解することにより、専門教育へスムーズに橋渡しする。
授業計画
10/7 |
一般化学・化学熱力学の復習 その1 :熱力学の原理 |
10/14 |
一般化学・化学熱力学の復習 その2 :熱力学の原理 |
10/21 |
一般化学・化学熱力学の復習 その3 :熱力学の化学への応用 |
10/28 |
相平衡・化学平衡(1):相律、一成分系、二成分系の状態図の見方、使い方 |
11/4 |
相平衡・化学平衡(2):化学ポテンシャルの取り扱い(イオンも含めて) |
11/11 |
水の性質と溶解 |
11/18 |
電気化学(1):電解質、酸化還元反応、電池 |
11/25 |
電気化学(2):ネルンストの式、標準電極電位、電気化学ポテンシャル |
12/2 |
電気化学(:電気化学ポテンシャル、膜電位・膜平衡 |
12/9 |
化学反応速度(1):速度定数、反応次数、複合反応 |
12/16 |
化学反応速度(2):反応速度と温度、酵素反応 |
1/13 |
核化学:放射性同位元素、原子核の結合エネルギー、放射性壊変 |
1/20 |
量子化学の基礎:シュレディンガー方程式 |
1/27 |
量子化学の基礎:原子軌道 |
2/3 |
化学結合:分子軌道 |
2/10 |
分子分光学の基礎:分子レベルでのエネルギー吸収、蛍光、発光etc. |
教科書
講義内容が広いので、まともに指定すると5000円〜10,000円はかかります。
したがって、この授業では教科書を特に指定せずに、補助教材、配布プリントに沿って進めていきます。興味、必要に応じて参考図書購入を検討してください。
参考図書の例
物理生化学 van Holde 著 田之倉優・有坂文雄監訳 (医学出版)
生命科学のための物理化学 D.Eisenberg & D. Crothers 著 西本吉助 他訳 (培風館)
バイオサイエンスのための物理化学 Tinoco, Sauer, Wang and Puglisi著 猪飼篤監訳(東京化学同人)
補助教材について
この授業の前半は化学熱力学が中心で、これまでに学んだことをまず思い出してもらいます。そのために補助教材として「化学熱力学・化学熱力学演習資料」をお薦めします。特に、基礎生命科学(化学)再履修者には便利です。基礎生命科学(化学)、生命科学特論Cの内容と重複するところもあります。どうしても購入したくない人は、1年次に配布した化学熱力学関連の配布資料をご持参下さい。授業に必要な箇所だけをコピーします。
成績
試験100点+α α:平常点(レポート+出席点+発表) ただし全回出席が原則である。
学生の感想 (2005年2月10日)
- 後半の方の授業は難しかった。前半に時間がかかりすぎていたのかもと思った。
- 特にありませんが、毎回授業の初めに問題演習してもらったのは良かったです。自分の復習が甘いことに毎回気づくので、、、。
- 医学科も同じ時期に同じような内容をやっていたみたいだが、この授業は基本的なところから順を追ってやってくれたので、とてもわかりやすかった。医学科みたいにいきなり式を出されても理解できなかったと思う。
- 分かりやすい説明でした。テスト頑張りたいと思います。
- 途中入室は禁止してほしい。
- まずまとめのテキストや板書に関して、大手の予備校講師として働いているものから客観的に言わせてもらえれば、「わかりにくく」理由はどの点を強調すべきなのかレイアウト的にごっちゃになりわかりにくい。板書に関しては書きながらの説明はいかがなものかと思う。板書のレイアウトに関しても工夫の余地はあると思う。熱心なだけにそれが残念でならない。
- 数々の救済措置、誠にありがとうございました。
- エネルギーの話は、反応の本質を知る上では重要なことだろうけど、想像のしようもないことなので、わかりにくかったです。
- 黒板を写すのが大変だった。
- 練習問題とその詳しい解答がもう少しほしかったです。
- 最初は1年のときに一度終わっていた熱力学を再びやるということで、もうやりたくないなと思っていました。でも始まってみたら、1年の時よりも日常生活につながる内容が多く、楽しかったです。間があくのも、意味があったように感じました。
- 難しくて、十分に理解できるものは少なかったと思う。教科書をもう少しわかりやすくしてほしかったです。
- わかりやすくて良かったと思います。
- 問題集などを指定してもらいたかった。授業以外での演習問題の解答が不親切に感じた。
- 半年やったので、そんなに毎回の授業のスピードは速くなくてもたくさんのことが学べて良かったと思います。今まで丸暗記だった起電力のあたりなど、けっこう面白かったです。
- 高校でやった生物と物理と化学がつながったような気がして興味深かった。
- 1年生のときから半年以上あいていてまた授業が始まったので、少し辛かったです。けれど、1年生のときにやったままよりもう一度やったことで理解できたこともあったと思います。
- 難しかったけれど、学部に行っても役立つだろうし、勉強になりました。でも教科書の例題や、レポートで出した問題の答えを教えてほしかった。
- 一番理解に苦しんだのはギブスエネルギーだった。けれど電池や反応速度などのところは面白かった。
- 記号の添え字に惑わされることが多かったです。
- 毎回、前回の復習をやりつつ進めてもらえたのが良かったです。
- 反応速度論が難しかった。
- テストが2回に分かれていて、結構良かった気がします。1年生の時やった熱力学より楽しかったです。
- 難しかったけど、学生の要望を聞こうとする姿勢がとてもよかった。
- 「活量」「エントロピー」「エンタルピー」の周辺が今一つ上手く理解できませんでした。
- わかったようなわからなかったような、、、。難しかったです。
- 楽しかった。いろいろありがとうございました。
- 1年の時は良くわからなかった熱力学が少しわかるようになってよかったです。
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