授業の目的・内容
最初の12回(4/14〜7/7)は[有機化学](山田担当)、残り(7/13〜)は「物理化学(化学熱力学)」(奈良担当)を行う。
【有機化学】 人体の基本的構造は有機化合物からできているから、そこで起こっている現象は有機化合物とその反応によって説明できるはずである。この講義では有機化学のうち生命現象と関連の深い部分について物質の構造と物理的性質、化学的性質との関係を学び、将来学ぶ学問領域の基礎とする。
【物理化学】 生化学、生理学を理解するために欠かすことのできない化学熱力学のエッセンスを述べる。講義内容については、基礎生命科学(化学)を参照のこと。今年度は医学科の「化学熱力学」の講義時間が大幅に縮小しているので、化学熱力学の基礎をしっかり固めたい人は、後期開講の「化学熱力学演習」も履修するとよい。
授業計画
【有機化学】(山田担当)
一つの項目が必ずしも1回の講義に対応しないが、次の内容および順序で講義をすすめる。
- 構造式、電子式、形式電荷、命名法
- 四面体炭素とsp3混成、アルカン、立体配座、
- シクロアルカンのcis/trans異性、立体配座、アルカンのラジカルハロゲン化
- アルケンとπ結合、分極と開裂、アルケンへの付加反応、求電子付加反応
- Markovnikov則、共役付加、共役と共鳴
- ベンゼンと共鳴、芳香族、求電子置換反応、配向性
- キラリティ、立体配置の表示法(Z/E, R/S)、Fischer投影式
- ジアステレオマー、メソ化合物
- ハロゲン化合物、SN1反応とSN2反応
- 水素結合、酸性度(アルコール、フェノール、カルボン酸)
- カルボニル化合物、求核付加反応、互変異性とエノレート、アミンとアミドと塩基性
- 分光法、可視・紫外スペクトル、核磁気共鳴スペクトル
【物理化学(化学熱力学)】(奈良担当)
- 化学熱力学第一法則: 状態量の性質、仕事と熱
- 化学熱力学第二法則: エントロピー
- ギブス自由エネルギー
- 化学平衡:平衡定数、活量
成績評価の方法
有機化学75点+物理化学25点で評価する。
教科書及び参考図書
【有機化学】教科書 「基礎有機化学」三訂版 H. ハート著 秋葉他訳 (培風館)
【物理化学】教科書 「マグロウヒル大学演習 一般化学」 一國雅巳訳 (オーム社出版局)
参考書 「化学熱力学」原田義也著 (裳華房)
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