平成１５年度　連携教育「化学基礎」（岡崎）

授業の目的・内容：

身近な現象をとりあげて、将来看護に役立つ「一般化学の基礎」を学んでもらう。湯島地区で必修科目として開講される基礎生命科学(生物学)を学んでいく上に役立つ基礎知識や考え方を講義する。

教科書：「基礎から学ぶ 生命・環境の化学[第２版]」三浦洋四郎、船越浩海、岡崎三代（建帛社）1900円

講義形式：

• 教科書とその補充プリントに沿って、板書きを主とし、OHPや分子模型（提示および　　　回覧）を用いた。
• 授業項目内容の徹底的予習を促すため　初回に授業予定項目に関して、教科書の参照ページ、その内容に関するコメント、興味の度合い（◎：とても興味ある、○：興味ある、△：普通、　×：興味ない）を記入用のアンケート用紙を配布。授業最終日までに提出させた。
• 演習形式をとりいれて、毎回授業中に課題を与え、コメント・まとめ・質問を書いてもらい、提出させ、こちらでコメントに対する評価や質門に関する回答を朱書きして、翌週返却する参加型授業を行った。効率化のために座席指定とした。

最終日の感想

• この授業では化学の基礎から発展的なものまで知ることができてよかったと思う。
• 第1回と2回と前半は割と生体に関わることが多かったので興味を持って授業を受けられました。後半の基礎的な部分はやった内容がとても多く、足早の授業だったけれど、高校で習ったものを思い出しながらついていくことができました。授業回数が少なかったのがちょっと残念かなと思いました。
• 今まで化学を学んできて遷移元素について深く知る機会は無かったので、勉強になった。
• DNAの塩基の結合に水素結合がいかに重要な役割を果たしているかわかりました。
• 必死で書いたアデニン,チミン,グアニン、シトシンの構造がDNAの2重らせん構造の結合だと気づいた時は感動した。生物の授業ではA-T,　C-Gと書かれていて結合の内容は考えもしなかった。けれど、DNAのようなナノの世界での結合が水素結合により、しかもうまい具合に行われていることに驚いた。
• 英語の宿題かなりきつかったです。化学の基礎をかためるにはあまり適切でなかった気がします。将来ナースになるに当たって必要な知識はあまり得られなかった。化学を高校で専攻していないヒト向けではなかった気がする。
• 生命の重要な部分を担う化学構造が分かった。生物系の勉強に役立ちそうだ。だんだ生物と化学の壁がなくなってきた感じがする。
• 生体機能の化学的仕組みから始って、１つずつ化学の基礎を通過して、DNAの結合の仕組みで最後をくくる。とても感動です。今までバラバラで持っていた知識が１つにつながったような気がします。もっともっと構造式を使いながら化学的性質を考えて見たかったです。
• 今まで化学式や構造式を見るといやーな感じがしていましたが、化学基礎の授業を受けて、生物と深い関係があることも分かったし、前より理解が深まったので、もうちょっと自分でも本とか読んでみたいなと思います。
• 高校１年生の時に少し化学を勉強しただけなので、みんなに簡単すぎる部分も私にはちょうど良いです。化学基礎みたいなものをやっているときは何とかついていけましたが、構造式や複雑なことをやっていると、板書きで精一杯で、講義があまり聴けず。さらに分からなくなるという悪循環に陥ってしまうことがありました。
• 内容的にはとても難しく理解しきれていないと思うけれど、おおよその話はきちんと分かったと思うので楽しかった。今まであやふやだった点も解決できた。宿題の英文は量が多く、読むのが大変だったけれど、とての興味深く、きちんと理解できればますます知識が深まっただろう。
• 今までの授業で習ったことのまとめが、今日の最後の核酸の構造式にでてきたような気がする。体の中で何と何が結合して、例えばアデニンとチミンが結合する時、その２つの形は本当にぴったりだ。ちょうど組み合う部分がHとO、HとNになっていて、自然に水素結合ができるようになっている。自分が生物で暗記していたTとA、CとGが結合するという原理が分かった。全ての化学反応には原子のつながり、とれるなど見えない電子の動きがある。そこから小さくは水の形成であれば、大きくは体内の酵素、または色々な成分の形成があるだろう。その化学図は自らは書けないが、すごく楽しくなった。
• 宿題のプリント（生命に必要な化学的条件）の内容のように、人間の体に関わるコレステロールや様々な物質を考える時、生物学的要素だけでなく、化学的な要素も関わってくるということをしみじみ感じました。

演習風景

休憩時間

分子モデルで脱水縮合反応

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