実習と講義による有機合成化学

後期月曜日2:50〜6:00  (岡崎)

授業の目的・内容:

有機化学実験を実際に経験し、有機化合物の取扱い、その合成、単離・精製、性質の確認を行うことにより、有機化合物に対する知識を講義と実習により深める。有機化学実験で“加熱する”と書かれている一言は、単に原料をビーカーに入れてバーナーで加熱するのではなく、還流冷却器に塩化カルシウム管をつけた装置で一時間もかけて行う作業であることを実際に体験することが重要である。さらに合成された生成物には、副反応物や反応が完全に進行しないために未反応物が含まれる。これらを取り除いて目的物を単離・精製する手段として、蒸留法、抽出法、結晶法、昇華法、透析法、吸着法、沈澱法などを、実験を通してその分離の原理を理解してもらう。実験ノートに一次記録をとりレポートをまとめる。さらに最終回に各自にその成果を発表してもらう。プレゼンテーションのやり方を勉強してもらう。



実験項目:

  1. 酢酸エチルの合成 その1 合成と精製 (還流・抽出、蒸留)
  2. 酢酸エチルの合成 その2 性質の確認、酸とアルカリによる加水分解速度の比較
  3. アセトアニリドの合成 その1 合成と精製(還流、吸着、再結晶)
  4. アセトアニリドの合成 その2 性質の確認、加水分解、融点の測定
  5. アゾ色素の合成 その1 メチルオレンジの合成
  6. アゾ色素の合成 その2 β-ナフトールの合成

 項目1〜6は教科書:化学実験、科学基礎実験Aで配布したテキスト「化学実験」(東京医科歯科大学教養部化学教室編)。
 なお、アドバンストコースとしての実験項目も行うことができる。 例えば、カフェインの抽出・単離・精製、 パラニトロアニリンの合成と精製、安息香酸エチルの合成など。 別途実験指針を配布する



授業風景

有機合成化学発表会

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